脳筋白魔導士は勇者パーティーの夢をみるか

第16話

『地下神殿』での腐臭がトラウマになってしまった僕は、どう攻略すべきかを真剣に考えた。

まず、物理による攻撃は無しだ。

そのためには、MPを温存しながら（そして、《瞑想》によって回復しながら）、遠距離攻撃として《ヒール》を使っていけばいい。

……いや、むしろ敵を集めるだけ集めて、《エリアヒール》で一網打尽にした方が良いな。

そう作戦を練ったうえで、再び、僕は『地下神殿』に向かった。

実際に、アンデッドを釣ったうえで《エリアヒール》を使って狩りをすると、かなり効率的だった。

《ヒール》を連発するのに比べてMPの消費量が少ないし、入ってくる経験値の量も格段に多い。

周囲の敵を一掃したら、しばらくの間は《瞑想》で回復できるしね。

『地下神殿』での戦いに手ごたえを覚えた僕は、着々と踏破に向けて動き出すこととなった。

--------------

フロア中のアンデッドを討伐し、《瞑想》で回復したのち、次のフロアに進む。

そうした単純作業だ。

ゾンビやグールといった雑魚から、レイスやリッチといった悪霊であっても、同じ作業を繰り返す。

《ヒール》でダメージが与えられるので、相性が良いのも大きい。

あとは、かなりの数を狩ることができるので、僕は急速にレベルを上げて、さらに数を狩るという好循環に入っていった。

そして、とうとう『地下神殿』の最奥にたどりついたのだった。