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歩いて1時間。車や電車でもいいと思ったが、少しでもトラブルを減らすために徒歩で現場へと向かった。
「もうすぐ目撃情報があった場所だ。目撃からそう時間は経っていない。気を緩めるなよ」
「「「了解」」」
報告があった住宅街。辺り一面酷い有様に成り果てていた。家が荒らされていたり、血痕の後、破壊された後等が残されている。中には逃げきれなかった人の遺体も。抵抗したのだろう、凶器になりそうなものや物が路上に散乱していた。
「これは酷い…」
「僕、上級任務久しぶりだけどここまでの有様は見たことないや…」
何人犠牲者が出たのだろう。人を食べた事があると報告にはあった。もし食べていたとすると、ここにある遺体は全てでは無い。もしかしたら、この辺の人は誰も逃げきれなかったのかもしれない。そんな最悪な状況が、頭の中を駆け回る。
「蒼依大丈夫か?ここまでの物は見たことないだろ?」
「確か上級任務初めてだったよね。中級とは被害が全然比べ物にならなくてびっくりしたでしょ」
「無理しないでね、蒼依。僕が傍に居るからね」
あぁ、奏斗先輩そして2人にも心配をかけてしまった。確かにここまでの物は初めて見た。内心少しビビっているのかもしれない…というかビビってます。
「大丈夫です、上級に昇格したんです。上の人の期待にも答えないと」
「だが、やばいと思ったらすぐ俺たちの誰かに言え。いいか?」
「勿論です。後、瑠奈もありがとう。今日だけで傍にいてくれる…?」
「もっちろん!一緒に頑張ろうね!!」
本当にいい仲間を持ったな。頼り過ぎず、今自分の出せる精一杯で頑張ろう。
「よし、分担を決める。分担はこんな感じになるけどどうだ?」
奏斗先輩のメモには3手に別れて行動すると書いてあった。
私と瑠奈で1ペア、奏斗先輩と悠輝先輩はそれぞれ一人で行動どういう事だった。当然と言えば当然、反対はもちろんゼロ。これで今回の任務に当たることとなった。
「よーし、蒼依準備はいい?」
「勿論。早めに終わらせて皆でご飯行きましょ、奏斗先輩のお金で」
「そうだね。奏斗先輩の奢りとなれば余計に張り切っちゃう」
「瑠奈、今日は迷惑かけるかもしれないけど出来るだけ足引っ張ら無いようにするからよろしくね」
「了解!!初めての上級任務だもん、正直1人じゃないから心強いよ」
そう言い私の緊張を解すように笑いかけてくれる瑠奈。その優しさを噛み締めながら私は、心の底から任務にこのメンバーで当たれて良かったと思った。
罪と悪に塗れた世界で私は笑う mnt。 @Ux_xU_mmc
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