第46話 相談

「お兄ちゃん相談があるの・・・」

義父義母兄妹にあたる妹アヤメが俺を訪ねて来たので俺は近くの喫茶店で会っていた。


俺の実の両親は両者共に他界してこの世にいない、だが父が亡くなった後、母の再婚相手の養子となり、その後、母が亡くなった後、義父マサルが再婚し、義母になったアキナの連れ子がアヤメだった。

俺は両親が共に血の繋がりを無くしてからは頼るのも筋違いと思い、おやっさんの元に奉公の形で来ており、ロクに家にも帰っていなかったのだが・・・


「アヤメかだいぶ大きくなったな、もう中学生だったか?」

「違うよ、高校2年生だよ。」

「そうだったか?」

「もう!家に帰って来ないからわからなくなるんだよ。」

「わるい、わるい、それで相談ってなんだ?」

「・・・あのね、進学に、ついてなんだけど。

お願いします、学費を援助してください。」

アヤメは深々頭を下げる。

「いいよ、いくらいる?」

「こんな事を頼むなんて図々しいとは思って・・・えっ?」

「いや、義妹の学費だろ?それぐらいは出すさ。」

アッサリと承諾の答えが返ってきた事に目を丸くしている。

「まあ、受験料として、取り敢えず100万ぐらいあればいいか?

あとは生活費と学費か・・・うん、いくらかわからん、いくらいるか調べてみるよ。」

「お兄ちゃん、そんなにお金を持ってるの?」

「まあね、結構稼いでいるほうだよ。」

「・・・お兄ちゃん、どんな仕事をしているの?」

アヤメは心配そうな目を向けて来ていた。


「投資がメインかな?売上のいくらかを貰えるから結構もらってるかな。」

「そんな仕事をしてたんだね。」

「まあ言ってないからね。」

俺とアヤメが話していると・・・


「ゆうちゃん、そちらの方はどなたかな?かな?」

笑顔が引きつっているチカが声をかけてくる。


「やあ、チカちゃん、この子は義妹のアヤメ。

会うのは初めてだったよね?」

「義妹・・・そういえば言ってましたね。

追い出された家の娘だとか。」

「お兄ちゃん、この子はだれかな?」

「この子はチカ、勤め先のお嬢さんで・・・」

「ゆうちゃんの妻です!」

チカは堂々と嘘を言う。


「妻って、どう見ても子供じゃない・・・

お兄ちゃん!まさかロリコンになってしまったの!」

「違うって、チカちゃん妻じゃ無いでしょ!」

「うう・・・まだなだけだもん。」

「まだも何も付き合ってもいないから。」

「むぅ、ゆうちゃんのイジワル。」

チカは頬を膨らませて不機嫌をアピールする。

「はいはい、怒らないの。あとでマルの店でケーキ買ってあげるから。」

俺は膨らんだホッペタを指で潰し、ご機嫌取りをする。

「お兄ちゃん!幼気な少女に何をしてるの!

そんなスキンシップは妹にするべきです!」

「あら義妹さんはゆうちゃんにスキンシップしてもらって無いんですか?

まあゆうちゃんは私にだけはスキンシップしてくれますから。」

チカは少し勝ち誇ったように言い、それを受けたアヤメは凄く悔しそうにしていた・・・

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