第8話
***シスSIDE
「はいはい! みんな注目!」
そう言って、ハニ部長が手を叩く。
「緊急で、上からの命令が来ました。今回の夏のデザイン、できた人は私じゃなくて、直々に社長に見せに行くらしいですよ」
え~、と声が上がる。
「社長に直々は緊張するけど、それくらい大事な企画らしいから、みんな、頑張りましょう!」と、両手で拳をつくるハニ部長。
社長に直々か……緊張するな……。
すると、知ってる? と隣のジェンが話しかけてきた。
「知ってるって……何をですか?」
「ここの社長、若いらしいんだけど……」と言いながらシスに近寄り耳元でこっそりと喋るジェン。「性格悪いんだって」
「え?」
「そして超〜〜塩なんだって。イケメンなくせに!」
「イケメンなんですか?」
「そうだよ! この会社
「普通、社長なら、みんな顔知ってるんじゃ?」
「うん、普通はね。でも社長は表口から入るんじゃなくて、裏口から入ってるんだって。普通じゃないっていうか……変わり者?」
「は、はぁ……なるほど……」
「その社長に直々に会えるってことだから、ラッキーっていえばラッキーかもね!」
「あはははは……」
ラッキーか……。イケメンなのに、性格悪くて、塩で、変わり者。どういう人なんだろう……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます