四話 計画は順調に進行中……

 四話 計画は順調に進行中……

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 戦争は相も変わらず続いている。

 貴族社会の混乱は、すなわち国そのものの混乱となる。

 となれば、当然その影響は……


 ただでさえ劣勢だった王国軍は、奴隷法や商会の破綻により原作以上に疲弊。

 その後起こった貴族の混乱、指揮系統の混乱は致命傷となった。


 最前線の士気は最底辺、王国軍は大きな後退を余儀なくされた。


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「伯爵、順調なようですね」


「これは、イリス嬢。おかげさまで、一人勝ちできました。我が領地は、国内貴族最大のものとなりましょう」


「それは何より。頼んでおいた隠れ家の方は?」


「準備は完了しております」


「くれぐれも、嗅ぎつかれないように。面倒なことになりますから」


「ええ、敵国の貴族との内通は、有効な手段である。同時に、新たな弱点を作ることでもある。心得ています」


「よろしい。費用はこちらでもとう、いくら必要だ? 人員もこちらから出せるが」


「いえ、イリス嬢には、日ごろお世話になってますのでこの程度。それよりも、計画の方を」


「そうか……そういえば」


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 王国は今、度重なる混乱で国家機能そのものがマヒしている。


 その混乱をうまく乗り切れるかは、指導者の腕にかかってるわけだが。

 ケレスと王子の権力闘争、その決着がつこうという直前で、盤面がひっくり返された。

 名アリの駒たる貴族たちも、国家と一緒に混乱中だ。


 ふと疑問に思う。

 確かに私は未来に対する、この世界に対する、事前知識があった。

 ゲームという神視点での。

 しかし、私は前世で優秀だったわけではない。

 なぜこうも簡単に世界が転がる?


 王国は私が少し介入しただけで、経済政治ともに大混乱。

 原作で、よくあの程度で済んだなってレベルだ。


 王子と主人公も、あの程度で国を救うほどの英雄になるのか?


 まぁ、何事もうまくいって非常にありがたいんだけど。

 前世で失敗ばかりだったのに、急にやることなすことすべてうまくいったから。


 この幸運をうまく乗りこなせたものが、成功者になるのかな?


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「メティス、どうした?」


「いえ、少し考え事を……今はとにかく、働くのみです」


「そうだな。早くこの国を建て直さねば」


 あのパーティー以降、王子の影響力は目に見えて弱まりました。

 しかし、公爵令嬢が特に何か仕掛けてくることもありません。

 結果、弱くなった影響力のまま、以前と変わらす国政を維持しているというのが現状です。


 何をするにも効率が悪くて、さらにあの件以降戦況がさらに悪化、ほかにも国内に問題が山盛りで、とんでもなく忙しいです。


 ……私たちが知っていた彼女は影武者。

 本当の彼女のことは何も知らない。


 ……あれ?


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