第3話 謎の液体
ぷりんは頭を抑えてしゃがみこんだ真宙に近付く。
「大丈夫?」
「私は……何て事を……」
召喚の事を思い出した真宙は、自分のした事に恐怖を覚えて震えるばかり。ぷりんはしゃがんで彼女の頭を優しくなでる。なでなでされる事で落ち着いてきた真宙は顔を上げると、じいっとぷりんの顔をまっすぐに見つめた。
「で、改めて聞くけど、あなたって何者?」
「私はぷりんだよ。真宙に呼ばれてやってきた魔導少女のぷりんだよ」
「ぷりんって本名?」
「変かな?」
名前の真偽を問われたぷりんはニッコリ笑う。その無邪気な表情を見て、この話題を続けても無意味だなと真宙は悟った。
色々聞きたい事が頭の中から溢れ出そうになった彼女は、すっくと立ちがる。
「ちょっと飲み物取ってくる」
「あ、じゃあ私、パルエールを出すよ」
「は?」
ぷりんはそう言うと、部屋のテーブルに向かって手をかざした。その次の瞬間には、2つのコップが突然出現する。コップの中にはピンクの液体が注がれていた。
その魔法じみた現象を目の当たりにした真宙は、ただただ目を丸くするばかり。
「こ、これを飲めと?」
「美味しいよ」
訝しがる真宙の表情を見たぷりんは、コップのひとつを取るとゴクッとそれを喉に流し込む。その仕草を目にした真宙は、この謎の液体がすごく美味しそうな飲み物に見えてしまったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます