Episode12:最終決戦

 ここはテリー城・最上階。今やテリーは部屋の中央に佇んでいる。レベッカ達は口先で吠えるも、拳を構えている。最後の戦いが始まる前にテリーはこう言う。

「お前らごときで俺に勝てるとでも?一度負けたくらいでいい気になるなよ。」

「...まあ、いいや。私たちを潰すことが貴様の正義だというなら、私の正義は、貴様のようないきすぎた悪を許さない。正しき心こそが正義だ。さて、前置きはここまでだ。鉄槌をくだしてでも懲らしめてやる!!」

「弱い犬ほどよく吠えやがる...哀れだな、Brdは。」


 戦闘開始直後、テリーの衝撃波でレベッカ、アイス早苗、ミコ以外の7人は吹っ飛ばされる。

「君たち、気を付けろ!!奴はとてつもなく強い!!だが怯むな!!全力を出しきれ!!」

なるべく距離を取りつつ、アイス早苗の氷宝具の雨、ミコのフレイムストームを放ったが、彼には通用せず。

「私たちがかなう相手ではないことはわかってたけど、なかなか倒れないみゃう...。」

「カラクリがあるはず。ひたすら攻めこめ!!」

レベッカのプラズマビームを放つ、二人も同じ戦法を試みたが、彼の前では無意味。どの戦法をものともせず、レベッカ達は万事休す。ミコは次のフェイズにいち早く気づいた。

「...次の攻撃来るみゃう。伏せるみゃう!!」

「んなっ!?」

レベッカは伏せた。テリーが繰り出す技は、強烈なイレギュラーエネルギーの雨だった。アイス早苗は間に合わず、ミコは一応伏せたが「不運にも流弾に当たる」形で直撃。二人は戦闘不能になってしまった。一人取り残されたレベッカは打つ手がなくなったことに絶望した。

「そ...そんな......時間をかけてまで立ち向かう準備が整ったはずなのに......。兄貴や私たちにひどいことばっかりするだけじゃ飽きたらず、銀魂の件をどうのこうの、そんなことのためだけで原作者や私たちを亡きものにする......それでも人間か!!」


 その頃、ミント彩香たちは既に到着しており、テリー城最上階へ向かっているところであった。

「...レベッカが最上階で戦っているだろう。一刻も早く上るぞ!!」

ところがエルエーから通信が入った。

「雪郎、私も混ぜてください。ちょっとしたサプライズを用意したんでね。」

「傍観したいだけだろ?命がけのパーティーに参加しても構わないぜ。...早急にな。」

エルエーは遅れて来るらしい。

「俺たちもさっさと上がって、命がけのパーティーをおっぱじめようぜ!!」


 今のレベッカは、戦えるメンバーもなく絶体絶命になっている。

「お前ごときが、どうあがこうが無駄無駄。そろそろシね。」

「...くっ、ここまでか...。」

絶望のまま、テリーに消されるレベッカ。ところが、早急に上がってきたミント彩香とアレグロ雪郎、その仲間達が助けに来てくれた。

「待ちなさい!!」

すぐに駆けつけて、アレグロ雪郎式フォーメーションで戦いは続行した。

「ここは俺たちエリートガードに任せろ。ジャッカルヘッジホッグと白之助よ、負傷者を安全な場所に移動させるのだ。」

負傷者9人を安全な場所に移動させようとするも、退路を絶つかのように扉が閉ざされいた。

「どうやら俺たちの退路が断たれたようだ。あとに退けないパーティーを楽しめってことか。いいだろう、負傷者が出てもおかしくないパーティーをやってやる。レベッカよ、俺たちの戦いを、よーく見てろ。奴が、テリーがどれほど愚かしいのか、味見してみせるからな。」


 アレグロ雪郎が先頭に立ち、必要以上に煽った。

「おい!!...おい、この野郎!!レディースの扱いも知らねえのかッ!!...てめぇ!!デリカシーのねぇ奴だ!!...お前には、お仕置きが必要だぜ!!かかってこい!!」

その時、テリーはイレギュラーエネルギーで生成された槍を放ち、エリートガードを根こそぎ吹っ飛ばした。ミント彩香はアレグロ雪郎のセンチネルシールドに守られたおかげで、戦闘不能は免れた。

「...大いに怯んでしまった。俺と彩香以外全滅はありえないだろ......。奴に小細工は通用しないとかで、あらかじめ装着してきたバリアがいとも簡単に破られたしな...。彩香はそれを見越して、俺の後ろに隠れて、こうして戦闘不能は免れた。さすがは俺の盾、持ち歩いて正解だった。」

「私たちが善人だからこそ、テリーを倒す事だってできるさ!!テリー、あんたの思い通りにはさせない!!」

二人芝居にしびれを切らしたテリーは次の手を出そうとした。

「善人?お前ら、よくそんなことがほざいてやがる。まあそれはそれとして、そのエリートガードという名の妄想の産物が一体何するってわけ?」

聞き捨てならないたった一言で、アレグロ雪郎は逆上した。

「妄想の産物?よくもそんなことが言えるな!!お前がしてきたことは、原作者に対するストーキング、ハラスメント、恐喝だろうが!!仮に原作者が消滅したかに見えたはずなのに、まだ電子掲示板に居座る。お前の目的は何だ!!日本全土を掌握する気か?法律や警察がネットでよくあるタチの悪いハラスメントを黙って見ていてようが許そうが、そうやって悪行を繰り返す奴は俺たちエリートガードが許さない!!」

「...ここまで来ると奇病だな。まあいつかは消えるだろうけどね。」

二人はレベッカを励まし、次のフェイズに移った。

「レベッカ、奴が怖いのか?」

「大丈夫だよレベッカ。私がついてるから。」

「...この私を励ましてくれるのね。ありがとう。気を取り直して、もう一度立ち向かおうよ。」

「よし、あんたら、気を引き締めてかかれよ。いくぞ!!諸悪の根源テリーを叩きのめすのだ!!」


 第二戦が始まった。もう一度立ち向かったところで何も変わらなかった。アレグロ雪郎の盾で守るのが精一杯、ミント彩香の究極奥義「正義の鉄拳」さえもびくともせず。万事休す、ならぬ万事屋...某漫画ネタがついつい思い付いてしまうレベッカであったが。

「ぐっ、強い...なかなか倒れんな。...ここは一旦後退し、態勢を立て直すとするか。あんたら、一旦退くぞ!!」

アレグロ雪郎は態勢を立て直そうと後退するも、テリーはそれを逃すはずなく、追い討ちをしかけてきた。

「しまっ!!」

その時、ミント彩香は身を挺して二人を守った。

「ゴッドハンド!!」

しかし、コチウニ戦でのダメージが残っているのか。

「うおおおおおお!!!!!!!!!!」

あるいは正義の鉄拳同様、幻想に過ぎないため、あっさり破られてしまう。

「どわっ!!......なんのこれしき!!2人に手出しはさせん!!さあ来い!!」

「ミント彩香!!無茶はよせ!!」

次の攻撃をしかけてきた。どれだけボロボロになっても2人を守る、ミント彩香は体を張っていた。

魔神の手マジン・ザ・ハンド!!うおおおおおお!!!!!!!!!!」

魔神のオーラで攻撃を受けようが、防ぎきれず破られた。

「ぐあぁっ!!」

ミント彩香は傷つき倒れた。それでも、どんなに傷だらけになってもまた立ち上がった。

「彩香...。もうやめろ、彩香!!守りたい気持ちは十分伝わった。これ以上爆撃を受けると確実に死ぬぞ......。」

アレグロ雪郎の警告を聞き入れるミント彩香ではなかった。

「...嫌だ!!レベッカが消えてなくなったら原作者が...。原作者が悲しむじゃん!!生きてもらわないと困るじゃん!!私がいなきゃ誰が守るんだよ!!だからよ...守るべき仲間がいる限り...私は...何度でも......立ち上がる!!」

ミント彩香の勇姿を目に焼き付けたアレグロ雪郎は、奥の手を使った。

「だったら俺も負けてられんな!!とっておきの奥の手だ!!ゆけっ!!吉備イヌ!!」


 アレグロ雪郎が召喚したのは、吉備イヌ。キジでもサルでもなく、イヌ。

「アオーン!!」

「さぁ、吉備イヌ。噛みついてでもいい、諸悪の根源テリーを倒せ!!」

「バゥン。バウワンワンワンワンッ!!バッワッワッ!!バゥッバゥッバゥ!!!!」

どんな召喚獣だろうと、テリーは目の前の相手を消すことだけ。結果、召喚獣が消し飛んだ。

「召喚獣でも奴に敵わないことはわかっていたが、いとも簡単に消されたとは......。身内以外の他人じゃあ当てにならないのに。テリー!!たった一人でここを掌握したということは...。あんた、友達いないんだろ?お前にはスペシャルゲストを紹介するぜ。自称シモベってな。入ってもいいぞ、エルエー。」

閉ざされた扉が外側から開き、遅ればせながらエルエーが入ってきた。

「おや、皆さんお揃いで。それにしても残念でしたね。あなたの友達なんて、はなっからいません。それと、私はバウザーの忠実な部下です。勝手な妄想とか、よくそのような口が利けますね。あなたを油断させるために、忠実な部下を装い懐に入り、レベッカの仲間を救うためにセシルと手を組んだのですよ。敵を欺くにはまず味方からってね。そう、私は皆様のために、秩序を守ります。」

どんなに新手が来ようと、テリーは何とも思わなかった。

「お前ごときがいくら屁理屈を捏ねようが無駄無駄。お前らは俺が潰すからな。」

「...何を言っても無駄のようですね。仕方ありません、あなたが憎んでいるBrdとやらを全国に散布してあげましょう。なんとなく想像がつきますが。(テリーはレベッカと関わった人間を全て始末するつもりだろうな。)」

「やめろ、エルエー。まだそんなことをするんだ?」

「そういうあなたたちだって、テリーの罪を重ねたいんでしょう?このようにテリーを暴れさせて世間に知らしめれば、ネット絡みじゃ起きてからじゃ遅い職務怠慢ばっかりの警察がきっと動いてくれますよ?ここは黙って見ていればどうです?」

「エルエー......よくも俺たちの期待を裏切ったな!!!!!そんなふざげたことを!!!!!!!」

「さぁ、そうと決まれば実行開始です。散布して、世界を火の海にしてやりましょう。私はいつでも傍観しますからね。(あーあ、これで世界は終わった...。バウザー、申し訳ありませんでした。)」


 その時、飛行挺が最上階に激突した。

「待ちなさい!!」

ここに降りてきたのは、ハルミやミュゼット、ヘルバタ、セシル、シルビアやアリサであった。

「みなさん!!お待たせ!!助けに来たよ!!」

「せっかく最上階に来たんだ、これから加勢する!!」

「私の姉さんを虐げたあなたは罰を受けなければなりません!!」

「俺は極悪ヴィランより女の子の方が好きなんでね。」

「おほほほ、これは実に恐ろしいテリー。もう人間ですらないですよ~。」

「再びテリーの元へ寝返るぜ、この嘘ホント。このっ!!」

ハルミは口だけで戦力外なエルエーを投げ飛ばした。

「戦力外は、ホイっと!!」

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

「レベッカ、一緒に戦いましょう!!」

ミント彩香はミュゼットに約束の物を渡した。

「うぐ...ミュゼット......約束の物......。」

持ち主に渡したことでアーシースーツの隠された効果を発揮する。

「これが...傷を癒す、アーシースーツの効果か。...おかげで、私はバリバリ全快だ!!」

「私は......まだ戦えるみゃう。とっておきの秘策があるみゃう。」

「...あたしも、負けてられないな。」

ミント彩香だけでなく、アイス早苗やミコがアーシースーツの治癒能力で立ち上がった。ラスボスにしては意味深な発言をしてきた。

「またお前らパクリキャラ立ち上がってきたし...ホントにしちゃうよ?精神崩壊する位に追い込んじゃうよ? 」

「え、そうなの?」

「どう見ても某ハリネズミだろうが。わからなかった?一発で分かったけど?」

「あははははは。それはそうとして、この私『七面晴海』は何に見えるかな?」

「私はラムジェットのパクリだぜ、この嘘ホント!!」

アレグロ雪郎はレベッカにジェットパックを与えた。

「レベッカ、これを使え。」

「ウィングブレード......か。ありがたく使わせていただこう。」

レベッカの背中に装着することで飛行可能な代物だ。

「君たち、テリーを倒すぞ。みんなが私のチカラに、チカラの源はみんな、すなわち団結力だ。みんなとの繋がりがあるからこそ私は、ここにいるんだ。この世界のために、兄貴のために、さあ行くぞ!!」


 第三戦...いや、本当の最終決戦が始まった。ミコの秘策とは、生成された最大火力の剣で敵をぶった斬るということであった。

「私のとっておきの!!みゃう!!マキシマムファイアブレード!!」

「これが七面一家の技!!連携でいくよ!!Ham!!ハンッ!! Burn!!!!バァァァア!!!! Punch!!!!グゥゥゥゥ!!!!

ハルミとの連携技でテリーにダメージを与えた。が、そう簡単に倒せる相手ではなかった。テリーの反撃でハルミは吹っ飛ばされ戦闘不能になる一方、同じ手は食らわぬとミコは回避した。


 続いてはアイス早苗との連携技「氷と炎のスパイラルスラッシュ」を繰り出した。冷気と熱波が混ざりあったマキシマムファイアブレードでテリーに斬りかかるも、びくともせず。ミコ同様の理由でアイス早苗はテリーの反撃を回避した。

「もうその手には乗らないよ!!」


 レベッカとミント彩香は「プラズマパルス」と「サイコキャノン」を合体させた連携技で攻めた。テリーには傷ひとつつけられないものの、電磁波を発するプラズマパルスのおかげか、レベッカはテリーの無敵のカラクリに気づいていた。


 レベッカ達の足掻きにうんざりしていたテリーはついに本気出した。とりわけレベッカを執拗に狙い、ありったけのイレギュラーレインを放つ。アレグロ雪郎はレベッカを守ろうと盾を構えた。

「レベッカばっかり狙うんじゃないぞ!!」

アレグロ雪郎とミント彩香の合体技「アキレウスランスショット」で決着を早めるも、またしてもテリーには通用しなかった。テリーは反撃ではなく、レベッカだけ狙うようイレギュラーの槍を投げた。

「だーかーらーレベッカばっかり狙うなっつうの!!」

アレグロ雪郎の必殺タクティクス「愉快な仲間達による絶対防御」で防ぎきった。

「なんとか間に合ったな。礼を言うぜミュゼット。」

反撃を受けたはずのハルミが、アーシースーツの治癒能力で立ち上がった。傷つき倒れたジャッカルヘッジホッグも、ヒメ達も、全員だ。このタクティクスは仲間達の団結力で防御範囲が広い、大きな盾になれる。このタクティクスで防御した時、レベッカのマトリクスが光り輝き、悪を退ける聖なる究極奥義が使えるようになる。レベッカは仲間達の想いをチカラに変え、これまで使ってきたドラゴン属性の技から、これから使うことになる聖なる光属性に切り替え、究極奥義「プライムレジェンド」を放った。弾丸のごとく、テリーにレベッカとその仲間達の想い全てをぶつけた結果、無敵のカラクリが明らかになった。ヘッドホン型装置「ネッドリームダイバー」、これを悪用して大量の幻影を生み出すほか、目の前のテリーは装置とイレギュラーエネルギーが実体化したものだった。すなわち、本体は別の場所にある。この事実を知ったレベッカ達は完全にしてやられた。


 ところが、連れて来なかったはずの原作者がレベッカの背後に立っていた。

「君たち、くじけるのはまだ早い。」

「あ、兄貴!?なぜここに?...まさかな。」

Dr.デカボットの発明品がこのような形で役に立ったみたいだ。

「俺はたった今、SOS作品『ニューニコチュウ襲来』を全世界同時公開した。世界中の皆が団結してくれる。ここはもうひと踏ん張りだ。我が看板娘レベッカよ、最後の切り札を使うときが来た。」

「超融合のことね、兄貴。よし、君たち。私に全てを!!」

「まずは奴を発生源から引きずり、本体との接続を切断するのだ。」

原作者に従い、テリーを発生源「デスクトップPC」から引き離すように誘導した。

「狙いは兄貴なんだろ?もっと来いよ。」

ジェットパックで上昇していき、無敵のカラクリから離れたところでプライムレジェンドを放ち、デスクトップPCを破壊した。供給源(電力、回線)を断つことで、テリーはイレギュラーエネルギーだけで動く、通常のラスボスと大して変わらず、どんな攻撃もびくともしない無敵ではなくなった。今がチャンスだ、といいたいところだがテリーは憎悪でイレギュラーエネルギーを増大させ、ガノン以上の巨大モンスターに変貌した。


 ファイナルラウンド突入、天空の戦いが始まった。


 レベッカはここにいる仲間15人を超融合することで、奇跡の融合形態「ミラクルレベッカ」へと大変化した。同時に巨大化もオマケ付きである。本体とエネルギーを分離させ、エネルギー体だけのイレギュラーを封印するためにミラクルレベッカは今、立ち向かった。空飛ぶモビルに搭乗したDr.デカボットが光の速さで駆けつけ、サポート役の形でこの戦いに加勢してくれたようだ。

「お困りのようだから手助けしに来たが、どうやらお主のことだから何も問題あるまいようで。もし手助けがいるなら、してやっても構わんがな。」

「大きなお世話だよ。...でも、共に戦ってくれるとは心強いよ。奴を、テリーを倒しに頑張ろう!!」

他人の作品より、もっとも怪物なテリーはレベッカを握りつぶそうと手を伸ばしてきた。

「塵芥と成り果てやがれ。」

ミラクルレベッカの聖なる光により弾き返した。Mレベッカには、融合素材となった仲間のチカラを使う特殊能力がある。今こそミント彩香の隠された究極奥義「オメガ・ザ・ハンド」を試すときだ。

「ミント彩香、君の究極奥義を使わせていただくよ。オメガ・ザ・ハンドォォォ!!!!!」

拳を一秒間握り、エネルギーを溜め、掌を開くことで超巨大なエネルギー体が形成される。しかも両手で、テリーを押さえつけた。両者とも互角で繰り広げていくなか、Mレベッカは次の仲間のチカラを2点借りた。炎と氷の合体技「クロスファイアバースト」でテリーを凍らせたり焦がしたり、また仲間のチカラを借りて繰り返し、壮大な戦いが長引くたびに両者のエネルギーが減少していく。


 そろそろ限界なんじゃろ、マトリョーシカ戦法で畳み掛けようやってDr.デカボットはそう告げ、Mレベッカは彼の言うとおり、潮時だなとDr.デカボットを吸収し、そのまま突撃した。テリーの無数の攻撃を受けながらま分離する形で7人『リサなな、ハーヴ、ヘルバタ、ジャズ賢一、クラベス鈴菜、カラダデカイ、白之助』に背中押され、5人『アンジー楓、モグ、マリア愛美、ヒメ、ロドゆい』、3人『アイス早苗、ミント彩香、ミコ』と、マトリョーシカのように、分離しながらエネルギーの核まで接近した。Dr.デカボットの能力「構造の把握」を借りてコアの位置を把握した。その後、融合解除で2人に戻したところでDr.デカボットに投てきされ、攻撃を受けて壊されたジェットパックをパージし、そのまま突撃した。イカヅチパンチでコアを打ち砕いた。マトリクスのチカラで、封印を試みた。

「私のマトリクスよ、大いなる邪気がもう溢れ出さぬよう封印せよ。」

マトリクスがイレギュラーエネルギーをひとつ残らず吸収する一方、Dr.デカボットは密かにイレギュラーエネルギーを採取した。


 こうして、長きにわたるテリーとの戦いに決着が着いた。最上階に残っているアレグロ雪郎達は、レベッカ達の帰りを待っていた。ゆっくりと降りてくるレベッカと仲間達、Dr.デカボットも。

「終わったんだな。何もかも。」

「でも、テリーはいつか、また私たちの前に現れるだろう。...その時はその時ということで。」

...突然テリー城が揺れ始めた。

「どうやら最後のチカラで、この場の俺たちを皆殺しにする気だ。あんたら、脱出するのだ!!」

レベッカ達は3分費やして、テリー城から脱出した。テリー城は跡形もなく崩壊した。

「今度こそ終わったな......。」

そこでDr.デカボットは、マイケルが共同で開発されたAIの話を持ちかけた。イレギュラーエネルギーを解析し、形成されたAIテリーをレベッカ達のおもちゃにするという魂胆だ。というか、既に実行しているようだ。

「さあハルミとやらよ、何か言いたいことあんじゃろう?ぶつけてみいよ。」

ハルミはAIにこう言った。

「やっぱり正義は、卑怯な手を使うのではなく、周囲の人に危害を加えるのでもない。仲間を一つにまとめた方が大切なのよ。わかる?」

彼女に彼き、アレグロ雪郎も。

「あのな、ネットの中だからって、どんなことをしてもいいと思ったら大間違いだ!!今回のことを含めて、迷惑行為を世間で晒すべきではないってのに、これらのどこがおかしいというのだ?」

その問いに対するAIの答えはこの通り。

「自分らがバカだなんて全然気づかないんだね?これだけ言っても大体からお前らみたいな糞の集まりに心配されるほど今の秩序は腐っちゃいない。だから善悪なんて存在しないんだよこの世界にはもっと文献を広く見ろよ、アニメでもなんでもいいから。俺の知ってるアニメどっちも自分は正義、敵は悪と言ってる。完璧な善悪なんてないんだよ、わかった? 」

AIの答えにアレグロ雪郎は呆れるばかり。

「...話にならんな。お前がやってきたことは悪に他ならない。自己満足のためにレベッカや原作者を亡きものにしようと暴れおって。少しは反省したらどうだ?」

「貴様の知っているアニメといえば...うん、銀時はどっちでもないな。悪を潰すことが貴様の正義?...そんなこと間違っている。確かに兄貴はイタズラ好きで、ユーザーに迷惑をかけた。銀魂のCMと称して、あのゲームのCMを投稿した。そう怒るのも無理はない。でも、たったそれだけで消えろ消えろって。普通の人間にしては、いささかやりすぎじゃないか?それだからイレギュラーは。」

「レベッカよ、このへんにしとけ。原作者とやらがケリをつけねばならんけん。...なにぃ案ずることはない。わしの発明品にはセーフティ機能がついとるんじゃ。さぁ、思う存分謝罪するなり好きにするといい。」

「お互いに謝罪しあえ。もし、それでも無駄だった場合は、そん時はそん時ってことでいいよな?レベッカ。」

「ええ。」

原作者は、まごころをこめて、AIに謝罪を表した。

「テリーよ。色々、ごめんな。それ以外余計なこと言ってないけど、許してくれるかな?」

原作者の謝罪の意に対するAIは......。

「許すわけないじゃん、馬鹿じゃないのお前? 」

わかりあえないとわかっていて謝罪を試みたが、その結果は決して変わらなかった。

「あ"ぁ"?...皆の衆よ、聞いたか?どうやら奴とは、もうわかりあえないらしいぞ。某動画利用者とはそういう奴だ。原作者に仇なす奴を信用するんじゃない。よって、鉄槌を下す。」

アレグロ雪郎はラップトップごとAIを壊そうとする。だがレベッカが代わりに蹴るなり踏むなり破壊した。

「ちょ!!お主!!」

「レベッカ!!あんた...。」

レベッカらしかぬ行動に皆は引いた。

「...ちょっとばかりか、腹立ってきたんでね。...もう終わったことだし、帰ろう兄貴。」

レベッカは帰ろうと戦艦鬼ヶ島に乗る。Dr.デカボットはレベッカに発明品の隠し機能を伝えそびれた。

「装着者の手をつなぐことで、テレポートが容易だのによぅ。」

「俺たちも帰るとするか。さぁ、乗った乗った。伯爵よ、不本意ながらも俺たちとの協力に感謝する。いつかその借りは返すからな。」


 ニューニコチュウとの戦いは終わった。アレグロ雪郎はラップトップごとAIに鉄槌を下すつもりが、レベッカの個人的な感情によって跡形もなく粉砕した。こうして、ニューニコチュウの脅威は去り、一時的な平和が迎えた。テリーの真意は不明のままだ。その後、テリーの影響による事件が数々相次いでいる。2011年以降の戦いはまだ続くことになるだろう。


 戦艦鬼ヶ島に世界中の仲間達が並んでいた。ロバート、レジーナ、ランドルフ、アレックス、メグミ、マイケル、アイ、晃樹、雅史、ルイザ、黒史郎、中東2人、スフィア3人、エリートガードの皆様。共闘お疲れさま。未来人3名が見当たらないようだが雅史は、なにか心当たりがあるようだ。

「戦いが終わった後の話で、『勇気があれば未来だって変えられる。』っていう言葉を口にしまして、あの3人はほっとした顔をして消えたよ。まるで思い残すことはないかのように...え?どういう意味だろう......。」

未来人が消えるという条件は、テリーの介入による改変、内戦を2015年まで先延ばし、それ以外に何があるというのだろうか。しかし、ミント彩香をはじめ、ジャズ賢一やクラベス鈴菜のような本来の時間軸の未来人は、少し改変されたといえど、まだ消えていない。だが長くはいられないだろう。原作者はこう言った。

「消えていないということは、まだ未練が残っているかも。あくまで仮説だが。ま、とにかくだ。帰ろう、我が家へ。」

原作者に言われるまま戦艦鬼ヶ島に乗り、帰路についていた。


 海上での戦いについて色々話していた。レジーナは無人と化した敵艦で左右の敵艦を一掃したらしい。狙撃能力を活かした砲撃したマイケル、司令塔としての能力を発揮した雅史、持ち前の銃器で戦った中東2人、援軍として戦ってくれたエリートガード、最後の最後で奮闘したロバート、レベッカ達のために戦ってくれた仲間達、これはもう感謝しきれないほどだ。新潟県中越到着後、ワープゾーンで世界の仲間達はそれぞれ自分の国へと帰っていった。レベッカも原作者とともに我が家へ帰った。


 ......年末、テリーが懲りもなく悪をおこなうとにらんだアレグロ雪郎は、ケカル帝国電子掲示板を確認した。

『年末だから一言言いに来てやった。お前らは年明けてもクズには変わらないから。十分クズ野郎だ。』

この書き込みに対するアレグロ雪郎は、全世界にこう伝えた。

「聞いたか?この書き込みはテリー本人のものだ。同時にあんたらに対する煽りだぜ。...もう一度シメてやりたいと思わないか?あんたらをクズ呼ばわりする輩を何とかしない限り、また同じことの繰り返しだぜ。これから起こしうる『奴の影響による事件』がある限り、この世界は救われない。ブログに土足で上がり込み、人に原作者の事を吹き込んだ。それは奴の脅威を知らぬ犠牲者がいるってもんだ。あんたらの中にテリーが紛れ込んでいる可能性は否定できない。要するに人狼ゲームだ。もう一度言っておく、対処を怠った場合は、奴の餌食になる。それだけは忘れないでくれよな。...この話の最後に、やられたらやり返すのが原作者のモットーだったよな。よし、散々このように罵った一言いうぞ。『なかなか死なないニコチュウのテリー』」


Rebecca The End of Story - END

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