第三章 未知なるもの11

 ――皆が寝静まった頃。

 とある屋敷の一室では、ふたりの男が声を潜めていた。


「おい、首尾はどうなっている?」

「あぁ、どうやら上々のようだな」


 渡された書類を手にした男は書かれている内容に目を通すと、口元を歪ませて笑った。


「なるほど……」

 顔を上げた男は向かいに座る男に目をやった。


「まさかこんなことになっていたとは」

「あぁ。さすがに私も思いもしていなかったが」

 書類を渡した男はにやりと笑った。


「いい機会だと思わないか?」

「そうだな」

 ふたりの男の静かな笑い声が部屋の中に響いていた。

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