第13話お○にーとs○x

 それで翌日。冴子の巨大な胸の中で僕は目覚めた。

「んっ!12時か」


 正直言って何も浮かばない。そういえば、僕はぼっち歴33年だが、ほとんど右手が恋人だった。そんな時日本でセックスよりマスターベーションの方が気持ちいいと聞いたことはあるが、そうでもなかった。


 すやすやと天使の笑みをしたまま寝ている冴子を見て思う。


 なんというか、セックスとマスターベーションは種目が違う。自分の好きなシチュエーションを想像できるマスターベーションの方がオーガニズムが感じられることは確かだが、しかし、sexはそれとは違う。


 お互いの感覚を感じながら感応(かんおう)の高みに谷へ高まるさまは、やはり一人の気持ちよさとは違う。


 今日コンテンツがたくさんあって、複数人用のゲームプレイが求められるコンテンツとかもあるが、やっぱりそういうのとは違う。


 お互いの体温を感じながら、相手が喜ぶ行動をとって、それがうまくハマった時のあの喜び用。どちらも官能の谷へと登る様は正直言って一人のマスターベーションとは全くの別物だ。


 だから、オーガニズムでセックストマスターベーションを同列に置いた場合、初心者ではやはりマスターベーションの方が気持ちいのは確かだ。


 Sexは相手も喜ばせるから、それとは全く違う、もっと濃密な愛の行為だ。


 そう思った時、なぜ日本でこれだけsexが猥褻(わいせつ)なものと言われているのは、多分日本人はsexをしたことがないんだろうな、と思う。


 女性も知らない、男性も知らない。マスターベーションかレイプしかしていないから、セックスを猥褻だと思いがちだけど、僕が経験したsexはもっとこう清らかなものだった。


 当たり前だが、sexは二人の信頼がないとできない。そういう信頼している関係の行為が清くないはずがない。

 そう、つれづれに思ってしまう。


「ん」

 その時、冴子が起きた。


「おはよう」

「おはよう」

 僕は笑顔で答えた。


「いやー、しかし、ただれた性を謳歌(おうか)してますなぁ、僕ら」

 それに冴子はクスリと笑った。

「なーに?いきなり?」


 冴子の裸を見る。やはり目に行くのは前方の巨大なメロン胸。これはやるっきゃないでしょう。

 僕は冴子に覆いかぶさった。


「キャ!」

 冴子が小鳥の悲鳴を上げるそのままキスをしてブドウを揉んだ。

 冴子は微かに嬌声(きょうせい)を上げる。メロンを丹念になめる。


「ちょ、ちょっとぉ・・・・」

 僕は冴子の目を見る。その目には驚きがあった。


「今は嫌かい?冴子」

 僕は冴子の股間を弄って(まさぐって)いった。


 冴子は時雨の表情で顔を背ける。


「べ、別に嫌じゃないけど・・・・・・・」

 なんか、今日はノリが悪いな。やめておくか。

 僕は冴子から体を離し、着替え始めた。


「え?やらないの?」

「やって欲しかったか?」


 それに冴子はプリズムの笑みをした。


「いいえ、別に。私もそんなに乗り気じゃなかったし」

「ん、そうか」


 確かに少しだけ冴子の顔には官能の期待があったが、そこまで強く望んでいるような表情ではなかった。冴子としてはどちらに転んでもよかったんだろう。


 だけど、僕はしなかった。やっぱり、こういうのはお互いが高まった時にしないとな。

「もう昼だね。なんか作ろうか?」

 冴子は驚く表情をする。


「慎吾くん、料理できるの!?」

「まあね、嗜む(たしなむ)程度に」

 冴子は牡丹(ぼたん)の表情で言った。


「すごいね」

「いや、それほどでも。それより、冷蔵庫に何かある?」


「うーん、ベーコンがあるでしょう、キャベツの残りがあるでしょう。あと、ニンニクとか?」


「唐辛子とパスタはある?」

「あるよ。ああ、わかった!ペペロンチーノ作ろうとしているんでしょう?オリーブオイルもあるよ」

 そう、ニコニコ顔で冴子は言った。僕は頷く。


「ちょっと待っていてね」

 冴子は好奇心の強い狐の表情でいった。


「私も手伝おうか?」

「うん、お願い。キャベツ切ってくれる?」

 冴子はにっこり笑った

「うん。わかったよ!」

「うん、期待してるよ。それより、なにか着なよ。もう、夏じゃないしな」

 それに、デレッと冴子は笑った。

「そうだね」


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