第17話 街の周辺で採取をしよう!
朝すっきり目が覚めると、くっきーのもふもふをなでなでする。
『サラ、おはようくま』
「くっきー、おはよう!」
「「サラ様、おはようございます」」
「ジークさん、レイナさん。おはようございます!」
小さくなったくっきーを抱っこして、朝ごはんを考える。そういえば、みんなの朝ごはんもだ!
「朝ごはんをみんなの分も作りましょう!」
「そう言うと思って外で作業できるようにしてありますよ」
「わぁ、ジークさん、ありがとうございます!」
みんなで場所を移動して、昨日のお外にある作業台の所に行く。何を作ったら良いだろう。お肉は沢山あるけれど、野菜が足りない……。パンも人数分なんてない。
「うーん……やっぱりスープが良いかなぁ? スープだったら野菜がギリギリ足りる気がする?」
「そうですね。それとスープでしたら、薬草を入れたスープにすると皆さんの体調がさらに良くなるかと思います」
「そうですね、ジークさんの案を頂きましょう! 薬草入りで、また昨日のお団子を入れましょうか。幸い小麦粉ならありますから!」
「昨日のお団子は美味しかったですね。サラ様は色々思い付いて凄いですね!」
『薬草まだあるくまよ~! 後、お野菜も出すくまよ!』
「レイナさんも足りましたか? くっきーもありがとう」
「少しだけ食べさせて貰いました。街の人達の分なので迷ったのですが、あまりにも美味しそうで!」
「ふふっ。ってことはジークさんは?!」
「私は携帯食を食べました」
「えぇぇ?! それじゃお腹空いちゃいますよ、朝は食べてくださいね! それか、外に出てから食べましょうね」
「はい、ありがとうございます」
くっきーに材料を出して貰い、クリーン魔法を掛けて貰った大きなお鍋も5個準備して貰った。またお団子を作っていると、ジークさんも手伝ってくれた。レイナさんは……ジークさんの反対にあって、参加させて貰えなかった。
(そんなになのか……)
作っていると、街の人達も来てお手伝いをしてくれる。おかげで凄く早くご飯を作る事が出来た。よし、みんなに配ろう!
「みなさん、おはようございます。朝ご飯も昨日と同じスープですが、元気に動けるように食べて下さいねー!」
「サラ様、ありがとうございます! 我々も配るの手伝います!」
「ありがとうございます」
冒険者さん達や街の人達も配るのを手伝ってくれる。とても暖かい雰囲気で、復興も早そうな気がするね。
「サラしゃま~、あいがとなの」
「ふふっ、沢山食べてね。でもゆっくり食べるんだよ?」
「あいっ!」
(小さい子か~わいいっ! あの話し方がきゅんきゅんしちゃうよ)
そして、もふもふなくっきーも小さい子達に大人気なのだ。小さい子と遊んであげているくっきーも、くっきーににこにこで近づく小さい子達もどっちも可愛くて、ほっこりしてしまう。
薬草入りのスープでみんなの元気度が更にあがった気がする。本当に怪我が治って良かった。これで山に行っても大丈夫だろうか?
「ジークさん、王都からの支援を待ってから出掛けた方が良いですか?」
「そうですね、お昼前には着くでしょうから、少し待ちましょうか」
「分かりました!」
お昼前まで時間が大分あるなぁ……よし、採取に行こう! キノコとか食べられる物を探したいね!
「ジークさん、レイナさん。くっきーと一緒に街の外に出てもいいですか?」
「サラ様っ?!」
「どうしました?!」
「ジークさんとレイナさんはこちらで指示をお願いします。私とくっきーは、付近を探して食べられる物を探してきます。そしてお昼ごはんを作ります」
「支援が来てからでも良いのでは?」
「どれだけあるか分かりませんし、足りるのかも分からないので採れる時に採っておいた方が良いと思うんです」
「では、レイナを連れて行って下さい。私はこちらで指示を出します」
「でも、レイナさんも王宮とかギルドとかとのやり取りがありますよね? 私はくっきーがいれば大丈夫ですよ」
「しかし、我々はサラ様の護衛です!」
(うん、それもよく分かってる。だけど、支援が来るまで動けなくなってしまう……)
「くっきー、ごめんね。ちょっといいかな?」
『どうしたくま?』
「うん、くっきーと私で街の近くで食べられる物を採取しに行きたいの。2人でも良い……よね?」
『大丈夫くまよ。ジークとレイナは護衛だから不安だろうけど、ぼくがサラに結界を掛けておくから安心するくまよ。やる事があるならそっちを優先して良いくまよ』
「くっきー様、ありがとうございます。ではよろしくお願い致します」
「くっきー様、サラ様。本当にお気をつけて行って来て下さいね!」
『任せるくまよ~』
「はい、無理を言ってすみませんが、よろしくお願いします」
くっきーのおかげで、なんとかジークさんとレイナさんとの話はまとまった。私はくっきーと2人で採取だ! 食べられる物がありますように……。
「あっ、くっきー。ジークさんとレイナさんにクッキーを渡して貰って良いかな? あれなら1口で食べられるから……」
『分かったくま~。ジークとレイナにこれくまよ』
「ありがとうございます」
「サラ様、くっきー様。ありがとうございます」
ジークさんとレイナさんと別れて、私とくっきーは街の外に出よう。門番さんに止められたけど、沢山説得して納得して貰った。
「くっきー、鑑定をお願いしても良い? 食べられる物が沢山採りたいんだ~」
『任せてくま!』
くっきーが鑑定を結界魔法を掛けてくれた。
「くっきー、ありがとう。がんばるぞー!」
『おーくま!』
くっきーを抱っこして、2人で食べられる物を探していく。
「あっ、きのこ~! あっ、あっちにはごぼうがあるよ!」
『ごぼうは任せてくま』
くっきーが魔法でごぼうを掘り起こしてくれた。やっぱり、魔法は凄いね。その後もキノコとか薬草も少し採取して、他にも食べられる物がないかなぁ。
(あっ、山芋発見! 鑑定さんステキです)
「くっきー、ここに山芋があるよー!」
『任せてくま!』
またくっきーが魔法で掘り出してくれる。近くを見るとまだ沢山あるみたい。次々にくっきーに掘り出して貰った。うん、これは元気も出るし、お料理に使えるから助かるね!
『あっ、サラ。あれ食べられるくまよ!』
「えっ、どれどれ?」
『あの木の実くま!』
「わぁ、本当だ! 木の実が沢山生ってるね。あれはどんな実なの?」
『あの木の実は小麦粉と混ぜて焼くと膨らむみたいくまよ』
(えっ? もしかして重曹? ベーキングパウダー? パンケーキ作れちゃう!?)
「えっ! それはとっても欲しかったやつー! それで子供達に甘いおやつを作ってあげよう!」
『くまっ!? ぼ、ぼく……』
「もちろん、くっきーにも作るよ! 後レイナさん!」
『よかったくまぁ』
まさか、ベーキングパウダーみたいな木の実があるなんて思わなかった。でもこれでパンケーキを作れるね!
『サラ、木の実を採るのも任せるくま!』
きらーんっ! とくっきーの気合の入りようが凄い。でも私じゃ取れなかったから助かる。
「わぁい、くっきー。ありがとう、お願いしますっ!」
木の実を採って貰っている時に他の所を見たら、木苺みたいな木の実を見つけた。鑑定も食べられるって書いてある!
「くっきー、あっちにも木苺みたいな木の実があるよ!」
『それはいっぱい採って行こうくま!』
くっきーが木のみを採ってくれたので、今度は木苺みたいな実を採りに行こう! くっきーも手伝ってくれて沢山採れた。1つお口にぱくっ! くっきーのお口にもぽんっ!
「んっ! 甘酸っぱくて美味しい~!」
『美味しいくまね~!』
「ふふっ、ベリーソース作ろう。パンケーキと一緒に食べようね!」
そろそろ街へ帰らないとかな。
「くっきー、そろそろ帰ろうか」
『そうくまね。ぼくに乗っていくくまよ~』
「ありがとう、お願いします~」
くっきーの背中に乗って街へ戻ろう。帰ってお昼ごはんの準備をしなきゃかな。
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