第23話『ユーレシア無双(4)』
黒いゴーレムが再び高速で接近する。
無論私からも移動する。両者が接近した刹那、黒いゴーレムは両腕が私は右足がそれぞれ高速で動いた。
バギィンッ!ガギギィンッ!ギリィィンッ!。
『…………ッ!?』
「ん?どした?私の美脚をお前の両腕が全然傷つけられなくてビックリしてるのか?」
ゴーレムの隙を私は遠慮なくつく、無詠唱で魔法を喰らわせる。
「マテリアルバインド!」
『………マジックキャンセル起動』
城のバカどもなら全員身動き1つ取れなくなった私自慢の身体高速魔法を魔法遮断能力で無効化する黒いゴーレム。
魔法は役に立たないか?なら……。
「物理で殴るしかないな?」
再び私達はダッシュで接近する。
黒いゴーレムは両腕の刃で、私は拳の殴打で答える。無数の剣撃とメイドパンチを交わす事数度ほど、そして私のパンチがカスる旅にボディに傷を増やす黒いゴーレムとメイド服が汚れるのを嫌う私は完全回避で対応する。
ちなみに黒いゴーレムの両腕が私に何のダメージも与えられないのは簡単だ。
単に私には炎も雷も効かないってだけである。
………チートですまないな。私は凄すぎる事には定評がある美少女メイドなのだよ。
『………エレメンタルチャージ』
「ほうっ属性魔力の強化か?」
どうやらこのままでは私には全くダメージが入らない事を理解して、更に両腕の攻撃力を上げるつもりらしい。
キィイイィィィィィィィィンッ。
高音が周囲に響くと同時に両腕の光り方が更に輝き出す。
相棒ならこれは大技の予感っとでも言うのだろうかな。
私は別に……直撃してもダメージにもならないのでどうでもいいんだが。
『……ブレイジングスパーク』
黒いゴーレムが両腕の刃をクロスさせる、するとその重なった部分からビームが発射された。
「斬りかかって来ないのか!?」
炎と雷を纏った破壊光線が私に……。
ドッガァアアアアアアアアアアアアアアンッ!。
爆音。爆風。爆煙が広がる。
……………………。
……………………………。
……っあスカートの先が、お前これっ焦げちゃってるぞ?………。
フフンッ……オイオイオイッ。
「……遊びは終わりだ」
『ッ!?』
煙の中から飛び出した私は黒いゴーレムとの距離を一瞬で詰める、私のスピードに黒いゴーレムは全く反応出来ない、当然だ。
バガァンッ!。
私のメイドパンチを顔面に浴びて吹き飛ぶゴーレムかロボットか微妙なボスエネミー。
服が汚れたのでもう遊ぶのも終わりにすることにした。
ぶっ飛ばした黒いゴーレムに再び接近する、すかさず距離を取ろうとするが元々スピードでお前はこの私に勝てないんだよ。この亀さんめ。
私の怒濤のラッシュ、メイドさんラッシュが炸裂する。
「メーイドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーッ!」
ドガがガガがガガがガガがガがガガがががっ!。
『……ッ!?ギギ……バギ……ギギ……』
「……ちなみにパワーでもお前じゃ私に届かないからな?」
最後にかましたアッパーカットでバラバラになる黒いゴーレム。
私の勝利だ、当然だかな。
「……さてっ少しは倒したゴーレムから素材でも回収するか」
そうすれば相棒も喜ぶだろう、早速私は廃品回収のアルバイトのごとくガラクタの山となった現場で黙々と廃品回収を始めた。
私は一際大きいゴーレムの頭部を外して中の機械なパーツやらを全て排除して中を空洞な金属の入れ物をゲットした。それに1番高い値がつきそうなゴーレム・コアだけを回収して中にも入れていった。
そしてゴーレムの頭っぽい篭一杯に様々な色合いの玉を入れた、その後に私は1つ気になった事を思い出した。
そう言えばあの黒いゴーレムが出て来たあの岩の裂け目、多分だがあそこはダンジョンの最下層のボス部屋に通じている筈だ。
そして最下層のボスを倒したのなら、そのボス部屋から更にダンジョンのお宝が隠されてある部屋にいける筈だ。
「……これは行くしかないな」
冒険者になると決めた相棒ならお宝も絶対に手に入れると言うだろう、ならば私もそれに習うまでである。
ゴーレム篭を両手で抱えながらもタタタッと走って裂け目にジャンプで侵入成功だ。
中にいたゴーレムは外で全滅させてるので余裕を持って探索出来る。
例え罠の類いがいくらあっても私には何の意味もないけどな。
ボス部屋は広めでのドーム状の高い天井の部屋だった、扉は二つ、片方は閉まっているが片方は少し開いている。
おそらく開いている方はボスエネミーが倒された事でロックが解除されたんだろう。
私は迷わず開いてる方の扉に向かった。
お宝部屋に入るとボス部屋よりも狭くして造りの部屋であった、そして台座の上に宝箱が鎮座されていた。
「……こう言う古典的な感じは相棒と喜ぶと思うんだがな~」
ここに相棒が居れば昔懐かしいゲームのあの不自然に宝箱が多用される風景に興奮を隠せないでいただろう。
……まぁ私には何の感慨もないのでさっさと宝箱を開けて中身を確認する。
パカッ。
「………これは、鍵か?」
あったのは金細工が美しい鍵であった。
ダンジョンで見つけた鍵は、いずれ重要なアイテムになる可能性が高い筈だ。
ならこれをゲットして、私も相棒とポンコツとオマケ達と合流するとしょうか。
そう考えて鍵を手に取った時であった。
『エラー発生。エラー発生。ダンジョン【機兵軍の地下アジト】にて、ダンジョン五階のボス、マシンナリーゴーレムとの戦闘にて反則行為が確認されました。早急に対処を行います。早急に対処を行います』
……これは、どういう事だ?。
相棒達が何かやったのか……しかし反則行為?相棒にしろオマケ達にしろそんな真似が出来る能力何て持っている訳が……。
「そう言えばこのダンジョンってシステムがバグってたな……」
ならこれもその影響の可能性が高いな。
しかしそれなら……マズイな。
反則行為の対するペナルティは基本的に最下層のボスモンスターの下位レプリカとの強制戦闘だった筈だ。
今の相棒とパーティーメンバーでは弱体化されたレプリカでも普通に死ねるレベルの強さだ。
私もウカウカしていられなくなったな。
「………仕方ない、少し力を使うか?」
今までの適当なお遊び魔法とかではなくガチの私の能力をな……。
「……ダンジョンの飛行能力の無効化には例外がちゃんとある、それは……スキルや魔法のではなく自分自身の身体を使って飛べれば。問題なく飛べるのさクッ!ハァアアアアアアッ!」
私が気合いを込める。
すると背中に一対の翼が生えた。
相棒が見れば絶対に、ドラゴンの翼だというだろうな。
「私にも翼はあるんだよ、竜翼がな!ハーハッハッハッ!」
しかしここはダンジョンの最下層である、しかし相棒は五階のボス部屋にいるのは分かっている。
………なら、簡単だな。
「ダンジョンの屋根をぶち抜いて行けば必ずたどり着ける!行くぞぉーーーー!」
私は飛翔した。
ボガァアアアアアアンッ!
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