自分裁判

　自分が叶えることの出来なかったプロサッカー選手になることを渇望する父親。
　周りの人から羨望の眼差しで見られることにのみ関心がある母親。
　子供を自身の欲望を充足させるための人形としか思っていない両親の下で育った少年は過酷な人生を歩むことになる。
　同じ年の子供と一度も遊ぶこともなく、サッカーと勉強漬けの日々。その事から学校ではいじめにあいながらも両親の期待に応えるために少年は必死に走り続ける。その甲斐あってサッカーでは年齢別の日本代表にも選ばれ、テストでは学年十位以内に入り続けた。少年が走る先には輝かしい未来が待っているはずだと信じて。
　突然の父親の死。父の死をきっかけに人生が狂い始める。異様な疲労感と眠気。走ることが出来なくなった少年は、サッカーを辞め、授業にも付いていけなくなり大学…続きを読む