第8話あまりにもリリス的な誘惑
リビングで、ソファーに体を預けながら、冴子が読んでいた『赤と黒』を読んでいる。
本来夜は自分が好きな小説を読みながらまったりと過ごすのだが、今日は時間がなかったので、冴子が読み終えた上巻を借りて読んでいた。
冴子は本当に素晴らしい子だよな。
普通、自分の小説を人には貸さない。僕にはよくわけがわからないことだが、あまり自分の本とか人に普通に貸す人はあんまりいない。特に女性が男性に対してその傾向が強い。
それなのに自分の本を男性に貸すなんて、たいした女性だよ。
だが、あまりにできすぎていて、冴子が犯罪集団の一味であると言う考えは否定できない。
まあ、無職の僕からすれば、そんなに貯金もなく、別にいいんだが。
ガチャリ。
「慎吾くん、お風呂空きましたよ」
「わかった」
立ち上がって、声のした方向に目を向ける。
そこにはダボダボの白のTシャツを着た冴子が、髪をバスタオルで拭きながら行ってきたのだ。そして、冴子の体臭とシャンプーの匂いが、いい匂い、と言う陳腐な言葉よりも、リリスの誘惑、と言った圧倒的肉感的な誘惑の、甘い甘い蜜の匂いと言う言葉がしっくりくる。
しかも、冴子の身長は高い。165あるから、いくら大きめの男物のTシャツといえど、かなり太ももが見えてしまう。
だが、冴子は、(いや、真のリリス的と言うべきか)そんなことつゆ知らず、無邪気な笑顔でにっこりと笑って言ったのだ。
僕はちょっと立ちくらみをしていたが、冴子の横を通り過ぎて、そのまま脱衣所に向かおうとした。
だが、冴子の真横に行った時に立ち止まった。
「なあ」
「はい」
冴子は聖母の微笑みで僕を見つめ返す。それがあまりにも蠱惑的(こわくてき)だったので・・・・・
「いや、なんでもない」
僕はすぐ顔を背けた。
冴子はちょっと怒ったように聞き返した。
「なんですか?なんでもない、って。ちゃんと言ってください!」
「い、いや、なんでもないんだって!」
冴子はずいっと僕の体ににじり寄る。僕はあとさずりをして、それがいくつか繰り替えしたあと、僕の体は壁にぶつかった。
冴子はまたにじり寄ろうとするが、スッと身を離した。
「冴子?」
冴子は悲しげな表情をして言った。
「そんなに私、魅力がないですか?」
「いや、そんなことないけど?」
僕はわけがわからずききかえす。しかし、冴子の顔は寂しげだった。
「私、自分の体や性格には自信があったんですが、そう言わないでおいたら私に魅力がないのかな?と思って」
「あー」
コホンと、咳をして僕は言った。
「さっき僕が言おうとしたことを言おう。よく聞いてくれ」
冴子は神妙(しんみょう)な顔をしてうなずいた。
「はい」
「冴子。キスをしよう。と言うのが僕の言いたかった言葉なんだ」
それに冴子が驚く表情をする。
「どうして言わなかったの?」
「ああ、それね」
僕は一筋の汗が流れるのを感じながら言った。
「したら、そのまま本番に持っていってしまいそうになるくらい君が魅力的だったから」
冴子は目をしばしばさせた。
僕はスッと冴子の横を通り過ぎる。
「お風呂に入るから出たら、めちゃくちゃやろう」
それに冴子はうなずいた。
「はい」
それからシャワーを浴びてあそこを入念に洗って、体も入念に洗って、心身をリラックス流するために湯船に浸かりつつも、あんまり待たせちゃ冴子にかわいそうかな?女性ってこう言うのに敏感だったりするし、何より彼女はビッチだからやりたくてたまらないのではないだろうか?
と思って、そこそこで出て、バスタオルで体を拭き、もう用意されていた寝巻きを着替えて、寝室に向かった。
寝室はシングルベッドと、そして、やはり本棚が置かれてあった。
シングルベッドは、横幅が大人の男性がぴったりと肩をくっつけて2人分と縦長が2メートル半ぐらい、そんなに大きいと言う印象を与えなかった。
それよりも、シングルベッドを囲うように置かれた本棚が印象が強く、きっちり整理整頓されているが、ここがなんの部屋かといえば、ほとんどの人は書庫と言っても差し支えがないくらいのかなり本に支配された場所だった。
その部屋で暖色系のつけた光の下、冴子は我慢ができなかったのか、胸と秘所を手と指でいじっていた。
「慎吾くん」
トロンとした表情で冴子はいう。
「来て」
僕は迷いなく冴子に覆いかぶさり、メロンを吸いまくり、スライムに対して槍を何度も打ち込んだ。
そして・・・・・・・・。
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