序章 archive

「登場キャラクター紹介&世界観用語解説」


 ※序章時点で明らかにしていいキャラクターの設定、世界観の紹介&解説です。

 ストーリーが進むごとに設定が分厚くなっていくので読んでおくと更に面白い。

(読まなくても大丈夫なはず)



【騎士寮で暮らす騎士たち】


舞咲未来まいさきみらい

 15歳、聖王騎士団に所属する騎士。

 本編開始時点では六名しかいない第一階級のひとり、その活躍っぷりと完璧な振る舞いから理想的な騎士であることを示す「最優」の称号で呼ばれることもある少女。

 騎士としては異例の10歳で騎士団に所属した、扱う神技共に不明な点が多い。

 自他共に認める完璧な騎士……のフリをしている天然、残念美少女。

 三度の飯(大量)と睡眠が好き、善性な性格だがあまり自分の頭で考えない。

 容姿……長い金髪に翡翠色の瞳、身長150㎝


『オクティナ』

 人間に殺されかけていた10歳の未来を助けた自称「神」で、人を襲い騎士と敵対している種族である神々と自分は同じものだと語るものの、肉体と記憶がなく、人語を解すというなぞの存在、黄金色の光。

 未来の心臓(魂)に宿っていて、感覚を共有しており彼女の体の主導権を預かって戦うこともあるが、最近ではオクティナの意識だけが眠っていることも多く不思議がられている。

 性格的には世話焼きで、未来に振り回されることが多い、女性と思われる。



朝川忠明あさかわただあき

 18歳、竜王騎士団に所属する騎士。

 第一階級であり最優の称号を持っている、未来が目標としている騎士。

 竜に乗らせたら右に出る者がいない、戦場だろうが何処だろうが騎士として完璧な仕事をする青年。

 素の性格は気分屋で共に寮で暮らす幼馴染たちに対しては口が悪い、仕事と日常とを分けているタイプ。

 子ども好きで料理上手なため、騎士寮のちびっ子たちから大人気。

 未来と過去に何らかの約束をしたようだが?

 容姿……やや猫っ毛な茶髪、真紫の瞳、身長175㎝


『イカヅチ』

 忠明の相棒、飛竜の一種で金色に輝く鱗を持つ、性別はメス。

 気に入った者しか乗せないお転婆で、基本的に忠明の言うことしか聞かない。

 未来のことも気に入っている様子。

 外見特徴……金色の鱗、赤い瞳


桐谷雄大きりたにゆうだい

 19歳、聖王騎士団に所属する騎士。

 第一階級で聖剣に選ばれた騎士、次期聖王候補である青年、未来とは所属が同じで、彼女の先輩でもある。

 騎士寮生たちの「兄」でみんなの相談役。

 物腰柔らかで温和、人からも騎士からも老若男女問わずに好かれるので交友関係が広い。才能に溢れ将来有望な騎士として人からも騎士からも期待されている。

 容姿……癖のない灰色の髪と瞳、身長177㎝


天宮恵一あまみやけいいち

 18歳、冥王騎士団に所属する騎士。

 第一階級で冥王騎士として「人に言えない」仕事をしている、裏方担当の青年。

 いつもヘラヘラとしているが不真面目では無い、冥王騎士団長の義理の弟でもある。

 騎士寮では忠明と特に仲が良く、幼馴染たちを揶揄ったりして遊んでいるが、たまに的確な助言をくれる、詩音には頭が上がらない事情があるようだ。

 容姿……黒髪に夜色の瞳、身長175㎝


久世詩音くぜしおん

 18歳、医療騎士団に所属する騎士。

 第一階級、医療術と呼ばれる特別な精霊術式を扱うことが出来る少女。

 双子の姉である詩花と一緒の騎士団に所属しておりマイペースで、姉に頼りがちなところがある。

 考え方はシビア、命のやり取りが続く仕事をこなしながらも弱らない強い心を持つ。

 未来の理解者であり大の仲良し、騎士寮の中で一番安定しているように思える。

 容姿……水色の長髪に空色の瞳、身長160㎝


久世詩花くぜおとは

 18歳、医療騎士団に所属する騎士。

 詩音の双子の姉……だが子どもの頃に体の成長が止まってしまい、妹より身長が低く全体的に小さい、理由は謎で分かっていない。

 騎士寮の現役騎士の中でひとりだけ第二階級に留まっているが、階級よりも身長を抜かされることの方が気になる。

 騎士寮の姉御で、大暴れする幼子たちを叱りつけたり幼馴染たちを統制している、明るく溌剌とした性格。

 妹のことを案じており、放っておけない。

 容姿……妹とは違い肩の辺りで切り揃えている、水色の髪に空色の瞳、身長145㎝


桑原龍海くわばらたつみ

 17歳、精霊騎士団に所属する騎士。

 精霊術式を行使する青年、特別な才能は持たないが、叩き上げの実力で第一階級となった。

 柔らかく優しい性格だが、特に家族である寮生たちのことは特別扱いしている。

 穏やかな性質とは裏腹に大の負けず嫌いで「自分より優れた誰かの隣にいる時が一番頑張れる」という性格。

 誰も死なせたくないという強い意志があり、身を挺して仲間や人間を助けることも多く、頼み事も断らないのであてにされがち。

 騎士寮では弟ポジションだが、未来や幼子たちに対してはお兄ちゃんになれる、と喜んでいる。翔と薫の正式な養子。

 容姿……青い髪に海色の瞳、身長169㎝



【主人公周りの大人たち】


神楽衣薫かぐらぎかおる

 30歳、統合騎士団に所属する騎士。

 騎士寮の寮母でみんなのお母さん、翔の妻。少女のように純粋でありながら、成熟した女性としての魅力も備えた不思議な雰囲気を持つ。

 滅多に怒らないが怒ると本気で怖い、戦闘能力は第一階級に匹敵する。

 人類守護のために神技を行使できない理由があるため戦いには出ず寮母をしているが、かなりこの仕事を気に入っているよう。

 寮生のことを家族のように思いながら、騎士王候補として必要なことを教えている。

 容姿……長い真紅の髪を三つ編みにしている、赤い瞳、身長160㎝前後


神楽衣翔かぐらぎしょう

 30歳、統合騎士団所属、騎士長。

 全ての騎士団を取り纏め、人類軍や人類圏との繋ぎ役もこなす騎士の中のトップ。

 騎士寮を運営していて、寮生を拾ってきたひとで彼らの父。

 書類上正式な子どもとしているのは龍海だけで、妻である薫のことが好きすぎる。

 おちゃらけた性格でありながら仕事中毒で、執務室からはよほどの事がないと出て来ない。

 容姿……騎士として当たり前に容姿が整っている、これといった特徴はないが騎士には必要のない眼鏡をかけている、身長170㎝



【騎士寮の幼子たち】

 四歳から六歳の孤児たち、適性のある騎士団を示す色のリボンを付けている。

 お揃いのシャツとズボンかスカート、お兄ちゃんとお姉ちゃん、そして寮母のことが大好き。

 騎士なので当然ながら神技を使える、戦闘能力も備えているが初陣はまだ。

 十二歳になったら王石柱からの選抜を受けて、騎士団に所属することになる。



【序章に登場したはずの世界観用語】


箱庭はこにわ

 創造主に作られた主人公たちが暮らす青い惑星、万能のことが大嫌い。

 人類の為に作られ人類だけを愛する世界。


かみ

 宇宙からやって来る人類の天敵、騎士が討伐対象と見做している種族。

 言葉の通じぬ異形で、現実を上書きする奇跡と同等の異能を使う。

 個体毎に異なる生態や思考を持つが、人類の敵だということだけは共通している。

 痛みを感じ喜びを表す紛れもない生命体。

 天使を生み出し人を食わせ、大地すら汚染し奪い去る災害的な存在、別名は万能。

 神を殺すことが出来るのは、同等の万能を持つ存在かそれに匹敵する神秘だけである。

 ……万能に決して届かぬ生き物である人類が神を殺すことは不可能。


天使てんし

 神が産み付けた卵から孵化する、神の眷属で群れを成して行動する場合が殆ど。

 無性生殖と有性生殖、手段を問わずに繁殖する事ができる埒外な生き物。

 単独で行動する特異個体もいるが、共通して人間を主食とし騎士を壊す事を優先する。

 全長2mから3m、蟻に似た胴体と針金のように細い六本足で進行する。

 目の付いていない頭部には触覚と光の輪があり、獲物を捕食する強靭な歯と顎を持つ。

 羽の枚数が多くなるほど知性が高く悪辣な性質になる。

 万能の力は持たない為、ただ一個体でいるだけでは大した脅威にはならない、問題になるのは群れを形成して進行することと繁殖速度、体に流れる体液が持つ性質だ。

 天使の体液は甚大な「侵食」を引き起こす、侵食された大地は腐り二度と人類が暮らすことの出来ない土地になる。

 返り血を浴びただけでも人類ならば即死、騎士であれば再生能力を鈍らされ、内側から腐って最後には絶望し、死に至る。

 なんと有能な滅びの担い手、天使が通った後には何も残らず、神だけが笑う。


原初げんしょ騎士王きしおう

 創造主が神々の脅威から人類を救う為に製造し、箱庭に遣わした七体の王。

 人の肉体と万能を持つ彼らはまだ暦のなかった原初の時代に現れ、天使の侵食と神の破壊によって失われつつあった人類の生存圏を守り、更なる安寧を求める人類を進化へと導くために新たな文化と言葉、知識を与えた。

 箱庭に20年間だけの現界を許された彼らは死後、騎士を生み管理する機構となった。

 「王石柱レムナント」……原初の騎士王の死後、その魂を格納し製造された箱庭を運営する機構の一部、騎士を管理する七体。

 全ての騎士の生誕を認識しており、適性に合わせ所属する騎士団を決めている(選抜)

 騎士の生命力となる神力と、人類の生活を助ける為の万能的な力(エネルギー)を常に放出しており、五つの人類圏を守る騎士王結界を張っている。


騎士きし

 原初の騎士王を祖とする異能持つ兵器。

 人間と殆ど同じ構成の姿形をしており、不快感を抱かれないよう美しく生まれて来る。

 それ故に目を引く鮮やかな色彩をもつ者が多く、特性や才能が色に現れる事も多い。

 生まれながらに神技を扱うことができ、赤子の段階から神殺しを達成する。

 人類を守護する義務を本能に刻み込まれた、原初の騎士王たちの後継。

 十二歳になると王石柱からの選抜を受け、適性のある騎士団に所属して戦う。

 「絶望しなければ死なない」生き物である為、実質的な寿命は存在しないが大半が戦いの中で死ぬことになる。

 自己再生能力と鋭い五感を持ち、免疫力にも優れ、騎士を侵せるのは天使の体液か神の万能、人の悪意だけである。

 原初の騎士王が持つ権能と王位を継ぎ、騎士を率いることの出来る新たな王を生み出すことを目的に製造されている。

 死体は腐ることがなく、自然に還らない。

 その為、川に流されるのが主な弔われ方。

 「神技しんぎ」……騎士たちが持つ異能、神々が振るう万能と同質の力。

 深層から溢れ出て現実を書き換える神秘。

 「神力しんりょく」……王石柱が生成する騎士の生命力、神技を使う時や自己再生するときに大気から取り込む。

 「鍵穴ゲート」……騎士の脳に備わっている神力の通り道で、六門存在している。

 神技を発現させる為に現実と深層を繋ぐもの。

 「深層しんそう」……騎士の魂の根幹、生まれた時に触れる心の形。


人類じんるい

 箱庭に愛された種族、万能に対抗する力が無く神々の殺戮から逃れる術を持たない。

 原初の騎士王が齎した概念や知識を元に進化してきた歴史を持つ。

 万能を恐れるように出来ているため、誰だろうと神、天使のことは恐怖の対象とする。

 「騎士は創造主が与えてくれた人に隷属する兵器だ」という考えが一般的。

 だが人類圏の中には騎士にも人と同じ生き物としての権利がある、と主張する派閥も存在している。

 「科学かがく」……万能と異能を理解することは人類には出来ない。

 だがそれに近しいことを再現しようと試みた時代に生み出された技術。

 「魔術まじゅつ」……科学により文明を発展させた人類は、ついに異能の再現に成功した。

 ……だが、あくまで万能にはなれない人の起こせる範疇の事だ。

 決して神々に対抗する術を得ることが出来たという訳ではない。

 人が起こすことの出来る科学的現象の究極を魔術と呼ぶ、それだけの話。


人類圏じんるいけん

 白亜の塔を中心に広がる五つの地帯。

 騎士王結界によって神や天使から守護されている。豊かな自然が保たれており、人類が平穏に生きることの出来る数少ない土地。

「聖王領域」「竜王領域」「冥王領域」「医療王領域」「精霊王領域」の五つ存在し、対応する各騎士団が守っている。

 「王国おうこく」……人類圏の別名である、五つの王国。

 人類代表として民から選ばれた人の王が国を統治する。

 「人類軍じんるいぐん」……王国(人類圏)に兵力を貸し与える権限を持った組織で、人類圏の治安維持、騎士差別の抑制を目的として存在している。

 「白亜はくあとう」……原初の時代から存在する箱庭と宇宙を繋ぐ塔。

 原初の騎士王が宇宙から降りるために使ったとされる。中へと続く扉は今は閉ざされており、全体が科学でも魔術でも神技でも正体が分からない謎の素材で出来ている。


『リチア(騎士の都)』

 騎士を育成し管理するためにある大都市で、白亜の塔の根本に存在している。

 人類圏に囲まれた場所にあり、各国に繋がる門を備えているため貿易拠点としても機能している。

 リチアの中では騎士に対して差別行為をしたり、外傷を与えることは重罪となる。

 騎士が人類守護を行っていく為に必要な施設が備わった揺籠。

 「騎士団本部きしだんほんぶ」……リチアの中心部にある建物、白亜の塔を囲うように建設されている。

 箱庭の縮図とも称され、各騎士団の本部と人類軍の本部が設置されている。

 「騎士寮きしりょう」……主に騎士王候補を育成する為にある施設、身寄りの無くなった騎士を保護する孤児院でもある。

 神楽衣翔が運営しており、親を亡くし才に恵まれた子どもを王石柱は後継にしたがるという傾向を元に各地から騎士を集めている。

 寮母である薫から特性を活かした養育を受ける子どもたちの中からはエリート排出率が高め、現在は七名の現役騎士と十名の四歳から六歳の騎士を養育している。

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