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基本ノエルが教えてくれるんだし。
「もし、突出した動体視力を持ち合わせていないのだとしたら感覚になるか。まぁ、どちらにせよ、我々の攻撃はキミに対して無効に等しく。キミの攻撃もまた私達には無効に等しい。だからキミは複数で自分を襲わせ、相手の力を利用して相殺を図るという戦法を選択したといったところかな?」
「はい。まったくにもってその通りっす! って、ゆーか! すごいっすね! そんな事まで分かっちゃうなんて!」
「いやいや。実際にそれを選択し、かつ、それを実行し、己の求めた結果を得るキミの方が私は凄いと思うがね」
「確かに…それが本当に出来るんなら、無敵に等しいかもしんねー」
「あはは。ブルー、彼は実際にやってみせたじゃないか。彼の力を目の当たりにして素直に受け止められないなんて言ったら底の浅さを露呈するだけだぞ」
「あ、はいっ! すんません!」
「いや、いい。実際のところ私だって半信半疑なんだ。すまないが、レッド。もう少し私の諦めの悪さに付き合ってもらえないかな?」
言うが早いかブラックさんは、色んな蹴り技を見せてくれた。
ポイントを削りあう戦闘目的というよりも、一つ一つが何かを確認してるみたいであり。
全ての、コンビネーションを出し終えたブラックさんは天をあおいでいた。
「あはは。こうも見事に全てかわされるとかえって気持ち良いものだな」
「いえいえ、そんなことないですよ! 改めて見てみるとすっごく綺麗でしたから!」
「あはは、綺麗か…怖いとは言ってもらえないのだな」
「あ…、いえ、その……」
「いや、無理に言わなくてもいい。当たらないと分かっている大砲に怖いもなにもないだろうしな」
「あ、はい。スミマセン」
「そんな、声を出すな。完敗した私が惨めじゃないか」
「いえいえ、もしポイント制の競技とかだったら同点のままですよ」
「まぁ、確かにポイント制の競技だったらそうなのだろうが…一個人。プレイヤーの質としてだよ」
「そんなことないっすよ! 絶対ブラックさんの方が強いっすよ!」
「全力で倒しに行って全ての攻撃を見事にかわされたあげく押し倒されて星を見ているのにかい?」
「あ、いや、その…」
「あはははは。すまんすまん。意地悪が過ぎたな。では、聞こうか。私の何が悪かった?」
「はい。ブラックさんは、大技のあと必ず背中に大きな隙が出来ます。なにをどうすればいいのかって聞かれても全く分かんないっすけど…」
「やっぱ格闘スタイルの変更がいいっすよブラックさん! ブラックさんなら絶対に、蹴り技だけじゃなくって拳もいけますって!」
「うむ。やはりそうなのかもしれんな。しかしな、ブルーよ。私は器用貧乏にはなりたくないのだ。だから、しばし考えさせてくれ」
「はいっす! その、俺なんかで良かったらいつでも教えますんで! そん時は、よろしくっす!」
「おいおい。格闘技においてキミはボクの師範にも等しいんだ。むしろ頭を下げて願うのは私だろう?」
「いやいやいやいや! なにいってんすか! ブラックさんは俺にとって人生の師匠っすから! 当然っすよ!」
「ん~。個人的な感想を言っても言いでしょうか?」
「んぁあ⁉ なぁに、俺の言った事に口挟んでんだよ! たまたま見切りの能力選択してたからって自惚れてんじゃねぇぞ!」
「あ、いえ。それはそれで良いと思いますし、間違ってないと思います」
「あぁん。じゃぁ、なにがいーてーんだよ!」
「その、ブラックさんが大技出す時にブルーさんがブラックさんの背中守ってですね。ブルーさんが右の大技使う時にブラックさんが死角をつぶせばもっと上手く戦えると思ったんですよ」
「…なるほど。元々このハンティングゲームは個人競技のゲーム。仮に共闘してもルール違反にはならないがポイントの目減りはいなめないし振り分けも不平等。正直なところ仲たがいを狙っているとしか思えない節がある。しかし、我々は元リーダーの意思に従い全力でこのゲームを終了させる事に全力を注ぐと決めている。つまり、今後三人で戦っていかなければならない状況下で考えたらキミの案は正解といえるだろう」
「って! おめーはいいんかよ⁉」
「俺っすか⁉」
まさか青い人に心配されるとは思わなかった。
「や、俺は、見ての通り時間稼ぎくらいは出来るので、書き込みしたらなるべく早く来てくれると助かるっす」
「なるほど…悪くは無いな」
「って! いいんすか! こんなよわっちーやつ一人にして⁉」
「良いも悪いも、奇数である以上、誰かがペアを組めば一人はあぶれるし彼の実力は折り紙つきだ。それに、最近のモンスターは明らかに凶暴性が増している。このまま行けば更に被害者がでることは必至。レッドには悪いが。キミの提案に乗りたいと思う」
「あ、はい! それで良いなら、俺はOKっす!」
「ちっ。まぁ、ブラックさんが言うんなら俺は従いますけどね……」
どうやら青い人は俺がブラックさんに認められて単独行動を許されたのが面白くないみたいだ。
「まぁ、それはそれとして今回分かった事がもう一つある。おそらくカネルはプログラムの変更というかゲームモードの変更が自由に出来る」
「はぁ、なんすかそれ⁉」
「でなければ、レッドのもつ力の説明がつかないからな」
「確かに、俺の時にも見切りの能力選択なんてなかったっすからね」
「これも推測に過ぎないがレベル1からの参戦による何らかのボーナスポイントみたいなものだったのだろうな」
「ずるいっちゃずるい気もしなくもないですが……」
「何も知らずに巻き込まれたんだ。むしろ安いくらいだろうな」
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