ネームドは序盤の序盤から!?③
私は右手に握り
『ギャァアアア!』
【イノセクト・キング】は【恐怖】を
私には効かないよ!
『MP消費量から計算すると、【アイギス】(
『説明を見れば特に時間指定がないし、MP回復薬を使えば半永久的に使えるわね!』
ーーーヨミは走る。
今度は木を盾にするのではなく、自分の右手を盾にする。
しかもサイズを
『ギャジャ!ジャ!ジャ!』
特大サイズの酸の玉が3連続で私に
私はそれをギリギリでかわし、すれ違い様に右手だけに当ててみる。
『一瞬だけ耐えて割れちゃった!』
『でも…【アイギス】(拳)!
(よし、
合計3枚の障壁で接近すると、【イノセクト・キング】が
私は右手を盾にして通り抜け、【イノセクト・キング】の身体が振り替えると同時に同じ向きで回りこむ。
『【乱打】!やっぱり、背中が弱いわね!』
『……でも防御力が
【アイギス】で包まれた右手ではダメージは出ないが、【乱打】は片手や足でも発動はできるのでダメージ効率は悪くない。ちなみに、私は両利きよ。
ーーーっ!油断した…!
【イノセクト・キング】が暴れ出し、腹に乗って攻撃していた私の身体が
【イノセクト・キング】の鉤爪が空中にいる私を
『(【アイギス】拡大展開!!)』
3枚の障壁を広がし、障壁を、鉤爪が振られる前に【イノセクト・キング】にぶつけて、私ごと強制的に距離を作る!
『あ、危なぁぁ!
あの攻撃やっぱり即死レベルね。
『……今のでMPが残り2割。回復しないと』
だが、目の前の敵はそんな暇を与えない。
ヨミに目掛けて斬撃を飛ばす!
『【神速】【回避】!』
そろそろ、【神気解放】の効果時間が終わってしまう!クールタイムは数秒かかるから急がないと!
『やっぱり…森に逃げる…っ!?』
【イノセクト・キング】が、両腕を赤く光らせて自分の周りを一周させた。
……周りの木々が全て斬られてしまった。
『とっさに、しゃがまなかったら首が飛んでいたわね……』
『(どうする?)
逃げ場がないなら正面から行くまでね!』
ヨミは勝つ道筋を立てていないが、行き当たりばったりの気持ちで接近する!
『MP回復×5!【
『とりあえず、これを使うか』
MPを回復した後、ヨミはランダムに倒れていった
『ギャッ?ギィィイ!』
突然のヨミの行動に【イノセクト・キング】は
『せいっ!』
大木を【イノセクト・キング】に向かって、やり投げのように投げる。
ーーー【イノセクト・キング】は投げられた大木を余裕を持って避ける。
『そうだよねぇ』
『…あっ!でもこれなら!』
今度は大木を抱えって突っ込む!
【イノセクト・キング】は近づく先から大木を斬っていくが、ヨミは途中まで突っ込むとすぐに捨てて、新しい大木で突っ込むことを繰り返した。
【イノセクト・キング】は
『ギャギャ!』
と
ーーーだが、ヨミは、大木を使って攻撃しようとしたわけじゃなかった。
ヨミはそれを6回繰り返した後、大木を横に振るう!
『ギッ!ギャジャァァ!』
【イノセクト・キング】の不意を突いた攻撃だが、【イノセクト・キング】は難なく鉤爪で斬る。
……この時、とっさの判断で動いた【イノセクト・キング】はヨミを見失っていた。
『せいっ!せいっ!……(略)、せ~いっ!』
ヨミは先ほどの
ーーー【イノセクト・キング】はプレイヤーの回避、攻撃、防御、それに
『よし!あとは最後のを持って!』
ーーーだが、【イノセクト・キング】は忘れていた。
ヨミが最初にまともなダメージを与えた時の手段を……
『【神速】!とりゃぁぁあ!』
私は最後に残った大木を抱えたまま、斜めに刺した大木の上を走る。
大木の頂点で跳び、抱えた大木を地面に棒高跳びのようにめり込まし、全身のバネを使ってさらに高く跳ぶ!
『【星落とし】!!!』
そして、2度目の【星落とし】を【イノセクト・キング】に落とす!
ーーーこれは【神速】のスピード、【神威】のパワー、そして【ヨミ】の戦闘センスがなければ使えない荒技だろう。
【イノセクト・キング】は鉤爪でヨミの胴体を狙うが、ヨミは胴体だけを囲むサイズの【アイギス】を5枚展開させて鉤爪を防ぎ切り、【イノセクト・キング】の顔に【星落とし】をぶち込むのだった。
『グギャアアアアアア!!!』
『爆☆散』
地面に着地して、
【イノセクト・キング】を見てみると、顔の半分と左腕が爆散した【イノセクト・キング】のHPは2割までに減っている!
『しぶとい!ーーーぁ!【神気解放】が切れた!』
『ギッ…ギ…ギャァァアア!!』
『えっ?』
顔がボロボロの【イノセクト・キング】が鳴くと、真っ黒な鎧のような身体に赤いひびが広がり、ひびから赤いオーラが漏れ出し、
≪
【イノセクト・キング】LV.45
≪決戦状態≫
……残りのHPが1割になったけど、レベルが10も上がったわね。
あははっ、勝たせる気ある?運営。
………………
…………
……
ーーー私は必死に逃げていた。
【イノセクト・キング】は斬撃を飛ばすのをやめて、圧倒的なレベル差での接近戦のスタイルに切り替えたからだ。
今までは良くも悪くも、距離があるから避けていられた。でも、今は常に【アイギス】(拳)を中型で複数展開して、割れる瞬間に
『裁き……を受け…【回避】っ!』
『詠唱が長い、わよ!!【神速】!』
周りに刺した大木もまるで紙切れのように斬られているけど、距離を
……それに、あのアリが飛ばずに直線的に動くから、すんでのとこで避けられる!
≪決戦状態≫のせいか、怪我が治っていないのも
『でも、どうにか、しない…とね!』
私はアイテム欄の一番後ろにあったアイテムを出す。それを左手で
ーーーそのアイテムは、見事に鉤爪を防ぐどころか、その刃を欠けさせる!
アイテムの表面にひびが入り砕けてしまう。
『虎の子を出したんだから、あなたを倒すしかないわよ!【神威】【アッパー】【乱打】!【背負い投げ】!』
スキルの衝撃で、少し浮く【イノセクト・キング】の右腕を取り、【背負い投げ】をしようとするが、【イノセクト・キング】は羽根を展開して飛び、無理やり私の腕から外れる。
……今が決着の時!
私は素早くMP回復薬を飲み、MPを回復する!そして詠唱を始める!
『裁きを受けよ!
【イノセクト・キング】が降下して私に攻撃しようと迫る!
ーーー私のほうが早い!
『【裁きの千雷】!!!』
『【アイギス】マキシマム・拡大展開!』
一瞬でいい、耐えて【アイギス】!!
ーーーヨミは【アイギス】で急激に減るMPを見ずに、
ぴこん♪
≪ワールドアナウンス:
プレイヤー【ヨミ】が初めて、
ネームド(称号持ち)・モンスター
≪蟲毒を束ねる王≫
【イノセクト・キング】を倒しました≫
≪これより、
【始まりの大地】のネームドの出現確率が上がり、弱体化されます≫
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