荒れ狂う存在

 ゼロが幾語いくごかを話せるようになった頃、遠くから新たな一団をアザト国は受け入れた。

 百人ほどの隊で、大した武装もなく、やつれ果てていた。

 なんでも最初は一〇〇〇人で出発したそうだが、怪魔かいまの被害などを中心に隊は衰弱すいじゃくしきり、到着した安堵あんどやその被害の悲しみなどにより、隊のみなが泣いていた。

 隊を襲った怪魔は、天候を常に嵐にする怪物だったという。

 その話からボルテクスを思い出すイェードだったが、若干わけが違うようだ。

 隊はボルテクスについても知っており、怪魔は全く別の生き物だという。

 嵐が近づいていることを聞いていたアザトは、そこにイェードを含む軍隊の派兵を決めた。

 狩らねばならない敵が、南の平野にいるのだ。

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