部長との面談内容

 伏木ふしき副課長が、お待たせしましたと頭も下げるのに、あわせて里子も頭を下げて面談が始まる。


 まずこのカードが届いた経緯を理子はたどたどしく説明した。


 そして、伏木副課長は「びっくりしたよね。でも、雨宮さんはこの仕事を初めて、もう10年以上のベテランで、職場の皆さまも早口は治らないことはわかっているし、それに雨宮さんは私語をほとんどしないし、こんな手紙を貰うほど職場の誰かに恨まれているようには僕は見えない。」とまっすぐ理子の顔を見ていう。


返事に口ごもる理子に向かって、「仕事以外のプライベートで最近出会った人はいないの?」と当然の質問がとぶ。


それには理子も恥ずかしながら出会いはないし、職場以上に付き合いも長く、理解もある友人たちの仕業では思えないことを話す。


伏木ふしき副課長は「本当に職場の誰かだったとしたんだろうとしたら意味がわからないと」ぶつぶつ呟いている。


結局、定形外の仕事をするときは一週間、各副課長が理子を見ていることに、決定した。


ちなみに佐藤部長はただいただけで一言も発しなかった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る