第6話 お菓子作りを始めて一年近くになるが

おこもり生活でストレスが甘いものドカ食いの方に走るタイプなので、


せめて少しでも体に良いものを、と考えていても立ってもいられず書店で米粉スイーツレシピ本を買ったのは去年の7月。


ベーキングパウダーの使い方も分からなかった自分が竹のせいろと蒸し台を買って初めての蒸しパン、米粉マーラーカオを作って食べて、それが妙に美味しかったので…


調子に乗って色んな種類の蒸しパンを五十回以上は作って食べて、流石に飽きて貯めたお金でオーブンレンジを買ったのは今年の3月。


目標は映画グリーン・マイルで大男の囚人ジョン・コーフィーがトム・ハンクス演じる看守長から「とあるお礼」で貰ったコーンブレッド。



昔のアメリカでは子供の頃おかんが焼いてくれたってレベルのソウルフードなんだそうな。


とうもろこしの粉とヨーグルトと砂糖、その他の材料を混ぜ混ぜしてオーブンで焼くと呆れるくらい簡単にアメリカおかんのおやつが出来た。


ずっしりとした食感で休日の朝食に焼くといいかもしれない。


ちなみにコーフィーがコーンブレッド貰った理由は結構シモネタなので詳しく知りたかったら映画「グリーン・マイル」参照してください。


クッキー、ブラウニー、苺タルトと大体の焼き菓子は作って食べ、こしあんも小豆を水に浸すところから作って白玉ぜんざいや煉羊羹も作った。


中古のハンディブレンダーを買って豆乳アイスクリーム、フルーツシャーベットなど、


蒸す、焼く、冷やす菓子は一通り作り、市販の菓子を買う回数が減った。


そしてついこの間…世間では伝統のお祭りが3年ぶりに開催され、登下校中もマスク外していいですよ。などともうそろそろ気を緩めてもいいかな。と思い始めた頃、


ハンディブレンダーと菓子のレシピ本をフリマサイトにまとめて出品した。


もういいんだよね、外出してパフェを食べてもいいんだよね。と嬉し涙をぽろぽろ流しながら。


一年近くお菓子作りを続けてきた結論。


台湾カステラとシフォンケーキとクグロフさえ焼いてりゃ自分は満足なのである。


なお、出品したものは一週間以内に全て売れた。









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