第8話 心

 真は、葵の元に行ってしまった。本当の気持ちを

 自分でも聞き出したくなったのだろうか。

 △真

[ピーンポーン]

「はー(い」まで言うつもり)、ま、真??」

 葵は照れた顔をしていた。

〈ついさっき(15分くらい前)に聡に真のことが好きだということを

 伝えたばっかりだったから。〉

(どうしたんだろう…)俺は葵のことを心配した。

「葵、さっき聡にも聞かれたと思うんだけど、悩み事とかある?」

 △葵

 私の顔は、じわじわと赤くなっていった。

「だ、大丈夫?」

 真が聞いてくる。

「べ、別に?何もないけど…」

 私は何もないように答えた。そして真は、

「やっぱり、何もなかったのか…。いや、何も教えてくれないってのは本当だな…」

 真は、小声でつぶやいた。そこで真は、

「何でもないよ。」

 と言って聡の家に行った。

 △聡

[ガチャ]家のドアが開く音がした。そして、俺の部屋に向かってくる足音がした。

 そして、真が来た。

「やあ、真、き、聞いてきたか?」

 俺はつばを飲み込んで、葵が何も言わなかったことを願った。すると、

「聞いたけど、やっぱり何も言わないな。」

 真がそういうと俺の『心』がホッとした。


 つづく

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