第7話冴子はヤンデレ?

 夕食は昨日のうちに作っておいた肉じゃがを温めると言うことで、僕たちは味噌汁を作ることにした。

 出しは僕が取って、冴子には野菜を切ってもらった。そして・・・・・。

「どうだ?」


 出来上がった味噌汁を冴子に味見してもらう。冴子はお玉で小皿にほんの少し、味噌汁を入れて飲む。冴子が頷く。


「うん。おいしいです」

「そうか」

 ほっと胸を撫で下ろす。


「じゃあ、肉じゃが温めますね」

「ああ」


 肉じゃがも温め、ご飯も炊き上がり。早速夕食を食べることにした。


「いただきます」

「いただきます」


 肉じゃがのジャガイモを一口いただく。それは・・・・・。


「うまい」

「本当ですか?」

 冴子が喜びを隠しきれず、喜びが顔から溢れ(あふれ)出たように笑っていた。


「うまい、うまい。これ本当においしいよ」

「やったー!」

 冴子は子供のように笑った後、味噌汁を一口つけた。


「これもすごくおいしいです」


「わかめがあってよかったよ。わかめがあるのとないとではだいぶ違うからね」


 それに冴子はシルクの笑みをした。


「本当にあなたを招いてよかった」

「そうだよ。2度しか会っていない人をうちに招くなんて、冴子はよっぽど大胆だね」


 冴子は葛切り(くずきり)の笑みをする。


「ええ、だって私、あなたの小説を読んですっかりファンになりましたから。あなたとだったら抱かれてもいい。ううん、あなたと結婚したいんです」


「まあまあ」

 僕は手で制した。


「sex云々はいいとしても、結婚は時期早尚だ。色々と生活についての相性があるからね。結婚は一旦、置いておこう」


 それに冴子は笑顔でうなずいた。


「はい」


 なんか、可愛い、とか言う前に、彼女と別れ話を切り出したら刺されそうだな。いきなり結婚とか怖すぎる。

 そう思いつつご飯を口に運んだ。

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