第23話 話術戦!

 新スキル「反下級魔法」を覚えてから1ヶ月。いろんなことを検証していた。

 

 まず気づいたことは、少なくとも8属性(雷氷木熱)までは「反下級魔法」の効果は発揮されるっぽい。10属性(光闇)は持ってる人が周りには居なかったので検証は出来なかったけど、俺の予想で多分できると思ってる。

 魔法陣が出てくるのは全ての魔法に共通していることだから多分大丈夫なはず。


 それと、知っての通り反魔法は難し過ぎる。スキルを会得してからずっと毎日、右手から魔法を出して左手で反魔法を使う(その逆も)ことを風呂場や寝る前にやっていて、自分てやる分には100%完璧にできるようになった。

 だけど、レーネやエール、ルナ姉やグランツェに対戦をやってもらって反魔法を使うときの成功率なんて良いときでギリギリ40%を超えるくらい。悪い時なんて5%しかなかった。

 それに完璧に相手の魔法を操作できるのなんてその中の1/3しかない。


 マジで効率悪いなこの魔法、、、


え?なんでいまだに使ってるだって?1番カッコいい魔法だからだよ。


 まぁ、そんなことはどうでもよくて、ほかの魔法師と比べても微妙で身体能力も大して無い俺はこういう技が結構貴重だったりするからな。



「それにしても難し過ぎるよこの魔法、、」

「何が難しいのですかローラン君?」


 おっと、そういえば今は授業中だった。思わず反魔法が難し過ぎて口に出てしまった。


「あっ、いえ何も。」

「そうですか。分からないことがあれば言ってください。」

「はい、そうします。」


 とはいっても、こんな魔法誰がコツとか教えてくれるんだよって話だよな、、



「はぁ、、、」





 その後授業が終わってからも悩みに悩んでいたらレーネが話しかけてきた。


「やっぱり反魔法って難しいんだね。」

「それもかなり、、、誰か教えてくれよ。」

「そんなこと言ったってそんな魔法使える人ほとんどいないよ。頑張って練習するしかないね。」

「だよなぁ、、めちゃくちゃ強い魔法だけどそれなりの代償はいるもんなぁ。」

「私も手伝うから頑張ろ。」

「うん、そうだね。」


 そうして俺は家に帰るとすぐに魔法の練習を始めた。



「やっぱ、反復練習しかないか、、」


 そうして俺はその日はずっと練習を重ねた。

  


 次の日、起きてからずっと反魔法の練習をしていた。両手は塞がっているが朝食、昼食ともに風魔法を使って口に運んで食べていたらグランツェから叱責が飛んできた。


「ローラン、行儀が悪いからやめなさい。」

「ごべんだばい(ごめんなさい)」

「食べながら喋らない。」


 そう言われたので、食事の間だけは魔法の練習をやめることにした。


 昼食を食べ終えて少しすると1時半を過ぎていたのであれはエールの家に向かった。


 エールの家に着いて上げてもらうと既にレーネがいた。相変わらず勤勉なことで、、

 

 そんな事を考えているとエールから声がかかった。


「今日は今までの抜き打ちテストをします。」

「今からですか?」

「今からです。」


 そうして俺たちは抜き打ちテストをすることになった。


 テスト前にエールからの説明があった。今回のテストは今までの範囲からと初めテストから少し出されることになった。

 今回のテストも平均点は前と同じらしい。前と同じくらいの点数を取っておけば問題はないだろう。


「それでは始めます」


 その合図と同時に俺たちはすぐにテストに

向かった。国語、数学、社会、、、と前回と同様の順番で解いていった。

 相変わらず簡単だなぁ、、、


 そう思って俺は解き終えた。バレないようにレーネの方を見たらレーネは結構悩んでいるようだった。

あれ?これそんなに難しいやつなの?

 

 そう思って俺はすぐさま全教科-10ずつした。これで大丈夫だろう。と思っているとテストが終わった。


「お疲れ様です。点数を出すまでそこのお菓子でも食べて待っておいてください。」


 そうエールは言ったのでありがたく頂戴しよう。やっぱ美味いな、、なんか店でも出したら売れそうだけどな。


 そんな事を考えながら食べていると採点が終わった。


「まずはローラン君、70.71.72.21.22.23です。」

「はい。」


 俺の採点を聞くとレーネは横でニヤニヤしていた。


「ねぇ、ローラン。このテスト勝った方が一回だけなんでも言う事を聞かせられる権利をかけて勝負しない?」

「え?、、、あぁ、いいよ。」


 俺の採点を聞いた後にそんな話を持ちかけ

るなんて、、、とは一瞬思ったけど、別に俺は勝負事には興味がないため引き受けた。どうせ子どもの戯言だろ。


「次にレーネちゃん。85.90.62.35.71.13です。」

「やった!ローランに勝った。」

 今ので負けてたら相当だぞ。


「それで、なににするの?」

「それはね、、、今日の帰りに言うとする。」

「ん、わかった。」


 そうして話が終わった俺たちはテストの採点の評価と次のテストの目標を決めた後に授業の続きが行われた。

 ちなみに俺は平均点よりもプラス5点ずつ、レーネは平均点を取ればいいとのこと。


 ノルマを達成していたら何も言わないけど、達成するしていないとペナルティかあるってことか、、非常にわかりやすい。


 そういう事みたいなので俺は次のテストは少しばかり本気を出すことにした。



 

「それでは、時間ですので今日はここまでにします。ローラン君は次のテストに向けて頑張るように。」

「はい、それじゃあ先生さようなら。」

「はい、さようなら。」

「先生、さっ、さようなら。」

「はい、さようなら。」




 そうして俺たちはエールの家を後にした。家を出るとすぐに俺は賭け事の話を持ちかけた。


「それで、結局何すればいいの?」


 俺はそう聞くとレーネから斜め上の方向に

回答が飛んでいった。


「今日から2週間、家に来て。」

「ん?、、、オトマリ?」

「オフコース!」


 お泊まり、、、それも2週間も?大丈夫なのか?迷惑じゃないだろうか?

 てかこの世界に英語あるんだ、、初めて知った。


 とりあえず俺は先に疑問を片付けようとしたらレーネはすぐさま走っていった。


「それじゃあ、今日家で待ってるから!来なかったら意地悪な事するからね。」


 どうやら俺は行かないといけないらしい。

だが、「来なかったら、、、わかってる?」じゃなくて本当によかったよ。そう言う人は本当にタチの悪いことをやってくるから意地悪します宣言はまだありがたい。



 そんなやりとりの後、俺は家に帰った。


「ただいま。」

「おかえりローラン。」

「今日から2週間レーネの家に泊まることになった。」

「わかったわ、いってらっしゃい。向こうに行ったらちゃんと挨拶するのよ。」

「はーい。」


 はーい、とは言ったけど行ってもいいんだ。そういうの全然気にしないんだ。

 そう思いつつも俺は泊まりの準備を始めた。


「ご飯は食べて行くの?」

「知らない。」

「知らないって、、まぁルージュなら出してくれるわよ。」

「わかった、じゃあ行ってくる。」


 そうして準備を終えた俺はレーネの家に向かった。


 その後、レーネの家に着くなりすぐに戸を開けてくれた。


「さぁ、入って入って。」

「お邪魔します。」


 そうして家に入ると今日はルージュとレーネの2人だけだった。


「来たのねローラン君。」

「2週間お世話になります」

「とりあえず、もうすぐ夕飯ができるからそれまで少し待っておいてね。」

「ありがとうございます。」


 夕飯ができるまで俺は魔力を扱う練習をしながらレーネと喋っていた。


「ローランっていつもそうやって魔力を流したり、反魔法をしてるよね。」

「まぁね。君みたいな天才と違って僕は努力でなんとかしないと周りに置いていかれるからね。」

「私は天才じゃないし。まぁ、ローランより少しだけステータスが良いことは認めるけど。」

「そういうのが天才って言うんだよ。」

「そんな事言ったらローランなんて無詠唱使えるじゃない。どうやってるのか教えてよ。」


 そう言われたので仕方なく無詠唱を教えることにした。


「無詠唱っていうのは魔法演算と魔法数式をある程度理解した上でそれを頭の中でイメージし、魔法陣を構築してやっと無詠唱ができるんだよ。教えてって言われても1年はかかると思うけど、、、」

「えー、1年もかかるのー。なんか早く覚える方法はないの?」


 そう言われましても俺は生まれた時から本読んで自分で理解出来るだけの頭があったから出来ただけであって、30超えても使える人かそうそういないものを9歳でより早く覚えたいって言われてもな、、、


「杖を使うのであれば2ヶ月で大丈夫だと思う。けど、僕みたいに杖なしだとさっき言ったくらいにはかかるかな、、、」

「じゃあ、せめて杖ありでいいから教えてよ。」


 そう目を輝かせながらレーネは言ってきたので俺がやっている通りに教えることにした。



「レーネの得意魔法ってなんだっけ?」

「木と火。先生との戦いちゃんと観てたの?」

「あぁ、観てたよ。ちゃんと。」


 観てたのは魔法じゃなくて全体だけどな。


「それで得意魔法がなに?」

「多分、今のレーネだと得意魔法くらいは超短文詠唱、あわよくば無詠唱もできると思う。」

「本当?」

「多分だけどな。」

「ママ、ちょっとだけ外で魔法打ってきていい?」

 

 そうレーネが聞くと「10分で出来るからね。」とだけ言ったので俺たちは庭に出ることにした。



「まず、いつも使ってる木属性の魔法陣を頭の中て描いてみて。」

「えっと、、大体こんな感じかな。」

「大体じゃダメ。鮮明に細部までしっかりと。」


 そういうとレーネは頭の中でしっかりと魔法陣を描きだした。


「ローラン出来たよ。」

「それじゃあ放って。」


 俺がそう言った後にレーネは魔法を放った。正直言ってできると思っていなかった。紛れもなく無詠唱だった。


「ローラン、見た!今の無詠唱で放ったよ。」

「はいはい、見てた見てた。正直言ってできると思っていなかった。」

「できると思ってなかったんならもっと喜んでよ。」

「ヤッターーー。」

「なんで棒読みなのよ!」


 何故に人の成功を喜ばんとダメなんや。自分の成功くらい自分で喜べ。てか、むしろ腹立つ!なんで1発目に無詠唱が出来るのかがちょっと意味不明。天才ってマジで怖い。


「それじゃあ、次は火属性の魔法を放ってみて。」

「うん、わかった。」


 そう言って魔法陣を描き終えたレーネは火属性の魔法も無詠唱で放つことに成功していた。


「見てみて!火属性もできた!」

「本当に天才って怖いわ。」

「別に天才じゃないって言ってるのに。」


 天才の天才じゃない発言って意外とムカつくんだな。俺は人よりセンスはあったから色々と前世でもできてたけど、目の前でこういうことをしてくるやつは本当にムカつく。何故こうも簡単に難しいことをやってのけるのかがわからない。


「まぁ、天才かどうかは置いておいて、杖ありとはいえ1発目で成功できるのはすごいことだよ。」

「本当!他のもできるんじゃないかな。」


 そう言って他の魔法も使ってみたがレーネが無詠唱をできるのはさっきの2属性だけだった。残りの6属性のうち水属性と熱属性は短文詠唱ができたけど他は出来なかった。

 ハッキリ言ってそれだけでもすごいけど。


 全て終わった時にはもう既に夕飯ができていた。

「もうそろそろいらっしゃい。」

「うん、今行く。行こローラン。」

「うん。」


 そうして俺たちは食卓に向かった。


 食前の挨拶を終えてからすぐにルージュからレーネに話が振られた。


「レーネ、何か出来たの?」

「うん木と火は無詠唱ができて、水と熱は短文までならできた。他はダメだったけど、、」

「本当に!凄いじゃないレーネ。さすがはうちの子ね」

「やめてよママ。無詠唱できたのだって杖ありだし、ローランなんて4属性の上級まで全部無詠唱ができるんだよ。だから、、、」


 レーネがそう続きを言おうとした時、ルージュがそこに口を挟んだ。


「いいえ、無詠唱なんてほとんどやろうとしなかったのにいきなりできるのは本当に凄いことなのよ。」

 

 いや、、本当にその通りです。


「それに、ローラン君と比べちゃダメよ。ローラン君はレーネの数倍もの血の滲むような努力をしてここまでできているのだからローラン君と比べるならレーネもローラン君と同じくらいの努力をしないとダメよ。」


 確かにその通りである。その通りではあるのだが俺はここで発言させてもらおう。


「ルージュさん。レーネが僕と同じような努力をしたら可愛い女の子が化け物になってしまいます。」

「化け物って、、あははは!確かにそうね。レーネがローラン君ほど努力すると本当になってしまいそうね。」


 そう俺とルージュが言っていると少しレーネの気に触ったのか、ツンとしている。


「人を化け物扱いしないでよね!それよりローランはどれくらいの努力をしてるの?」


 そう聞かれたので俺は答えようとしたがその前にルージュが口を出した。


「人の食べ物を鑑定するくらいにはね。」


 何故バレたし!いや、これはハッタリだ。ここで俺の動揺を誘う気だ。


「ローラン君、バレてないと思っていたの?そんなに人の料理が気になるの?毒でも盛られてるんじゃないかって、、、そこまでしっかりしすぎている子だとは思わなかったわ。」



 マジかー!完全にバレてる。鑑定のレベルを上げるためにやった行為がまさかここで追及されるとは。そんなの誰がわかんのよ。


「何か言いたいことはあるかしらローラン君。」

「人違いじゃないでしょうか、、、」

 我ながら苦しい言い訳だ。


「しっかり見てたわよ。私そういうスキルがあるもの。人のステータスはしっかり確認してすることね。」

「ほっ、、本当のことを言いますと、鑑定のレベルを上げるためにやっていることでして、もう今では癖になっていまして、、、やめることが簡単にできないと言いますかこれが普通と言いますか、、、」



 そういうとルージュはレーネに向かってまたも口を開いた。


「ほらね、レーネ。ローラン君はもう努力が習慣みたいになっているくらい頑張っているの。そんな人と比べるならさっきも言ったけど同じくらいやらないとね。」


 そうルージュか言うとレーネは納得した。


「それで、ローランはいつからそういうことをしてるの?」

「良く覚えてないけど、物心ついた時にはもうやってた感じはするな。わからないけど。」


 そういうとレーネもルージュも驚いた。


「物心ついた時からのやってるって、、、それは確かに魔法が上手いのも納得ね。」

「確かに、ローランか無詠唱を既にできるのがわかった気がする。」

「別にそんな事ないと思うけどな、、昔から物事を淡々とやるのは嫌いじゃなかったからずっとやってるだけで。」


 そう言うとルージュは悪い笑みを浮かべた。


「そうなの。物事を淡々とやることが好きなのね。」

「え、、?あっ、はい。」

「じゃあこの後、私の仕事手伝ってもらってもいいかしら?淡々とやる仕事なんだけど」


 何何何?この人我が家に泊めてやってんだから宿代払えや!みたいな感じで迫ってきてない?気のせい?これは俺の気のせいなのか。


「は、はい。やります。」

「そうなの!ありがとうローラン君。とっても助かるわ。」

「いえいえ、お気になさらず。」


 お気になさらず、とは言ったけど絶対気にしてないよな、、、


「そういえば、もうお風呂沸いてるから入ってきたらレーネ。」

「うん、、、ローラン?」

「ん?なに?」

「一緒に入らない?」


 そうレーネが言うとルージュは「わぁ!」みたいな顔をしてこっちをみてきた。

 これはマズイ!この状況をなんとかしなければ! 

 とはいえ、9歳とはいえ1人で入れるだろ。


 そんなことを考えているとルージュは先手を打ってきた。


「そうね、それが良いわ。ローラン君一緒してきたらどう?」


ルージュさん?あなた止める立場ですよね?


「いえ、僕は先程ルージュさんの手伝いをするって言ったばかりじゃないですか。だから、先に入ってきなよレーネ。」


 そう返すとルージュはまたも良い手を打ってきた。


「そんな事全然子どもが気にする必要はないのよ。それにレーネもローラン君と一緒が良さそうだしね。」

「いえいえ、僕は約束はしっかり守ろうと心に決めているので、先に約束していた方を優先させますよ。」


 そんな攻防をしている傍らでレーネはそれを見ながら口を出してきた。


「ママとローランは何をしてるの?それにローランは私と一緒は嫌?」


 やばい。非常にマズイ流れだ。これを断ち切る方法を考えろ、考えろ!そうだ!思いついた。

 そうして俺は思いついたことをすぐさま言った。


「違うよレーネ。好きとか嫌いとかじゃなくて、女の子は簡単に男の子を誘っちゃダメなんだ。そんなことをしてるとその程度の人間なんだなって思われるかもしれないからレーネも気をつけた方がいいよ。」


 そういうと、レーネはあまり理解はしていなかったが「そういうことなら」と1人でお風呂に行ってくれた。


 いやー、良かった良かった。こんなことで体力を使うなんて、、、ほんと、これで一緒にお風呂入ってたらラノベの主人公になりかねない。それに幼馴染ルートまっしぐらじゃねぇか!

まぁ、それはそれで悪くはないけど、今はまだ子どもすぎるよ。


 そうして頑張ってレーネを1人で行かせることに成功した。

 そのあと俺はルージュの手伝いをしにルージュのところまで向かった。どうやらいまは食器洗いをしてるし代わろうか。


「ルージュさん代わりますよ。」

 

 そういうとルージュは何か言いたそうな顔でこっちをみてきた。


「なんですか、、、?」

「なんで、一緒にお風呂行かなかったのよ!せっかくうちの可愛いレーネが誘ってるのに断っちゃうなんて信じられないわ!」

「はい?ちょっとルージュさん。」


 そう呼び止めようとしたが止まることはなかった。


「何?ローラン君はお姉さんみたいな感じの子が好きなの?それとも心を開いてるレーネよりももっと明るい子が好みなの?」

「ちょっとルージュさん、落ち着いて。」

「私は落ち着いてるわよ!」

「いやいや、全然落ちつけてませんって、、」



 そういうやりとりが数分あった後にやっと落ち着いてくれた。


「それで、ローラン君はレーネのことをどう思っているのよ?」

 子どもにそんな事を聞くか普通?あぁ、そういえばルージュは普通じゃないもんな。


「良い子だと思いますよ。大切な親友です。」

「そういうことじやなくてねぇ、、」

「言いたいことはわかりますよ。」

「なら素直に言ってちょうだいよ。親としてはそういうところがとても気になるのよ!」


 子どものことくらいほっといてやれよ。


「ハァ、、、さっきも言った通り大切な親友です。」

「それで良いのね、、、?」

「そういう事を聞く歳じゃありませんがね。今のところは全く、、」

「そう、わかったわ。気が変わったらいつでも良いのよ。」


 そう言ったルージュに俺は相槌はうちはしたものの返事はしなかった。

 まだ9歳、それに前世ではぼっちの俺にそういうことを望まれてもなぁ、、、今更そんな感情なんてほとんど湧かないんだけど。

 

 そうしてルージュの手伝いがある程度終わるとレーネが上がってきた。

 

「ローラン君ありがとう。今日はもうゆっくりしてちょうだい。」

「はい、そうします。」

 そう言って俺は先に風呂をもらった。


 

 その後俺はすぐに上がってくると布団が用意されていた。

 いつもはベッドで寝ているからなんか新鮮な感覚だ



 そうして俺は少ししてから布団に潜り込んだ。


「ローランもう寝るの?」

「今日は疲れた。」

「そうなの、もっとお話ししたかったのに、、、」

「明日にしてくれ。」

「わかった、、おやすみ。」

「ん、おやすみ。」



 そう言って俺は眠りについた。


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