20.今日はなにもないぞ

「はぁ~・・やっと帰って来れたぁ~。」

「そうね、看護師さんを噛んだ時はどうなるかと思ったわよ…。よかったわね、笑って許して貰えて。」

「そうそう!もう、噛んじゃダメなんだからね!メッ!」

‥…。

‥‥‥‥…。

うるしゃい…。

僕は疲れたんだ…。

それに痛い事もされるわ…。

変なあだ名で呼ばれるわ…。

ママに抱き着く時に邪魔されるわ…。

踏んだり蹴ったりだった‥。

もう僕は何もしないぞ‥…。

ふんっ~‥‥。


「あっもう!聞いてるの?」

聞いてない。

「ちゃんと、聞いてよぉ~!おりゃ!モフモフ攻撃だ!」

うっ…。

止め…

止めろ‥‥。

やめっ‥‥止めろぉぉ!

フシャー――!


「うわっ!怒られた!」

「そりゃそうよ!疲れているんだから、休ませてあげなさい。」

「うぅ…ごめん‥。」

ふんっ!

僕が怒らないと思ってるのか!

僕は今何もしたくないんだ!

僕のタワーの上でまったりしていたいんだ‥‥。

ふぇ~‥‥。


う…うん?

あれっ‥僕は寝てたのか‥。

うっ‥うなぁーーよっと…。

良く寝てたな‥‥。

あれ?ママたちは?

まぁ‥‥いいか。

僕は、隠してあった戸棚からちゅ~るを出してガジガジして開けて食べた。

まぁ…今日ぐらいは許されるはず…。

だって僕…頑張ったもん。

さぁーて!

もう一度ね直そうかなぁ~。

僕のベッドに潜ってゆっくりしよーっと。

ぐぅ~!


「ただいまぁ~。起きてるかな…あっあれ?あぁ!オヤツの棚荒らされてるぅ!

どこいったのぉ!もぉ!」

ぬ?

君の声が聞こえた気がしたけど…。

僕は、今日もう何もしないし、動かないから知らないぞ‥‥。

ぐぅ~‥‥。

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