結果発表! 「本棚に置いておきたい」というご感想を胸に。

 ユークレースの海原の上、伝書鳩が大空を高速で横切り、窓の桟に止まった。足に縛り付けられているのは、細い巻物。


「来たわね」


 クエルクスが扉を開けたのと同時だった。


「届きましたか」

「ええ。名を知る国がたくさんあるわ」


 一方、シレアの首都、シューザリーンでも、時計台の鐘楼が鳴り響いた。常とは違う時報の音。大切な報せを告げる音階である。


「出たか」

「そのようね」


 一筋の雲が空を切り、虹がかかった。


***


 時間ないのに前半を書いている私はなんなのでしょうね!

 というわけで、出ましたね。


 拝読しておりませんが、へもんさん素晴らしいです。しかも応募時点では完結していない状態での受賞というのもすごい、と思いました。実力の程を感じます。おめでとうございます。

 そのほかの受賞者様のお話は、残念ながら読んでいないのですが、おめでとうございます!


 そして短編賞の方では、普段やり取りのある作家様のお名前がたくさんありました。ここでご紹介した作品もありまして、とても嬉しく思います。お一人ずつお名前をあげませんが、お一人お一人にお祝いを。



 そして当方はといえば、シレア、ユークレースともに選出ならずです。ご連絡いただかなかった時点でわかってはいましたが、二国とも今回得られず。短編も受賞にはいたりませんでした。


『時の迷い路』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322


『楽園の果実』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894170460


 こうした結果を振り返れば、自分の筆力、構成力、想像力がいかに力不足か、ということを思い知らされます。気落ちしないといえば嘘になります。


 ただ、本編を通しで読んでいただいた読者様から、「紙の書籍で手元に置いておきたい」という主旨のお声を複数いただけたことだけは、自分の中で励ましにしたいと思っています。

 それからユークレースを作り上げられてよかったです。心配だったのよ、ラピスは。

 妹編もお祭りに参加したおかげで、大幅改稿を施しました。そのためもあってか、妹→兄→番外編と新たに読んでくださった方も多数。本当にありがとうございました。


 

 さて、これから。

 やはり一度の公募で断念したくはありません。

 この二つの長編をこの後、どうしようか。私もやっぱり「紙の書籍」にしたいと思ってしまうのです。


 出せそう&合いそうな公募、2021年前半期でだいぶ終わってしまったのですよ(集英社さん、角川キャラクター、ビーンズ文庫……)。ですから後半期、出せるところがなくって……。

 悩んでいます。


 最後に。

 ユークレースもシレアも、私の中を超えて、読者の皆さんにも旅をしていただけたこと、本当に光栄です。ありがとうございました。

 ラピスとクエルクス、アウロラとウェスペルは、まだまだ元気にカクヨムにおります。


 短編は増えますし、長編は計画中。気が向いたら、ユークレースとシレアへのまたのご来訪をお待ち申し上げております。


 この体験記も、なんとか前半物語仕立てを(無理矢理?)乗り切りました。来年度用にまた開くかもしれませんし、スピンオフが増えたらまた追加されるかもしれませんが、まずは一度、完結ボタンを押したいと思います。


****


「さて、と。それじゃあクエルクス、お疲れ様」

「大変だったのはラピスの方でしょう」

「そうかしら? どちらが引っ張っていったか分からないくらいだわ」


 旅から帰って約半年。ラピスとクエルクスの間柄も少し変わったようだった。大してシレアは相変わらず、城内の活気は増すばかりである。


「それでは休憩にでもするか」

「お兄様、また忙しくなるものね」


 兄妹久方ぶりに、ゆっくり茶を飲む時間もない。何せ次に行くべきところは、王都シューザリーンの外なのだから。城の面々に新人も加わり、一波乱がまた……いや、日常的に臣下の胸中に波風を立てているのは誰か、という話もあるが。


***


 体験記、ひとまず完結。お読みいただき、本当にありがとうございました!

 皆様に励まされて、一つ一つのコメントに心躍りながら、カクヨムコン6、終了できましたこと、心から御礼申し上げます。




 

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書くという旅路〜カクヨムコン6体験記〜 蜜柑桜 @Mican-Sakura

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