第21話 深淵

オズは、自分の知覚が、幻かどうか定かではない時がある。

 『今いる世界は、多数からなる内のほんの一つの世界に過ぎない』だとか、『世界は、無限に数多くのもろもろの世界だけが存在している』『世界とは、我々が知覚している当のものである』等と言われているが、本当のことは、定かではない。




オズは、ごく普通の人間の少年の筈だった。

 しかし、オズは、自分が元はこの世界の住人では無いような異界から来たような感覚を覚える事がある。

 自分の本当の親は人間であるらしいー。ダークネスという化け物の血筋が入っているらしいが、母親が分からない。

 オズは、本名ではない。自分の本当の名前は知っている。だが、ルミナからは、今の世界では護身の為に明かさぬように忠言されているのだ。この『オズ』という名は、ルミナからつけてもらった名だ。

 オズは、幼少期は、いつも強い不安の中で生きてきた。心強い味方が一人でも欲しかったのだ。

「お義父さん、お義父さんは人間だよね?化け物なんかじゃないよね?」

オズは、混沌とした不安を抱えながら養父に尋ねた。

「何を言ってるんだね?」

養父は、いつもニコニコしながら穏やかにオズを宥めた。


 そんな中ー、ダークネスの養父を撃退したハンターの青年2人と出会った。彼らは、養父はダークネスであり幼いオズを異世界からさらってきたというのだ。


『お前は…変わった眼をしてるな…ダークネスか…?』


ハンターの青年は、そんな事を言っていた。



 オズは、急に恐くなり、すきをみてその場を逃げた。ひたすら走り養護施設に身を寄せた。ずっと信じていた養父がダークネスで人食いだったという、混沌とした恐怖にオズの頭はパニックを起こしていた。

 このでは、変わった事ばかりやらされていた。

 普通に椅子に座り授業を受け、普通に体育のような事をやらされる。

なんともない普通な日常ー。

オズ達、施設の子供はほぼ毎日ゲーム感覚で、異形の化け物と戦う訓練をしてきた。洗脳されてきた為か、恐怖心はあまりなかった。

 しかし、自分は騙されていたのだと知った。

 ある日突然、空間に穴が空き巨大な芋虫が出現した。その芋虫は、次々と仲間を丸呑みにした。今までにないとてつもなく強い恐怖が痺れるくらいの恐怖が、オズを襲った。

そして、自分だけが生き残ったのだった。


養父のトラウマー、突然おそいかかり仲間を次々と喰い殺した異形の化け物ー。

それは、為す術もない絶望を表していた。

非力な少年は、心に闇を抱えてしまった。


オズの心の奥底に、重い泥のような鉛のようなものがずっとつっかかっていたのだ。



オズは、普通の養護施設に拾われ


自分の風変わりな容貌と、謎の力に恐怖し自分を


中学からはいじめにあい、愛犬を殺された。


養護施設の仲間のお陰で、性格はネジ曲がる事はなかった。

養護施設で18まで育てられた。




18になった






社会人になっても、














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かつて、魔女だった君へ〜異形の怪人と殺戮の乙女〜 RYU @sky099

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