悪役令嬢は素敵なお仕事

悪役令嬢ものは本作を初めて読みましたので、お約束とかわからないズブの素人レビュワーです。けれど、ある程度中華ドラマは見てきました。なのでそこだけは信じてほしい、この作品の中華ドラマは細部まで作り込まれてます。

棗をぱくついたり、その当時進んだ文明を持ちつつも、予言で人の命運を左右されたり、遊牧民が出てきたりと…細部がしっかりしているからとても読みやすいです。BS放送に入り込んだ気分です。

また主人公のまっすぐなまでに悪役令嬢という“役割”を全うしようとする姿勢ももう清々しくて痛快。

気高く、強く、美しい悪役令嬢の生きざまがかっこいい。

悪役令嬢転生ものと言うと、どうにかして破滅を回避しようと奮闘するのがお約束。だけどこのお話は違います。

そもそも悪役令嬢とは、物語を盛り上げるために必要な悪役。しっかり悪いことをして、裁かれるというざまぁ展開になってこそ、話が面白くなるのです。

と言うわけで、主人公は立派な悪役になるべく奮闘します。
しかも幾度となく別の物語の悪役令嬢に生まれ変わり、その度によき悪役を目指すという、志の高い主人公なのです。

破滅回避ではなく、破滅ドンと来いという、前代未聞の悪役令嬢物語、開幕です！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（496文字）

敢えて問いましょう。悪役とはなんですか？

というのも、
第一話の悪役令嬢。全く悪くありません。

全く悪いところなく、粛々と世直しをして、結果断罪される。
かくありたい、美しいエンターテイメント。
テンプレートを逸脱しない悪役令嬢と作者のたどり着く先は、果たして……！