第38話 スタミナがつきすぎた

 良いコーチに恵まれたおかげだろうか。


「それっ!」


 バシン!


「「「きゃーっ! 月城くん、かっこいい~!」」」


 球技大会にて、俺は良い活躍を披露した。


 そして、道三郎も一緒に。


「月城くんは前からかっこよかったけど、羽鳥も意外とやるじゃん」


「あの2人、何か良い感じだよね~」


「ちょっと後でカラオケとか誘ってみる?」


 なんて声がチラホラ聞こえて来る。


「おい、冬馬。聞こえたか? 俺たちモテモテだぞ?」


「うん、ありがたいね」


「なあ、誘われたらどうするよ? せっかくだし……」


「いや、俺はまっすぐ家に帰るよ」


 体操服を脱いで言う。


「今日は球技大会おつかれってことで、美味しいごはんを作って待ってくれているんだ」


「へぇ~、さすがだなぁ。ていうか、冬馬は本当に可奈子さんのことが好きだな~。まあ、あんだけ可愛い美人さんで、おまけに爆乳とくれば、ゾッコンになるのも無理ないか」


「道三郎だって、そうだろ?」


「まあな~。俺も今日は、涼香さんを誘ってみようかな~」


「それが良いよ」


 俺は微笑んで言った。




      ◇




 俺は玄関ドアを開ける。


「ただいま~」


「おかえりなさ~い!」


 可奈子さんが笑顔で駆け寄って来た。


「疲れたでしょ?」


「うん。でも、良い感じの汗を流せたよ」


「うふふ、カバン持ちます♡」


「本当にお嫁さんみたいだ」


 俺は笑いながら家の中に入った。


「あっ……ごはんにする? お風呂にする? それとも……わ・た・し?」


「ぜんぶまとめて欲しいな」


「へっ? も、もう贅沢スタイルね♡」


「冗談だよ。先にお風呂に入るよ」


「お背中ながそうか?」


「でも、まだ夕飯の支度の途中でしょ? そっちを進めて」


「うん、分かった」


 それから俺は、サッと風呂を済ませてリビングに戻った。


 夕飯の支度は済んでいた。


「わぁ~、美味そうだなぁ~!」


 テーブルに並ぶのは、チャーハン、ギョーザ、生姜焼き、ステーキ……


「ス、スタミナが付きそうだね」


「ご、ごめんね。つい張り切り過ぎちゃって……残しても良いから」


「いや、なるべく食べるよ。いただきます」


 俺はさっそくチャーハンを食らう。


 ガツガツと。


「くぅ~、ニンニクが利いてるね~!」


「平気?」


「うん。けど……あっ、何でもない」


「え~、気になるよ~」


「いや、まあ……この後、可奈子さんとキスできないな~って」


 俺が言うと、可奈子さんはぽっとを頬を赤らめる。


「大丈夫だよ」


 そう言って、可奈子さんはスプーンでチャーハンをすくって食べた。


「私も、一緒にニンニク臭くなるから」


「か、可奈子さん……エロいな」


「な、何でよ」


「よーし、食べるぞ~!」


「どんどん食べて♡」


 俺は気合を入れて可奈子さんの豪華スタミナメニューを食した。




      ◇




 食べる時から、少しばかりお行儀が悪かったことを反省する。


 けど、一緒に汗だくになってご飯を食べる可奈子さんが、とてもエロかったから。


 食後、ちょっと休憩してから、すぐに可奈子さんとキスをした。


 ニンニクの臭いは……気にならなかった。


 可奈子さんのきれいなお姉さん効果で、そんなものは消臭された。


 いつもどおり、甘い香りのするキスだった。


「……はッ。ごめん、可奈子さん。俺、我慢できなくて……」


「ううん、良いよ……デザートタイムだね」


「最高のデザートだよ。このおっぱいとか、ボリューム満点で柔らかいし」


「あなたへの愛情がいっぱい詰まって……ここまで育ちました」


「……じゃあ、責任を取らないとね」




      ◇




 また、お風呂に入っていた。


「ごめんね、冬馬くん。2度風呂させちゃって」


「いや、良いよ。こうして、可奈子さんと一緒にお風呂に入れるし」


「じゃあ、いっぱい背中を流します」


「すりむけちゃうよ」


「大丈夫、おっぱいで洗ってあげるから♡」


「いかがわしいお店じゃんか~」


 とかじゃれ合いながら、背中を流してもらって、二人でお風呂に入る。


「すげ~。可奈子さんのおっぱいがデカすぎて、水が溢れるよ」


「こら、からかわないの」


「でも実際問題、こんなデカいのぶら下げていたら、すごく肩が凝るんじゃないの?」


「まあね~。けど、冬馬くんが大好きなおっぱいだから、ちゃんと維持したいな」


「ていうか、まだ成長しそうで怖いんだけど」


「オ、オバケみたいに言わないでよ」


「オバケおっぱい」


 俺が言うと、可奈子さんはムッとした顔で振り向く。


「彼女をいじめてそんなに楽しいですか?」


「ご、ごめん」


「良いよ、冬馬くんはイケメンどS王子だもんね」


「だから、そんなイケメンじゃないって」


「でも、今日の球技大会で女子にキャーキャー言われたんじゃないの?」


「まあ、可奈子さんたちがコーチしてくれたおかげでね」


「ふぅ~ん?」


「あ、道三郎も活躍して女子に褒められていたから」


「へぇ~? やっぱり、あなた達は同年代の若い子が良いのかしら?」


「それは違うよ。俺たちは……俺は、可奈子さんが一番だから!」


 ついりきが入ってしまい、俺の声がよく反響した。


「ご、ごめん……」


「う、ううん……嬉しい」


 また、キスをする。


「ねえ、私のおっぱいで遊んでみる?」


「えっ、良いの?」


「もう、冬馬くんってば。子供みたいに目を輝かせちゃって」


「だって、俺このおっぱいでいっぱいやりたいことがあったんだ」


「な、何をするつもりなの? やっぱり、やめて……」


「それっ」


「きゃっ……も、もう、エッチ~♡」


 俺たちもすっかりバカップル、というかバカ夫婦だなと思った。


 ちなみにその後、可奈子さんのスタミナ料理が効いたのか。


一晩中たっぷりと汗を流して、一緒に朝風呂に入ってまた同じ遊びを繰り返した。


 おかげで、学校と仕事に遅刻しそうになった。







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