41~50 ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。

041. 本は内容を先に読む方ですか、それとも、あとがきから読む方ですか?

▼「タイトル→帯→あらすじ→著者略歴→目次→本文チラ読み→あとがき(冒頭部のみ)→解説(冒頭部のみ)→(購入)→内容・本文→あとがき→解説→奥付」という流れで読んでいることが多くあります。ですので、本文や内容から読んでいるということだと思います。


042. 読みたいのに読めない本はありますか? その理由は。

▼Twitterのタイムラインに流れてきた水声社さんの『セルバンテス全集』です。検索したら全7巻で税込7万7000円(=1冊1万円+税)という破格の値段で提供されておりました。もちろん「高い」という意味での「破格」です。これは自分でも購入はちょっと無理です。近場の小さな図書館でも入れるのを躊躇うレベルの価格だと思います。


043. ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。

▼『幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか』(トマス・レヴェンソン著/小林由香里訳)と『ニュートンと贋金づくり─天才科学者が追った世紀の大犯罪』(トマス・レヴェンソン著/寺西のぶ子訳)、あとは『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』(モリー・グプティル・マニング著/松尾恭子訳)です。ほかにもおすすめはありますが、ノンフィクションもまた小説のジャンルやテーマと同様に扱う題材で好みが分かれると思うので、今度書店へ行った際に少し覗いてみてください。おそらくたいていは「海外文学」や「科学読み物」「ノンフィクション」などと書かれた棚に置かれていると思いますが、なかには小説と混ざったようなまぎらわしい陳列の仕方をしているお店もありますのでご注意ください。


044. あなたの好きな恋愛小説を教えてください。

▼恋愛小説はめったに読みません。申し訳ありません。


045. 泣けてしまった本を教えてください。

▼これは『ビロードのうさぎ』(マージェリィ・W・ビアンコ作/酒井駒子絵・紗訳)です。原作よりも短めにダイジェストされた絵本ですが、そうとは感じさせない物語と絵で気づけば涙がこぼれていました。本ではなかなか泣かない自分もこの絵本ばかりは本当に別格です。酒井さんも絵本界隈では有名なイラストレーターなので、気になった方は探してみてください。


046. 読んでいるだけで、アドレナリンが分泌されてくるような本は?

▼これはどんな本にもいえることだと思いますが、伏線回収が上手な作品や構成に妙を感じる作品は「そうきたか!」という感じで思わず膝を打ちます。あとはやはり、文章が濃密で書き慣れていることが伺えるような作品です。


047. もう2度と読みたくない本は、ありますか?

▼「もう二度と読みたくない」と思ってしまうような本は最初から手に取らないと思います。つまり、そのような本は現状ありません。自作を除いて。


048. 良くも悪くも「やられた!」と思った本はありますか?

▼20年近く前(文庫本は15年ほど前)に刊行された小説で、久坂部羊さんの『廃用身』です。不自由になってしまった腕や脚などの身体部位を切除して患者の負担を減らす「Aケア」と呼ばれる施術を行なう医師とその患者たちを追った小説です。小説といってもルポやドキュメンタリー風の体裁で、作中奥付まで作られている凝った内容の作品であり、作中の描写や表現が真に迫っていて読後数日間は「これは本当にあったことなのか、そうでないのか」に頭を悩ませていたことがあります。これが著者のデビュー作品らしいですが、現在も医療小説の第一線でご活躍されているところを見ると、やはりデビュー作品は良くも悪くも衝撃的な内容のほうがその後も名前が思い出される強烈な印象を与えてくれる、ということなのかもしれません。


049. 読む前と読後感が違っていた(食わず嫌いだった)本は?

▼これはいわゆるライトミステリです。『誰も死なないミステリーを君に』(井上悠宇著)という作品を友人から借りたときにあらすじを見て、奥泉光さんの『ノヴァーリスの引用』みたいな話なのかなと思っていました。要点をしぼった両作のあらすじとしては「過去の人間の死の真相を記憶や会話から推理して事件を解明する」というものなのですが、ミステリのカテゴリながらライトを謳うとおり文章が平易でわかりやすく、読後感もサッパリとしていて後腐れがありませんでした(当然ですが『ノヴァーリスの引用』は『誰も死なないミステリーを君に』よりはるかに重苦しく哲学に踏みこんだ作風です)。ただやはり自分があえて買い求める文章ではないな、と感じたのが正直なところです。


050. 子供にプレゼントしたい本のタイトルを教えてください。

▼もし子どもがいたら絵本はたくさんあるので全部プレゼントしたいですが、あえて贈るならここは自分の絵本遍歴のはじまりともいえる『あけるな』(谷川俊太郎文/安野光雅絵)です。安野さんの絵が少し不気味チックでラストシーンもトラウマになるかもしれませんが、あの不気味さに魅せられてしまった幼少時代の自分のような存在もいるのが事実。そこまで過剰に危惧することではないと思っています。また同様に示唆に富んだ絵本に『まばたき』(穂村弘作/酒井駒子絵)もあります。美麗な絵が続いてうっとりしていると、ラストに思わず息を呑むドキッとする展開があって、だれもがびっくりする内容になっているのでプレゼントとしてぴったりだと思います。

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