第14話

その後、兵士の皆さんの遺骸を《インベントリ》に収納し、青髪のお姉さんを背負って、ひげ面のおっさんの店にダッシュをした。

彼女はそのスピードが怖かったのか、僕に強く抱き着いてくる。


ほどなく、ひげ面のおっさんの店についた。

彼女を下ろそうとしたが、まだ恐怖心が残っているのか離れてくれない。

しょうがないので、背負ったまま店に入ると、モニカさんとひげ面のおっさんが驚愕していた。

そりゃ女の人を背負って店に入ってこられても困るよね。


説明を求められそうになったので、僕は青髪のお姉さんを引きはがし、彼女に説明をさせる。

そうして彼女が説明している間、僕は、奥の部屋でオークの納品を済ませる。

オークロードを出したときには、かなりの驚きの声があがった。


次いで、兵士の皆さんの遺骸も出しておく。

職員さん達に、遺族への対応などをしてもらいたいからだ。

僕は疲労のあまり、投げやりになってしまっていた。

この人たちなら、うまいことやってくれるだろうぐらいの感覚しかない。


奥の部屋から出てきたら、青髪のお姉さんが、モニカさんとひげ面のおっさんに説明を続けていた。

僕は説明に付き合うつもりにもならなかったので、静かに店を去った。


今日の睡眠時間は三十分を死守するため、僕は全力で家路についた。


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それから、しばらくの間、僕はひげ面のおっさんの店には近寄らなかった。

兵士の皆さんの遺骸を置き逃げしたり、青髪のお姉さんに説明を丸投げしたりしたので、店に立ち寄る勇気が起きなかったのが原因だ。

ほとぼりが冷めるまで近寄らない。


そんな日々を送っていると、僕は十歳になっていた。

連日の狩りで『オーク道場』のオークを狩りつくしてしまったので、僕は次の狩場をタナカに相談した。


『地下神殿かなぁ』


僕は対案があるわけでもないので、タナカのいう『地下神殿』へと向かうことにした。



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