第20話『ダンジョン探索』

「オラオラオラーーーッ!掛かってこいや雑魚ゴーレムがぁあっ!」


俺はインフィニティナイフを鉄バットみたいな物に変えてダンジョンで出会いまくる雑魚ゴーレム達を無双ゲーさながらになぎ倒す。


異世界に来てからずっとしたかった俺ツエエがやっと出来た俺の気分は最高だ。


他の女性連中は黙って俺についてきている、なんだこれ。すごく気分がいいんですけど。


「何故ヤツはあそこまで雑魚だとわかっている敵を追い回しているんだ?」

「倒したゴーレムからお金になりそうな部分を回収する様に言われたんだけど……」

「初めて見たゴーレムね、この手のモンスターってどこがお金になるのかなんて素人にはさっぱりなのよねぇ~」

「……そもそもあの程度の雑魚だと取れる素材もどれだけ需要があるのか怪しいと思うが?」


何やらこそこそと会話をしているが、俺は無双するのに忙しいので無視をする。


ゴーレム達だがしばらくはこちらを発見したら向かって来てたのに、今は俺達を見つけると速攻で逃げる様になってしまった。


おかげで追い掛ける手間が増えて、倒すときに無駄に腕に力が込もってしまうじゃないか。


俺は自分より弱いヤツには容赦も手加減もしない、そしてチート並みに強くなると言う男なのだ。雑魚ゴーレムめ、どいつもこいつ一撃じゃあーーーっ!。


(?………何故かマスターから邪悪な気配を感じます、気のせいですよね)


「オラオラオラッ!俺は俺より弱いヤツにはめっぽう強いぜぇー!」


(気のせいではありませんでしたか……)


このダンジョンは出てくるゴーレムもロボットチックならその内部構造もどこか近未来感があるダンジョンだな。


なんか宇宙船の内部とかを移動してる様な気分だ、俺的には剣と魔法のファンタジー世界に来たのならそこまでSFな要素は……。


いやっモビルなヤツとかならありか?。


「もっもう持てないわぁ~」

「わっ私も……これ結構重いんですけど…」

「二人とも捨てろそんなもの、戦うのにも邪魔にしかならないぞ!」


あっ!せっかくのモンスターの素材を捨てやがって………許さんぞコラァーーッ!。


……そんな事を考えながらも、雑魚ゴーレム達をしばきにしばいて行くと、やがて目の前にバカでかい門が現れた。


「……ハァッ……ハァッ本当にダンジョンってこんな門があるんだな」

「ん?それが普通じゃないんですか?」


ローグライクなゲームなら、それが普通だけどな。

流石にリアルに見上げる程大きな扉とか目の前にすると少しビビるわ。


「……もしかしてこの先って」

「もちろん扉の先にはボスモンスターが待っているぞ?どうした?さっきまでの威勢はどこかに置いてきたのか?」


煽り金ぴかめ……今度は剣だけじゃなくその金ぴかの鎧も剥いでやろうか!?。


しかし今はそんな事は後回しだ、何より俺もボスモンスターと戦う時が来てしまったのだ。


ゲームのイベント的に考えるとここが正念場だと思われるが……。


「やっぱ出てくるモンスターがここまで雑魚ならボスも雑魚じゃないか?いけそうな気がするんだけど」

『マスター、ゲームでもボスのステータスは雑魚よりも遥かに高い事が殆どだと想いますよ?』


なんで軽自動車のプレアがゲームについて詳しいのかも謎だよな。

しかし言う事はその通りだ、ならやはり……。


「プレア、インビジブルアンブレラを出してくれ」

『分かりました』


俺の空いてる左手にはいつの間にか傘が握られていた、今回もコイツに頼る事になりそうだぜ。


「アカシアさんって本当に道具を出したり消したり出来るんですねぇ」

「俺ってよりプレアの能力だけどな」

『しかしその道具の所有者はマスターですから』


そんなん別にどうでもいいよ。


「……それで?その妙な傘で何が出来ると言うんだ?何かするならさっさとしろ」

「…………」


確かにこの世界の人間には俺の傘は妙なデザインなんだろうな、しかし問題はそこじゃない。


問題はこのやたらと上からな女騎士の態度である、俺はインビジブルアンブレラを開いてその能力を発動させた。


すると他の女達は俺の姿を見失う、それがインビジブルアンブレラの能力だからな。


「ッ!?……消えただとっ!?」

「魔力の痕跡もないわよ?」

「気配も……完全に見失いました」


フッフッフッ見たか俺の傘の力を、コイツにを一度差せば誰も俺に気づけなくなるのだ。


俺はインビジブルアンブレラを差したまま金ぴか騎士に近づき……その騎士なのに普通に晒されてる素顔にバットから更に変形させたインフィニティナイフは次は黒のマーカーに変わる。


俺はそのマーカーで金ぴかの頬にカキカキ。


「………金ぴかさん?その頬の文字は」

「何?文字だと……ッ!すまないがどんな文字が書かれている!?」

「私が見ますね?ええっと……ハゲと書いてありますね」

「私のどこをどうみたらハゲだっ!?アカシア、貴様ー姿を現せ卑怯者が!」


ぶちギレ女騎士だな、誰が現れるかよ……とも言ってられないか。


俺は傘を閉じる。

するとその場の全員が俺に注目した。


「……っとこういう能力って訳だ」

「取り敢えず一発殴らせろ…」

『本当に頭の中まで筋肉なんですかこの騎士のニセモノは』

「なんだとっ!?」

「開くだけで姿も気配も一切感じさせない魔法道具マジック・アイテムなんて…」

「魔力の気配も感じなかったわぁ~」


フッフッフッどうやらコイツの凄さが分かった様だな!。


「そうさっつまりコイツを上手いこと使ってボス部屋に侵入し、無防備なボスに必殺の一撃をかまして楽してボスを倒そうって訳だ!」


「「「『……………………………』」」」


なっ何で冷たい視線を向けてくるんだよ。


◇◇◇


そして初のボス戦って事でいい加減連携とかを話し合い、最終的に1度ボスの姿を見てから決めようってなった。


大きな扉だけど少しだけ押すと開いた。


中を見る。


「………あれもゴーレムだよな?大分デカイけど」

「見た目はパワータイプに見えるが……」

『あのゴーレムなら隠してある武器もありそうですね、マスター』

「私の魔法、効くかしらぁ…」

「大丈夫ですよ、私の剣で守るわ!」


レイナの剣とかあのゴーレムに比べたら爪楊枝つまようじじゃねぇかよ。

部屋の中にいたゴーレムは一体だった、しかし背丈は3メートルはあるし腕も足も長くて太い。


あれが遠距離武器とか使ってきたらファンタジー世界的にNGなチートゴーレムだよな。


………まっ何もさせずに倒す気マンマンだけどな。


俺は傘を広げる、その前に三人にはおれのリーマンスーツの端っこを握ってもらっているので三人にもインビジブルアンブレラの効果が適用される筈だ。


扉をもう少し開けてコソコソと侵入を果たす俺達だ。


ゴーレムは全く効いてない気にも止めずに部屋の中央で突っ立っている。


本当にこんなにあっさり入り込めていいのかよって思わないでもないが、そこがある意味リアルなんだよ。


ゲームと違って裏をかくのに限度がないからな。

俺達はコソコソと決めた作戦の確認をする。


「………よしっ作戦は覚えているな?」

「作戦もなにも、私と剣士の冒険者が一気に攻めて魔導師の冒険者と貴様が遠距離から攻撃するだけじゃないか」

「……確かに作戦って程のものではありませんよね、けどアカシアさんも魔法で攻撃出来るんですね」

「……まっまぁな…」

「ん?アカシアさんって魔力があんまりないから魔導師だとは思わなかったわぁ」


うるせぇよ魔法とか使えねぇよバカ。


けど、まぁこのインフィニティナイフがあれば何とか何のさ。

そして距離も一定の所まで来たことだし……。


「………始めるか!」










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