第3話『報酬の美人メイド』
目の前に蒼い色の髪をした凄まじく美人で巨乳なメイドが現れた。
ちなみに年齢は若い、女子高生くらいにしか見えない。そして瞳の色も蒼い、カラコン?いやっ違うみたいだ。
そしてやたらと態度がでかそうな雰囲気を感じる、ここまで偉そうでガサツそうな美少女はちょっと今までお目にかかった事がない俺だ。
俺は頭がおかしくなったのか?いやっ鈴木ゾンビとのバトルの時点でおかしいのはおかしいんだが。
手元を見る、すると指輪がない。
まさか目の前の謎メイドはあの指輪が変化したとでも言うのか?んなバカな。
とっ取り敢えず、挨拶をする。
「こっこんにちわっで良いのか?あの、おたくは一体誰なんだ?この真っ白な空間についてとか知ってるのか?」
俺の質問に謎メイドことユーレシアとやらはは口の端をつり上げながら笑う、折角の美人な顔を台無しにする攻撃的な笑みだ。
「勿論知ってるさぁ、まぁお前さんがここに来た理由とかは知らんけどな、ここはいわゆる試練の領域。世界と世界の狭間にあって世界を越えて別の世界に渡ろうとする者に、その世界で生きる為に必要な最低限の力や特別な能力を与える場所だ」
何かもの凄い中二な言葉のマシンガンに一瞬立ち眩みに襲われた。
「せっ世界と世界の狭間?さっきのチュートリアルとかってのもそうだけど、本当に異世界の行かされるのか?」
「行かされるな、間違いなく。本来ならお前さんは問答無用で元いた世界とは別の世界に転移していたんだぞ?しかしマンガやラノベならともかく本当にそんな目にただの人間が会えばどうなると思う?」
「どうって……」
そりゃあ主人公補正がない時点でほぼ即死が確定じゃないのか?集団で異世界転移したけど直ぐにモンスターとかの襲撃に会って早々に死んでしまうモブとか。
「俺がよく読んでいたラノベ見たいな世界なら普通に一般人とかはあっさり死ぬんじゃないか?余程ご都合主義がなくちゃなあ…」
「その通りさ、実はお前さんがいたあの星でもわりと人間が世界を越えるって現象は起こってるんだ、しかしその大半は残念ながら異世界転移しても数日でその殆どが死亡してるのさ」
「まっマジかよ……」
異世界に抱くファンタジーな想像が、音を立てて崩れて行く。
俺だってああいうのに惹かれた時代があったので感慨深いと言うかなんと言うか………。
「そ、こ、で!そんな現状を憂いた数多の世界を管理するとある存在が世界と世界の狭間にこのチュートリアルを行う場所をいくつも創ったんだ。お前さんがいた国で言えば神隠しだな、それにあったヤツはここに落ちてきて自身がとばされる世界に合わせた敵と戦うチュートリアルをする事になるのさ」
「戦うって負けたら俺はどうなってたんだよ」
「ん?そりゃあ負けたら異世界に行っても死ぬだけだし、仕方ないから元の世界に……っあ」
……え?嘘だろ?負けてたら普通に帰れてたの俺?嘘だと言って……。
「ちょっおま、ふざけんなよ!?こっちとら大嫌いとは言え人を1人殺してんだぞ!?」
「安心しろ。あれはチュートリアルを円滑に進めるために作られたダミーのモンスターだ。殺意がよく湧くようにここに来た人間が最も嫌いな人間をモデルにした化け物が召喚される様になっているんだなこれが!」
「いるんだなこれが!じゃねぇよ!」
見知らぬ美人だが謎過ぎるメイドにもタメ口が溢れてしまう。余裕とかがない証拠だよくそ。
……けど人殺しになってなくてよかったぁ!マジでムカつくカス野郎だがやはりあれだ、殺すのはなぁって感じみたいな?。とっとにかく気持ちが楽になった。
「勿論いきなりのチュートリアルを突破した奴等には報酬もあるぞ?お前さんの世界の本に書かれてるチートとかってヤツが近いな、まぁあの宝箱から何が出るかは本人の運命力次第で…って言ってもわかんないよな?」
おうっ全く分からんな。運命力?なにそれ。
「まっまぁとにかくそのナイフもかなり使える代物さ、だが!何よりこのユーレシア様と対等な契約を結べる異界契約の指輪をゲット出来た事は誇っていいぞ!」
そっそうなの?俺はスマホゲーのガチャで最高レアの当たりを引いたのか?。
「あの指輪は本来なら1人ボッチで異世界に行く事になる筈だったお前さんに同行してくれるパートナーを捜して、契約して、召喚までしてくれる全自動お任せサモンアイテムだ。お前さん見たいな超常の存在との契約なんてしたことがない素人さんにも安全で安心な契約を勝手にしてくれると言う親切心に溢れた一品だ!」
契約の素人って……サラリーマンを捕まえて、この野郎。ちょっと胸がでかくて可愛いからってふざけんなや。
「そんなチート過ぎるアイテムのお陰でこの私の様なスーパーチートな超絶美少女な存在がお前さんの異世界での生活をサポートする事になりました!どうだまいったか!」
まいってねぇよ、……え?ちょっと待てよ、コイツ。
「は?やっぱ俺についてくるつもりなのかおたくは?いきなり契約とかも意味分からんし」
「小さい事は気にするな」
「ちいさくねぇから!」
それから俺達ポンコツはワチャワチャしながらも話を色々とした。
まぁゲームの話でもしてるんですか?って内容が大半だった事だけは確かだったな。
そしてやっとこの真っ白な謎空間からの脱出方法が判明した。
「……ほっ本当に、この車で真っ直ぐ走るだけでそのゲーム見たいな異世界とやらに行けんのか?」
「その通りだ」
この謎メイドの言葉によると、俺が行く事になる異世界とやらはいわゆる剣と魔法のファンタジーな世界、ゲームみたいな世界とかってラノベでは言われてる世界だ。
何でもロープレゲームでの経験値とレベルアップのシステムが実装されてる世界だとか、そんなの完全にラノベワールドじゃん。
その世界に行く為の方法はただの歩くか車に乗って進むかすれば勝手に到着するだとか。
「あっそうだ、あの鈴木ゾンビにビビって車で逃げた時によ、いきなり目の前に鈴木ゾンビが現れたんだけどさ、あれは何でなのか知ってたりするか?」
「ん?詳しくは分からないけど、チュートリアル途中ならこの空間は繋がってあるからどこまで行っても直ぐにスタート地点のチュートリアルエリアにとばされるぞ?」
「……なるほど」
どうやら俺が鈴木ゾンビを倒せたのは完全に運が良かったらしい。
まぁ倒したってのも此方が厚かましい考えでしかない、ありゃただの事故である。
とにもかくにも俺達は自力で異世界に行こうと言う事で俺の操る黒の軽自動車(ブラック企業戦士の頃からの通勤時の相棒)に乗りこんでいる。
となりには当たり前の様にいる巨乳美少女メイドがニヤニヤと此方を見ている、一体何が可笑しいと言うのか。
……それにしてもこのメイド服……エロいな。
スカートは短かくて太ももが丸見えだし、上は胸の谷間がこんにちは。こんなのにとなりに居座られたら三十路野郎でも緊張する。
「アクセルは全快でいいぞ相棒。かっ飛ばすがいいぞ!」
「はぁっわかったよ!行くぞぉ異世界とやらに!」
頼むぜ我が愛車、黒の軽自動車!
思いっきりアクセルを踏む、ショボいエンジンを積んでるのでスタートダッシュは苦手な我が愛車が動き出した。
スピードを上げていく。
どんどん上げていく。
やがて高速道路くらいを運転する速度くらいまで出したときである。
車から見える景色が真っ白からまばゆく輝く群青の青い光で満たされた。
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