Episode 5:タチの悪い女 Part.2

 警備員が立ち塞がっていて、洞窟に入れなかったレベッカ達は、付近の図書館に寄った。入館前に、あやしい者がいないか確認するために裏側を調べたところ、カメラを持ったあやしい男がいた。不審に思ったレベッカは彼に声をかけてみたのだが。

「あ、別にね。あやしい者じゃないだから僕。ホント。」

彼の言葉を聞く限り、どう見てもあやしい。と、思いつつ無視しても問題ないと判断し、図書館に入館した。


 いろんな本が並べてある。その中に不自然な壁があった。それを調べてみようとレベッカは、不自然な壁を注意深く調べていた。

「この壁、いつものとは違うだな。」

その時、突然壁が爆発した。そこに出てきたのは、先ほどあやしいと思われる不審者だった。

「あっはっはっは。やっちゃったよ。僕はトミー、フリーのカメラマンさ!!」

「うるせーぞ。読書に集中できねーよ!!」

「大きい音を立てるな眼鏡野郎。」

「バンバンうるさいべ!!集中できないだべ!!」

「そこのあなた、お客さんに迷惑をかけて楽しい?あなたみたいな悪質者は図書館から出て行ってもらうわ。」

「わりぃわりぃ。でも、出ていくわけにはいかないよ。ニコニコ皇帝陛下の命令ってわけさ。はははははははは。」

「んもぅ!!Zamknij się!!!(うるさい黙れ!!)」

「ヒメが怒ってる......。」

「あーあ、全く懲りない奴だな。」

不審者はカメラフラッシュでいやがらせをした。

「ぅあ、うっ...。」

「ヒメ、大丈夫だべか?」

「...ちょっとばかりで腹立ってきた。」

「そ......そうだべか。おい!!へたれフォトグラファー!!変なマネをしたらぶっとばすだべ!!」

「さて、二人ともが僕に勝てるかな?」

「加勢する!!二人を守るためなら私は!!」

「僕の方が上手いよ!!スナップショットだってできる!!」

館内での戦いが始まった。トミーフラッシュに翻弄されるも、レベッカの手助けのおかげで難なく倒した。イカヅチパンチでカメラを壊された不審者は...。

「時報はもう嫌だ!!!!!!!!!!!!」

唐突に自ら首をかきむしって絶命した。意味不明な光景に驚きを隠せない皆であったが。

「助けてくれてありがとう。」

「二人とも助けてくれた、感謝するべ。」

「どういたしまして。僕はフリーランスのフォトジャーナリストだからね。」

「それより小娘、レベッカ絡みの戦場に立つとは大したものだ。」

「んあ!?コムスメ!?ならおまえは年増ねーちゃんだべ。」

「んだとこらぁ?」

「二人とも落ち着いてよ。」

「あたいのボーイフレンドのねーちゃんは引っ込んで!!あたいは今、年増ねーちゃんと喧嘩しているんだべ!」

「ボーイフレンド...か。でもビィは留守番だよ。」

「もういっぺんいってみろ!!あたしは何歳に見えるのか!?」

「二人とも、うるせーぞ!」

「それにしても、壁に穴があいてるし。どうしよう...。」

「おまえ、さっきから穴が気にしすぎだべ。もとはといえば、うるさいへたれフォトグラファーのせいだからだべ。...ヘルバタはどうしただか?あいつは原作者の企画に参加するといったが結局叶わず、どこでほっつき歩いてるのか心配だべ...。ところでおまえ、壊された壁はどうするだか?裏口の扉っぽいやつをつけるとか?...そうか!レベッカが気にする穴をふさぐためには大工が必要だべ。問題は誰がこの穴を塞ぐだか?」

「なら僕でよければ。大工ほどのレベルじゃないけど。」

ロドゆいは壊された壁をスペアドアで塞いでいだ。

「おめーずいぶん上手いな。」

「褒め言葉どうも。フリーランスの一環っていうか、どこでも働いているからね。ふふふ。」

「やつらがやっていることは...もう想像がつくな。」

「さあ、冒険に出るだべ!」

「あたし、影薄い......。」


 ハーヴが加わり、もう一度火山へ向かった。警備員はいない、進む道を妨げたのはおそらく不審者の仕業だった。火山に足を踏み入れ、探索をしていた。2階に登り、謎の装置は機能していないとして、探索していくうちに、床の穴を見つけた。穴を覗いてみたところ、ミコが誰かと対峙していた。

「どっちが上なのみゃう?キャッツとして。」

「もちろん私の方だにゃ~。」

「やっぱり私だみゃう。炎の使い手として。」

「もーこっちの方だにゃー!!裏切るにゃー!!」

「裏切る?あっちがその気なら、こっちも絶交みゃう。」

「何やってるだろうか、二人。」

「話しかけてみよう。」

声をかけようとして飛び降りた。

「やぁ、ミコ。」

「レベッカ。野良猫さんが私を裏切ったみゃう。」

「まさかな。」

「どうせニコチュウ絡みだろ?」

「やつが皇帝陛下の手先だとしたら、倒さねば。」

「どうしてみゃう?」

「どうしてもだ。」

「しかたみゃう。どうしてもというなら、懲らしめるしかない。」

「そうだ、それでいい。...さあ、本性を現せよ野良猫よ。」

「どうやら正体がばれたようだにゃ。ニコニコ皇帝陛下に栄光あれにゃー!!」

「やっぱりな。どうやら"おしおき"が必要だな。覚悟はいいかい?」

本性を表した野良猫との戦いが始まった。ミコの得意技「ファイアラリアット」で攻めるが、野良猫は奇妙な攻撃を仕掛けてきた。レベッカは野良猫のすべてをものとせず、イカヅチパンチ☆ワンパンで下した。

「やられたにゃー。」

「どうした、まだやるみゃう。」

「勘弁してにゃー!!」

「失せろ小悪党!!」

「に......にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

野良猫は溶岩に飛び込もうとするが...。

「にゃ?」

結局ミコに助けられた。

「溶岩に飛び降りたら死んじゃうみゃう!!」

「にゃー!!離せにゃー!!」

「離さないみゃう!!」

「...今日のところは見逃してやる。」

野良猫はそのままどこかへ去った。

「やれやれ。」

「これでいいみゃう?」

「ああ、あいつとは絶対に関わらないでくれ。」

「了解みゃう。」

「それより、君の炎を纏ったトルネードアタックは凄かったな。」

「ファイアトルネード。身体をスピンさせ、敵を巻き込み吹き飛ばす技みゃう。」

「ああ、ミコの技の話か?かっこいいよ。最高に、うん。原作者が最近ハマったあのゲームでも出てくるってやつ?」

「原作者...にゃーんだ、イカヅチ帽子を被ったあの原作者かぁん。」

「兄貴は今、トラブルを解決するためにまわってるんだよ。」

「原作者......今はあえてBRDと名乗ってるんだね。"全て解決するまでは"ってね。」

「...あはははは。すまん、少し笑ってしまっただけさ。」

「それで、一緒にいくだか?」

「私と一緒に行くみゃう。」


 ミコが加わり、次の地へ目指し進んでいった。村や廃墟を通り抜け、道の途中でリーゼントのおっさんとモヒカン小僧、黒豹がにらみあっていた。どうも気にするレベッカは彼らに声をかけてみた。

「俺をモヒカン小僧が倒すんだ!だから、俺一人が戦うので、邪魔しないでね。」

「なんだおまえは。今は知的障○者と喧嘩してるぜ。用が無いならどっかいけよ。」

仕方なく、次の地へ目指すがハーヴは...。

「どうも気になるだべ。」

「何が?」

「あのおっさんとモヒカン男だべ。」

「ちょっと!!」

ハーヴはすぐに引き返し、リーゼントのおっさんとモヒカン小僧に声をかけていた。

「モヒカン男とおっさん、何をやってるべ。」

「なんだ?このつるぺた小学生は。俺は知的障○者と喧嘩しているだけだぜ。」

「俺がモヒカン小僧を対決してるんだ。」

「助詞が間違ってんじゃあ意味がわかんねぇよ知的障○おっさん!!」

「何を言ってるかはわからないけど、一緒に戦うべ?」

「いいよ。ハーヴと俺をあいつが倒す!!」

「まーた間違ってんぞこらぁ。俺がおまえらを倒すっていう意味になるもんだぜ。」

アイス早苗とミント彩香は引き返して、状況を確認した。

「何やってるの?あんた達。」

「あたいは、おっさんと一緒にモヒカン男をぶっとばすだべ。」

「モヒカン男って、アキオの事じゃないのか?」

「なるほどね。知らなかった。」

「モヒカン男?失礼だな。オバサンと白女。」

「お、オバサン!?」

「何だと!!」

レベッカとロドゆいはどんな反応をしているのか。

「やれやれ。」

「アイス早苗とミント彩香が怒ってる......。」

「へへーん。バーカ。怒るなよ。のぅ、オバサン。白女。」

「また言ったな!!マジで許さないから!!」

「また白女と言いやがった。私はあんたをムッ殺す!!」

5人と1匹の喧嘩が始まった。黒豹のかみつき、モヒカン小僧の謎のエネルギー放出を仕掛けたのだが。

「うるせーーーーー馬鹿ぁぁぁぁぁ!!!!!」

リーゼントのおっさんの凄まじい衝撃波でモヒカン小僧と黒豹を吹き飛ばした。

「この俺がやられるとは...!!リュウジ......すまなかった.........。」

「不動が倒した。ありがとう。」

「助詞が違うよ。」

「それを言うなら、『アキオを倒した』でしょ?」

「おっさん、ありがとうべ。」

「俺の事は、マーシーを呼んでくれ。」

「わかったべ。マーシー。」


 リーゼントのおっさんはマーシー。原作者の知り合いの一人であった。助詞が違うことから、他者からは「知的障○者」と蔑まれていたとされる。

「マーシーさん、あなたの大声は凄まじいみゃう。立派な戦力になれるみゃう。」

「うるせー馬鹿!!」

「鍋厚っぽいね。」

「うるせー馬鹿はアホになる。1、2、うるせー馬鹿!!」

「さあ、一緒に行くだべ!マーシー!」


 マーシーが仲間に加わった。次の目的地に到着した。ロドゆいにとって見覚えのある最初の場所だった。そこには旅の前に話していた男がいた。ロドゆいは彼に声をかけてみた。

「優衣姉さんじゃないですか。」

「久しぶり。君。」

「ここから一周、まわって来たんですね。」

「うん、僕はいろんな仲間を集めて各地にいる悪者を倒してきた。今はもう、やることがなくなったんでね。」

「いいえ、姉さんたちの旅の目的はこの地方の悪者の一掃だけじゃないはずです。飛行挺またはUFOを借りてでも遠い地方の悪者を狩ればいい話なのですが。」

「飛行挺...?なんとなく旅の先が見えてきた気がする。助言どうも。これからは続けるよ。」

「では、頑張ってください。」


 次の目的地のためにロドゆいたちは、オープニングと同じ方向に向かって移動したところ、一週目にはない謎のエネルギーボールが置いてあった。それに触れてみると、UFO内部に転送されてしまう。

「よくもアキオを倒したな。俺の名はリュウジ。ニコチュウという愚か者は桃太郎Vの敵だと聞いた。協力を求むというならば、俺の元へ来るがいい。」

気がつくと、ここはUFO内部。

「ここはUFOか。」

リュウジの元へ来るべく通路を歩き、宇宙人の中枢までたどり着いた。ロックがかかっており、開けそうにない。そこでリュウジはパスワード入力を求めていた。

「まずはパスワード入力だ。」

「パスワードといってもな......。知らないんだよね。」

レベッカは適当にパスワードをいれておくと意外なことに。

「解除した。中に入れ。」

「おやまぁ。よくわからないけど、入れそう。」

部屋の奥にリュウジとその子分が佇んでいた。まるでレベッカ達を待っていたかのように。

「リュウジ様。客が来ました。」

「わかっている。......我がUFOへようこそ。」

「あんた、宇宙人のリーダーだろ?」

「ああそうだ。俺の名ははリュウジ。その通りだ。ミント彩香。」

「モヒカン男って、宇宙人の手先だか?」

「そうだよ、宇宙人の手先だ。っていうか。ヤったのか?」

「マーシーの喧嘩で、あたい達がぶっとばしてやったべ。そんなマーシーを許してほしいだべ。」

「マーシーめ!!アキオの仇!!マジ許さん!!失せろおっさん!!」

「よせ、子分。」

「リュウジ様......。」

「罪を憎んで人を憎まず。マーシーに当たってもしょうがない。」

「俺はモヒカンはやったけど、しかたがない。」

「意味わかんねぇぞ、おっさん!!」

「ねえ、例の作家はどうなったの?」

「...例の作家はもういない。その様子を見せてあげよう。」

ここにいる皆は、リュウジの話を聞くことにした。


 2007年3月以降、リュウジは例の作家の様子を見たところ、作家は何もできずに引きこもっていた。クリエイターとしての作家は死んだ。結果、アソクエ3は幻となった。

「そういう話なんだ!!」

「アソクエ3開発中止って事か。実に残念!!」

「せっかく楽しみにしてたのに?」

「残念ならしかたない。」

「誰かが後を引き継ぐ。桃太郎Vがな。」

「リュウジ。私達に説教してくれないか?」

「あたしも。説教してくれよ。このゲームのエンディングに必要な物さ。」

「ことわざではなく説教か、いいだろう。違う言い方でいこう。便利だけど使ってはいけないもの、俺はミネラルパウダーしか思いつかないが、お前なら他に何か知ってるのか?」

「あーこれこれ。あたしが求めた説教だよ!!今のうちにメモっとこ。」

「俺はオサム様には絶対に勝てないと知って逃げ出してしまったが、お前はどうだ?絶対勝てない状況からは、やっぱり逃げ出すのか?」

「私のお母のイトコが言いそうな説教だ!!」

「俺達、退屈だぜ。そろそろ終わらせろよ。」

「たった今、雪の国スノーマンに到着した。心してゆくがいい。」

目的地に到着したようなので、ワープ用途のエネルギーボールに触れて降りていった。


-----後編へつづく

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