三十章 テレビに話しかけたりしがち

僕の望みを叶えたい。

それは結構めんどくさい事だ。

つまり、霧原先輩達の内乱?蜂起?要するに傷付くようなことをやめさせて、僕自身がどうこう言われることが無いようにして、小葉さんと会って、小葉さんが頑張った組織を分裂させないようにしたい。

変な話、僕には組織がどうとか何の関係もないけど、誰かが僕のために?僕に憧れて?頑張ってるのに僕がいるだけで崩壊するなんてよくない。なにがよくないかって、何もできないのに勝手に壊れるのがよくない。

手に取って戻しただけで割れる売り物のコップくらいよくない。

なんなら今回は触ってすらいない。見ただけで割れるコップ。嫌すぎる。

「はぁ……」

一人黙々夜を歩いてると、無駄な事がどんどん頭に浮かんでくる。

もう結論は出てるのに、どうするかはもう決めてるのに、もう一回同じことを考えて、悩んで、でもこうするしかないと思って、またうーんって悩む。

……うん、やる事は決まってる。

まず、蘇我島さんに会う。

会って話す。

そしたら今度は総長代理と話して、最後に霧原先輩と話す。

よし。なにもよくない。

この話のリスクは僕の考えが全部全部うまくいったとして、全ての責任が僕に降りかかってくる事。

何をするにしても、だ。

今回は特に三つのカギが重要になってくる。

一つ目のカギは持ってる。

ただし今はなんの意味もない。

二つ目のカギは蘇我島さんの手にあって、それがないと三つ目のカギに手が届かない。

三つ目のカギは総長代理。

ここでもしもうまくカギを手にできなかったら、全面戦争待ったなし。

作戦名は『霧原先輩と総長代理をくっつけちゃおう大作戦!!』

……。

『恋のキューピット大作戦!』

ちょっと恥ずかしいかな。

『平和恋愛作戦!』

あ、これは良さそう。

よし、これで行こう。

拳を握ったところで頭を電柱にぶつけた。

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毒舌かわいい矢部さんは男の娘!! 明日野 望 @asunonozomi5

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