第37話 隠しきれないおっぱいバレー

 2学期は色々とイベントがある。


 球技大会、学園祭、修学旅行と……


「冬馬、一緒にバレーだな」


「うん、よろしく」


 俺は道三郎と同じバレーに参加することになった訳だけど……


「えっ、冬馬くん、バレーに出るの?」


「うん、そうなんだよ」


「私、中学までバレー部だったよ」


「え、そうなの? 高校ではやらなかったんだ?」


「まあ、ちょっと胸が大きくなり過ぎちゃって、邪魔と言うか……恥ずかしかったから」


「あはは、そうなんだ」


「こら、ニヤニヤしないの」


「じゃあ、可奈子さん。教えて欲しいな」


「えっ? そうね……うん、良いよ」


「本当に?」


「スポーツの秋って言うし。ここだけの話、最近ちょっと太っちゃったから」


「え? お腹とか全然細いじゃん。たぶん、胸が成長したせいだよ」


「もう、エッチくん」


「いや、本当のことを言っただけでしょ」




      ◇




 そして、休日。


「そういえば、涼香さんもバレー部だったって、話していましたね」


「そうそう。でも、高校からは将来を見据えて、文章を書いていたから。突き指を嫌ってやめたの」


 ジャージ姿の美女2人がにこやかに話している。


「なあ、冬馬。バレーになって、本当に良かったな」


「道三郎は、涼香さんがバレー部だったって、知っていたの?」


「いや、全くの偶然だよ。しかし、我が彼女ながら、エロいおねーさんだな」


「普通の格好じゃないか」


「バカ、ジャージだぞ? 普段はシャレオツな涼香さんが、あんな風にジャージで……しかも、この後ブーストがかかるからな」


「ブースト?」


「お前も楽しみのしておけよ、おっぱい」


「あ、そうだ。可奈子さん、この前プレゼントしたスポブラ、着けてくれている?」


「えっ? 着けているわよ。ありがと、冬馬くん♡」


「おまっ、バカ。何てことしているんだよ」


「えっ? だって、可奈子さんの乳揺れを他の男に見せたくないし」


「まあ、その気持ちは分かるが……涼香さんも、もしかしてスポブラにしてるの?」


「ううん、私は普通のブラよ」


「イエス! あざっす!」


「道三郎、どうした?」


「冬馬、お前は親友だから、特別に俺の彼女の眼福シーンを拝ませてやるよ」


「はぁ、ありがとう」


「じゃあ、最初は軽くトスの練習から始めよっか」


 ジャージの4人である俺たちは、オーバーハンドトス回しを始めた。


「こんな感じかな?」


「そうそう。上手よ、冬馬くん」


「ほら、ミッチーも負けないで」


「おりゃっ」


 たまには、こんな風に体を動かすデートも悪くないな。


「あっ、あっちのコート空いたみたいだよ。じゃあ、ちょっとゲーム形式でやろうか」


 涼香さんが提案する。


「カップル同士でチームを組みましょう」


「良いですね」


 そして、ゲームが始まる。


「それっ」


 可奈子さんがサーブを放つ。


 きれいな孤を描いて相手コートに向かう。


「ほっ」


 涼香さんがきれいにレシーブした。


「ミッチー、トス上げて!」


「うっす!」


 先ほどの練習の成果か、きれいにトスが上がった。


「はいっ!」


 涼香さんの強烈なスパイクが俺たちのコートに突き刺さった。


「イエイ!」


「おぉ~!」


「どうよ、ミッチー?」


「良い感じだよ、涼香さん。ちょっと、体が火照って来ない? 俺、脱いじゃおうかな~」


 何かわざとらしく道三郎が言う。


「じゃあ、あたしも脱ぐわ」


 涼香さんもジャージの上着を脱いだ。


 Tシャツ姿になると、ボディラインがよりくっきりと浮かぶ。


「……うしし」


 あいつ、絶対に何か企んでいるな。


 何となく、もう分かっているけど……


「じゃあ、今度はあたしからサーブね」


 涼香さんがサーブを放つ。


「えいっ。冬馬くん、トスお願い」


「それっ」


 俺もきれいにトスを上げられた。


「はいっ!」


 可奈子さんも、その可憐な見た目に似合わず強烈なスパイクを叩き込んだ。


「可奈子さん、ナイス!」


「ありがとう!」


 俺と可奈子さんはハイタッチする。


「いや~、そちらのお二人さんも熱いですね~。脱いだらどう?」


「えっ? そうだな……」


「じゃあ、私も脱ごうかな」


「可奈子さん?」


 ジャージの上着を脱ぐと、可奈子さんもTシャツスタイルだ。


 スポブラのおかげで、その豊満すぎる胸は何とか隠れているけど……


「えいっ」


 可奈子さんがサーブを打つ。


「それっ」


「涼香さん、またスパイクをお願いします!」


「オッケー!」


 涼香さんは高く飛び上がった。


 胸を反り上げて、打つ。


 その際、可奈子さんには劣るが、それでも十分に豊かな胸がぶるると揺れた。


 その光景に目を奪われたせいじゃないけど、俺は上手くレシーブ出来なかった。


「ご、ごめん、可奈子さん」


「ドンマイ、冬馬くん」


 一方、あちらのコートでは……」


「涼香さん、ナイスおっぱ……スパイクっす!」


「ミッチー、今おっぱいって言いかけたでしょ~?」


「そ、そんなことはないよ~?」


 案の定である。


 まあ、俺もつい見ちゃったから、とやかく言えないけど。


 その点、可奈子さんはしっかりスポブラしているから、安心だ。


「それっ」


「はっ」


「可奈子さん、お願いします!」


 俺はきれいにトスを上げた。


「任せて!」


 可奈子さんは助走をつけて飛び上がり、胸を反らせた。


 ブチッ、と何か音がした。


 だが、構わず右手を振り下ろす。


 強烈なスパイクの瞬間、同時に強烈な揺れが胸部に生じていた。


 えっ?


 ばるるるるん!


「お、おっぱ……!?」


 目を見開いた道三郎は、一歩も動けなかった。


「やった~!」


 可奈子さんは嬉しそうに飛び跳ねる。


 その際、スポブラでしっかり固定されていたはずのおっぱいが、ぶるるん! ばるるん! と、これでもかというくらいに爆揺れしていた。


「こ、これは……す、すげえ……」


「ちょっと、ミッチー……でも、やっぱり、可奈子ちゃん、すごいわ。あれ、もう確実に3ケタ超えているでしょ?」


 あちらのカップルがひそひそ話す様子を見て、


「え、どうしたの?」


 可奈子さんはきょとんとしている。


「あの、可奈子さん……」


「冬馬くん、なに?」


「いや、それ……」


 俺は少し視線を逸らしながら、可奈子さんの胸部を指差す。


「えっ?……あっ!」


 可奈子さんの胸が、先ほど以上に突き出していた。


 スポブラによる固定から解放されたためである。


「も、もしかして、私……破いちゃったの?」


「う、うん、たぶん。可奈子さんの……そのおっぱいが凄すぎて……だと思う」


 俺が赤面しながら言うと、可奈子さんはそれ以上に赤面した。


「ひゃッ……」


 慌てて両手で胸を隠す。


「うひゃひゃ! 可奈子ちゃん、マンガかよ! おっぱいデカすぎて、ブラが壊れるとか……ウケる!」


「いや~、良いものを見せてもらったな~!」


「み、見ないで!」


 ケラケラと笑う相手のカップルに対し、可奈子さんはひたすら恥ずかしそうにしている。


 俺は脱いだジャージを拾った。


「可奈子さん」


 それを背後から、ふわっと掛けてあげる。


「あっ……冬馬くん」


「もう、激しく動くのはやめて、ストレッチして終わりにしようか」


「うん……ありがとう」


 可奈子さんは嬉しそうに微笑んでくれる。


「ごめんね~、可奈子ちゃん。悪かったよ」


「ごめんなさい」


「ううん、良いの」


「じゃあ、クールダウンして着替えを済ませたら、みんなでお茶に行こうか」


 俺が言うと、


「「「さんせーい!」」」


 みんな笑顔で手を上げてくれた。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る