第3話

 最後に信玄の名言をもう一つ紹介したい。


 風林火山でその名を知られる、


 ”疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、

侵掠すること火の如く、動かざること山の如し”


 という信玄を代表する言葉であり、

武田軍本陣にもこれを書いた旗が立てられたという。



 時は元亀3年(1572年)、遠江国(今の静岡県西部)の三方ヶ原で

信玄と後の天下人、徳川家康が激突した戦があった。


 三方ヶ原の戦いである。


 信玄は家康に勝利したが、その後病死してしまったというのが通説だ。

だが、こういう死に方であったかもしれない・・・



 「御屋形様、大勝利にございます!!」


 「うむ!」


 「やはり疾きこと風の如く~に則った戦術は素晴らしいですな!」

 「御屋形様、もう一度風林火山の名言を述べてくれませんか。」


 「わかった。」


 信玄が話し出す。


 「疾きこと風の如く・・・」


 その瞬間、家臣の小山田信茂が消えた。


 「ん・・・?信茂の姿が見えぬが・・・。」


 「ああ、御屋形様の言葉で風になられたのです。」


 「そうか、まあいい。」


 いいのかいっ!!


 「徐かなること林の如く・・・」


 その瞬間、また家臣が一人減る。


 「ん?武田信豊の姿も見えぬが・・・。」


 「信豊様はあそこにおられます。」


 なんと、信豊が木になって林の中に溶け込んでいるではないか。


 「まあいい。」


 どこが?


 「侵掠すること火の如く・・・」


 その瞬間、家臣の穴山信君が火になった。


 「冬だから信君が火になってくれて暖かい。」


 そこかーい!!


 「動かざること山の如し」


 その瞬間、信玄が微動だにしなくなった。


 

 まるで時間が止まったようだ。



 そこへ風が吹く。

正体は小山田信茂か。


 すると、穴山信君を正体とする火が武田信豊の林に燃え移る。


 「ひえっ、山火事だー!!」


 「御屋形様、早く避難を!!」


 家臣が呼びかけたが、信玄は自らの呪文で動けない。


 「お、重い・・・!」


 「最近、お太りになられたからな!」

 

 家臣たちが持ち上げようとしたがどうにも動かない。


 結局、家臣たちは自分の身を守ることしかできず、

信玄は焼死したのだった。


 その後、信玄を失った武田家は滅びることになるのだが、

その時に武田家を裏切った面々は以下の通り。


 小山田信茂

 穴山信君

 武田信豊


 って、信玄を焼き殺したメンバーやないかいっ!!



 以上、信玄の名言などを直訳したお話でした~

訳わからん!!


 ~完~

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直訳!!~武田信玄~ 武田伸玄 @ntin

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