第37話 動き出す

十月、俺がこの組織に来て一ヶ月と少し経過した頃……


「さて、再び前回と近いエリアにレボルブがやって来る」

「またかぁ……拠点からも近いし、場所だいたい割れてたりしない?」

「その予知は出ていないが留守にするのは心許ない。だから今回も儂は残ろう」

「それなら安心だね」


再び敵の襲来があると告げられた。

理仁の心配は事が起こる前から杞憂に終わり、編成が発表された。

基本的には前回と同じだが、俺が翔と同じところに編成されている。

理仁は一人で敵が少なく個々も弱い場所に配置された。

殲滅に特化している理仁にとってその程度なら一人で十分だそうだ。

さて、俺もあれから訓練を積んだが未だに実戦練習で意識を制御できずにいた。

今回はガチの実戦だが、練習で出来ないことを突然何の切っ掛けもなく本番で出来る理由はない。

そのケアのために翔達と一緒に編成されているようだが……


「皆の無事を祈る。それでは午前一時に指定した場所だ」

「了解だぜ、吹き飛ばしてやらぁ」

「相変わらず物騒ですね……でも、私としても異存はありません。焼き払いましょう」


えげつないことを口走る望月と新雲。

そういえば望月の能力って聞いてないな。

口ぶりからして発火とか?

まあいいや、今度聞こう。

そんなことを考えながら準備を進め、いざ出撃というところまで準備が完了した。


「じゃあ剛、枯葉、用意は良い?」

「ああ」

「OKよ」

「了解。じゃあ端寺さん、よろしく」

「お任せください。お忘れ物はございませんか」

「全員OK」

「では、ご武運を」


その次の瞬間、俺の視界は一気に広くなる。

外だ。

さあ戦場へ。

そこで俺たちを待ち受けていたのは……



「……これ、だいぶマズいんじゃない?」

「うん、一気に戦況は苦しくなったと見た」


俺たちしかいない、静かな森だった。






………………



「あの因子を引き継いでいるのなら、この程度は容易い筈だ。頼むぞ、Twilight」

「了解だよ。でもコードネームで呼ばなくて良いって……いつもみたく100で良いじゃん」

「そう呼ばれたくないって言ったのは誰だ」

「そっちは慣れたよ。けど、コードネームは慣れないの。後、僕にはちゃんとした名前があるんだって前にも言ったでしょ」

「そうだったか。まあ良い、始めよう」



……………


「おいおい、コイツは聞いてねぇぜ?」

「マズいですね、これは……」


………………


「敵は多数殲滅したけど未だに四面楚歌、絶体絶命。左腕はもう使い物にならないか……面白いね。じゃあ僕も一か八か、背水の陣といこうか!」



序章はとっくに終わっていた。

世界ももう助走を終えてトップスピードだ。

けれど誰もがそれに気づけないまま。

歯車は、今甲高い悲鳴を上げている。

















後書き

作者のイエスあいこすです。

思えばカクヨムで作者として発言するのは初めてですね。

さて、このエピソードを読んでくださった方の正直な感想は大概「意味不明」とか「理解不能」とかそんな感じのものだと思います。

当然放置する訳はないですし、きちんと回収もします。

なのでこのエピソードだけで意味不明と断じるのではなくこれから先の物語も見届けていただきたいです。

それでは。

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