イベントを終えてレポートしてみる

FFKT2022で見てきたアクトについて感想を書いてみる。①

 よくライブに行くと、演出の照明のライトが目の奥に残って、眠ろうと思って目を瞑ると、そのライトの感覚が瞼の中で蘇りチカチカとする。っていう経験をします。あれには何か名前が付いているのでしょうか? 仮にファントムと呼ぶ事にしましょう。さて、今回僕が患ったファントムは光のチカチカではありません。

 それは“四つ打ち”です。

 静かな場所で耳を澄ませると、遠いどこかから重たいドラムとハイハットの裏打ちが聴こえてくるような気がするのです。これこそダンスミュージックの成せる技。という訳でFFKT2022について早速語っていきたいと思います。

 まず初めにお品書きとして、僕が見たアクトとその順番について。それらは以下の通りになります。

 ①KID FRESINO

 ②長谷川白紙 

 ③GEZAN

 ④ ∈Y∋

 ⑤Andy Stott

 ⑥Kangding Ray

 ⑦D.A.N.

 ⑧Djrum

 ⑨Fumiya Tanaka

 ⑩naomi paris tokyo

 はい。ほぼ予定通りの運びになりました。こんな感じの感想を述べていこうと思います。


 ①KID FRESINO

 一発目、STEELステージでのアクト。実を言うとバスの時間が押してしまい、スタートから見る事が出来ませんでした。レンタルテントの受付に右往左往しつつ、残りの20分ぐらいを見る事が出来ました。今回はFRESINOとバックDJの2人でライブを行うスタイルで、実を言うとバンドセットでのライブしか見た事が無かったので、とても新鮮に感じられました。ラッパーの枠に囚われない自在なスタイルを特徴とする同氏ですが、定番のスタイルも上手に熟している印象でとてもカッコよかったです。ただ「No Sun」という曲で歌い出しを間違えるというミスをかましてしまい、それを戯ける様がとてもFRESINOらしくて魅力がありました。アルバム『20,Stop it』のリリース以降ライブには行けてなかったので、新譜も聴けたりととても充実した時間でした。惜しむらくは、その裏のONGAKUDOステージでライブをしていたTempalayが見れなかったこと。こっちもめちゃくちゃ見たかったのですが、血の涙を流して諦めたとさ。


 ②長谷川白紙

 続く長谷川白紙は同じくSTEELステージにてライブを行いました。前回にて話し通り、今回のFFKT参加の最大の要因は長谷川白紙が来る事でした。それほどまでに待ちに待ったライブ、勿論最前列まで行って対峙しました。いやー、すごかった。というか最高だった。マジでもっと沢山聴きたかったです。個人的に嬉しかったのは、2018年にリリースされたEP『草木萌動』に収録された楽曲「キュー」をやってくれたことです。同曲はYellow Magic Orchestraの「キュー」をカバーしたもので、より複雑かつダンスミュージックなチューンが施されています。YouTube上に長谷川白紙のライブ映像はいくつかアップされており、何度も予習してライブに臨んだのですが、やはり本物は迫力が凄かった。また、最後の曲となった「ユニ」もずっと生で聴きたいと思っていた曲なだけにとても鳥肌が立ちました。本当によかった。そのまま全曲聞いていたかった……。最後に印象に残ったことを一つだけ。僕らの目の前でライブを見ていた人がとても印象に残っています。年齢は十代と言った具合で、服装は夏の学生服のようで、普段登下校で使用しているのだろう使い古されたリュックを背負っていました。そしていざライブが始まると、他の誰にも似ていない独特のステップで音を楽しんでいました。僕はなんとなく、この人の前には行かないでおこうと思いました。とても純粋なものを僕はライブを通して見ているようでした。なんとなく心が洗われた感じがしました。

 こんな素敵なファンをずっと大切にして欲しいなと思いつつ、夢のような時間を終え、そして次のGEZANのライブに臨みました。


 ③GEZAN

 初のONGAKUDOステージ。さて、念願だったGEZANとの戦い。いやーまじで盛り上がった。これだよこれ、これが俺が見たかったライブ。時間も夕方が夜に差し掛かり、ライブ演出の赤い光がより一層猛々しさ増すころに、さらに熱を帯びるオーディエンス。僕らは扇状のアリーナのちょうど中間くらいから見ていたのですが、とにかく熱量が凄かった。とにかくライブのパフォーマンスがいい。同じくライブを見に行ったツレもかなり食らったようで、普段GEZANの曲を聴かないそいつも「かっけえ……」と言葉を漏らしていました。ドラムセットで和太鼓のように使ったドラミングする様は、何か日本の深い血を感じたと言うか、やはり否応なしにテンションがブチ上がりました。惜しむらくは、ライブパフォーマンスが40分で終わってしまったこと。舞台上からボーカルのマヒトが「40分って決まってるの知ってるやろ?」と言ったり、もっと長谷川白紙と同じく、次は長い尺でじっくりと見てみたいと思いました。


 さて、次回は∈Y∋、Andy Stott、Kangding Rayについて語っていこうと思います。いよいよダンスミュージックっぽくなってきました。

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