結論

 その後、一週間録画したままの相棒を見ないまま過ぎた他はいつもと同じ日常を判で押したように、繰り返す日々が終わって、理子は伏木ふしき副課長に呼び出された。


 結論からすると、理子の仕事を一週間見た限り悪意を持っていそうな人がいなかったことを告げられた。


 確かに、贅沢れいざわかれんにしても手摘奈帆てづみなほにしても悪意は全く変わらないし、理子のストーカーもいない。


 ただ、副課長の言葉と小野の保存しているカードのコピーだけがこのことが本当にあったことだということを告げている。


 それと長年の習慣である早口をなかなか治せずにいる理子も理子だが、それでも七年立ってから、転職しても本人が気づかないほどに身体が震えているほどのトラウマを理子の心に打ち込む出来事であったのだ。



 でも、インターネットでの誹謗中傷も裁判になるさこん、この犯人の罪は許されてないのかも知れない。


 例えば本当に嫌いだったのかからかいたかったのかそれとも小野のように仲良くなったかったにしてもこういうことはやめたほうがいいのかも知れないと当事者だから思う。


そういう理子の感情や考え方も含めて芥川龍之介なら、藪の中にすべてを眠らすのであろうか。


藪から棒や蛇をつついたらまた報告したい時の渦の出来事である。



                おしまい


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日常の渦 紗里菜 @sarina03

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