第19話『ダンジョンに挑む』
キィイイイイイイイイイイイイイイイイッ!。
ユーレシアの魔法か何かで地層からのぞくダンジョンに強制突入させられた。
俺はプレアが急ブレーキで止まると速攻で飛び出して地層の方に走る。
「………………ッ!」
当たり前だが俺達をここに突入させたあのバカメイドは当の自分にその魔法をかける余裕はなかったのか既にその姿は地割れによって生まれた裂け目の闇に消えてしまっている。
……本当に、あのバカは何をやってるんだよ。
無言の俺の後ろで冒険者二人や金ぴか騎士もプレアからおりてくる。
「そっそんな、あのとんでもないメイドさんが……」
「………………私達を助けて?」
「……まさかヤツに助けられるとはな…」
あのハプニングを受けても他人の事を気にかける辺り、人がいい連中だ。
正直俺も頭の中が混乱している、しかしここで呆然としている余裕は………俺達にはない。
「プレア、ここはダンジョンだよな?」
『はいっまぁこの『迷宮大陸』そのものがダンジョンなのですが……』
「まぁなっそれで?ぶっちゃけこの場所について何かで情報があるヤツはいるか?レイナ、フリーネ、金ぴ……女騎士、ここはどんなダンジョン何だ?」
俺はここがダンジョンならこの『迷宮大陸』で活動している冒険者やその真上で偉そうにしている騎士なら何かで情報はないかと尋ねる。
もしも危険なダンジョンなら何かしら情報があったりするかもと言う淡い期待だ。
「……この様な異様なダンジョンは私は聞いた事がない。それと私の名前はブランニーシャ=セイル=マーシャルルだ!その金ぴかと言うのを辞めろ!まるで私が成金みたいではないか!」
「………違うのか!」
「ちっ違う!違うぞっ!?騎士の称号も実力だ!なっなんだそこの冒険者二人!私を可哀想な目でなんで見ているんだ!?」
それは今までの言動で本物の騎士ではなくただの騎士のコスプレ女認定されているからじゃないかな?。
そしてレイナとフリーネも意見を言う。
「私達も冒険者になって半年も経っていないのであまりその手の情報はないんです……」
「けどぉ、こんな変わったダンジョンが冒険者の街から半日も掛からない場所にあるんなら、絶対に噂になっている筈だわ~」
「……つまりこのダンジョンは、今まさに現れたダンジョンって可能性が高いのか?」
「……はいっつまり、このダンジョンについて我々は何の情報も持ってないと言う訳です、そしてそれはダンジョン攻略において自殺行為に等しいものです、アカシアさん」
レイナは自分達がどれだけ危険な状況か理解している様だな。
流石にゲーム見たいに適当に特攻して死んで攻略の糸口を見つけろか冗談じゃない、そして俺はパーティーリーダーとして1つの決断をする。
「………お前ら少し聞いてくれ」
その場にいる三人と一台がこちらを見る。
………ん?プレアさん?まさかお前、自分だけで動けるのか?。
いっいや、今はシリアスな場面だ、緊張感を持って話すぞ。
「……恐らくだがこのダンジョンは地下に行けば行くほど広がる蟻の巣見たいな感じに近い構造だと俺は思っている、だから下に行けば道が複雑になり敵が強くなって行くってパターンだと思うんだ」
「……私もそう思うんわぁ、もしかしたら一定の階層毎にボス部屋があるかも知れないわぁ」
「………私達も冒険者としてここで活躍してきました、ダンジョンにはその様な構造をしているものが多いですから間違っていないと思います」
「………つまりあのメイドを助けにいくのは至難の業と言う訳だな……」
金ぴか騎士のくせに助けに行く気でいるらしい、簀巻きにされたりしたのに、恐らく根はいいヤツなのかもな。
………けどな。
「その事だけどな、俺達は上に向かって。ダンジョンから脱出する」
それが俺の答えである。
「………貴様、本気なのか?」
「アカシアさん……」
「……もしかして私達がいるからですか?」
それぞれの反応とフリーネからは正解が出た。
その通りだよ。人様の命を背負ってるのが冒険者のリーダーだ、ここで1人の為に三人を危険に晒す真似は出来ない。
異世界でも流石に命は1つだろうからな。
「……そうだ、流れで適当に決まったとは言え、俺はおたくらの命を預かっているんだ……」
「けどっ!それじゃあユーレシアさんが!仲間なんでしょう!?」
「私達も御荷物になる為にパーティーを組んだんじゃありませんよ?」
「騎士が借りも返さないで見捨てる様な真似が出来るか!」
……うーん、コイツら何か勘違いしてるな。
あの時、あのバカメイドは指先を上に向けて俺に言ったのだ。
「このダンジョンは上に向かえば出口があるからそこに向かえ。私も直ぐに追い付く……」
ってな!。
「……えっと、つまりあのメイドさんは生きてると言うの?」
「そうだよ」
根拠はない、だが確信しているのさ。
「あの高さから飛行系の魔法が使えないのにか?」
「アイツはあの高さから地面に叩きつけられても死なないよ」
何故ならヤツはチートなサイヤ人みたいなメイドだからな。
「……二人は、それだけ信頼しあっているんですね……」
「信頼?違う違う、だってアイツとあってから2日しか経ってないもん。ただあのバカを客観的に見た結果として……」
俺は三人を見ながら、しっかりとした口調で話す。
「アイツは自分がマジでヤバい時は絶対に他人を助けたりしない。速攻且つ無言で見捨てて逃げると言う選択をする、あのバカメイドはそう言うヤツだと俺は信じてるのさ!」
何故なら………俺がそうだからなぁーーっ!。
だったら何かと俺に近しい感性のあのメイドもそんな感じだろう。間違いないわうんうんっ。
「「「…………………………」」」
……何故か、俺がろくでなしに見られてる視線を感じるぞ、バカなこれはユーレシアのヤツがろくでなしって話だろ!?。
「いっ言っとくけど、ユーレシアのヤツは本当にそれくらい自分勝手で適当でワガママなヤツ何だからな!?おいっ!金ぴか!お前もアイツに土下座させられたお城組の1人だろ!?」
『……マスター、それ以上言葉を続けると続けるだけ周囲からの評価が下がっていきますよ?』
なんでだよ。
納得行かないが、俺達はこれから協力してダンジョンから脱出しなければ行けないからな。
ここは俺が下手に出るしかない。納得いかないがな。
……何で俺が年下の。
『早く弁明をしてくださいマスター』
それから俺はなんとかかんとかっと、心にもないことを言ったりしてすかしてなだめた。
そして俺は……疲れた。
もうめんどくさいわぁ~、いいからさっさと人の壁になって俺を守れよぉ~。
そんな言葉を言えればどれだけストレスフリーで生きていけるだろうかと思うね。
最低だと言うのは分かる。
「………っと言うわけで俺達はダンジョンから上手いこと脱出するなりしてあのバカメイドが自力で脱出するのを待つぞ!」
「………分かりました、リーダーは貴方ですから従います」
「むぅ~分かったわぁ」
「………………」
「…っあ、けどしばらく待っても来なかったら先に冒険者の街に行くけどな」
『………マスター、それはいくら何でも』
「アカシアさん、率直に言って最低よ」
「最低ねぇ~」
「恐ろしいまでに……最低だな」
まっ待っても来なかったらって言ってんだろうが!。
最低と言う方が最低なんだよ!バーカ。
そして俺達はギクシャクしながらもダンジョン探索に乗り出した。
何気にこれが初めてのロープレ的なイベントだ。
街を爆走とか城の偉いヤツラを土下座とか、そんなの俺が求めてる王道なイベントじゃないんだよ。
「………来たな、あれはゴーレムか?」
プレアはダンジョンでの移動には向かないので退場してもらい(本人からは凄い反対された)、歩きで進む事しばらく。
速攻でモンスターとエンカウントした、流石はダンジョンの中に存在するダンジョンである。
現れたモンスターはおそらくゲームで言うところのゴーレムって名前のモンスターだろう。
何故におそらくなのかと言うと、ゲームでは土と岩で出来たので無骨な巨人ってイメージなのが、コイツは近未来のハイテクロボットをそれっぽくデザインしたシャープなゴーレムだからだ。
背丈とか中学生くらいか?腕とか両足もずんぐりしてないし、あれで自然な動きが出来れば完全にSF映画の戦闘用ロボットだ。
ちなみに武装の類いはない、まさか腕や背中からガシャガシャンって出したりしないだろうな?
「……所見の相手なら私が前に出る!」
「いえっここは私が……」
連携も何もないな。
俺は無言でインフィニティナイフをポケットから取り出す。
『……………ッギギ!』
するとゴーレムだかロボットたがは当たり前の様に俺に突撃してきた。
マジかよ。まさか俺が一番弱そうだからとかじゃないだろうな狙った理由。
咄嗟にビビった俺はいまいち腰が入ってない感じで蹴りをかました。
バゴンッ!。
ガラガラガッシャーンッ!。
するとゴーレムはショボい一撃でバラバラのパーツに分かれてしまった。
「…………一撃じゃん」
あれっ?このダンジョン。
意外にチョロくね?。
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