第12話 大物冴子 サービスあり

 味噌汁を啜る(すする)、本当に美味いな、これ。

 冴子といるとついついエロトークをしてしまうが、これだけは聞いておきたかった。

 コホンと咳払いをする。


「なあ、冴子」

「はい」


 冴子も僕のように何かあるというか、あのことを聞くのだろうと思って、黒い闇の力の靄(もや)を身に帯びた。


「君が、『無双勇者』の作者というのは本当か?」

「はい」

 それにコクリと冴子はうなずいた。


「10月10日と20日に『無双勇者』完結記念サイン会を東京と大阪で開きます。疑っているのなら、そちらに出ます?」


「いや、大丈夫。実は無双勇者の作者、弓弦先生の画像を見たが、君だったね」

 コクリと冴子はうなずいた。


「いや、巷じゃあ、美少女作家と言われていてかなり話題になっていたね。僕は初めて知ったけど」

 冴子はアサリの笑みを浮かべた。


「知らなかったんですか?」

「ああ。そういう芸能の情報は興味がなかったから」

 冴子はふむふむとした表情をした。


「そして、今の恋人が大物作家だということを知って、びっくりしているんですか?」

「いや、そんなことはないけど?」

 頭を振って否定する。


 冴子は小悪魔な表情を浮かべた。


「本当ですか〜?」

「ああ」


「今なら、土下座したら足の指舐めさせてあげますよ?」

 それに鼻でフンと笑う。


「しねーよ」


「あ、それとも慎吾くんの場合は鞭の方が良かったかな?」

「東堂冴子。さては貴様サドだな!」


 一応ポーズを取って言ってみた。

 それに二人とも図ったかのようにクスリと同時に笑った。


「はっはっは!いやー、慎吾くん面白いなー」

「冴子もね。それともあれは本心!?」


「なわけないでしょー!」


 また二人とも爆笑する。


 それから冴子は居住まいを正した。


「本当に私が、無双勇者の作者、弓弦であることに、葛藤というか、驚きはないの?」

 それに僕は即答をする。


「ないね。君がどれだけ売れものの先生とはいえど、というか、小説家に先生という使われ方はしたくないし、先生という言葉は嫌いだけど、いや、嫌いだからこそ、君がどれだけ大物かなんか関係がない。例え君が僕がリスペクトする小説家としても、僕らは恋人同士なんだから、対等に接するね」


 それに冴子はふんふんと頷いていた

「なるほど、なるほど」


「カレンは大物扱いしてくれなくて不満かい?」


 それにカレンはブンブンと首を横に振った。


「私は今のままでいいです。なんか大物先生という扱いは、別に普通の人ならいいんですけど、慎吾くんの言った通り、私たち恋人同士で、恋人同士なら対等なのがいいです。それに・・・・・」


「それに?」


 冴子の顔に霧雨(きりさめ)がかかる。


「あんまり、過剰に持ち上げてくれる人って好きじゃなくて、慎吾くんがそういう人じゃないということに今は安心をしています」


「なるほどね」

 僕は頷いた。 


「ああ、ところで、今日も一緒に寝ようか?冴子」

 それに冴子はコクコク頷く。


「慎吾くんのあそことても大きくてクセになります。また私にミルクをください」


「わかった、わかったきれいに洗ってあげるからな」

 冴子は白いガーベラの笑みをした。

「はい」

 その後食事が終わり、お風呂に入って1日に家事を済ませた僕らはベッドでお互いの愛を確かめ合った。


 僕の大きなあれで、冴子の小さな口に入るのかと思ったが、そんなのは杞憂(きゆう)だった。丸ごと飲み込み、喉であそこを何度もしごいて、俺のあそこは特大のミルクを冴子に発射した。


 その全てを飲み込み、恍惚(こうこつ)とした表情はまさにビッチだった。



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