第8話年齢に見合った人を

「それじゃあ目の前にいる人とポッキーゲーム始めてね」

 俺の目の前にいる奴……婆さん。

 無理無理。

「そこ早く始めなさい」

 うるせーな。

 崇お前だってま……始めてる。

 もう始めてるんかい。

 やばいよ。

 後ちょっとでキスしちゃうよ。

 崇と婆さんまで口を尖らせば届く距離だよ。 

『パキ』

 ぎりぎりの所でポッキーが折れた。

 キスしなくて良かったな崇。

「惜しい後ちょっとだったのに」

 惜しいのかよ。

 こいつヤベーよ。

 崇が超熟女好きなの知らなかったよ。


「そろそろこちらもするかいの」

 何で俺の向かいの婆さんやる気充分何だよ。

 崇達の見て完全に触発されたよ。

 しかももうスタンバってるし。

 俺はまだ心の準備出来ないよ。

「モアイいけー」

 無理無理無理。 

 絶対無理だ。

「モアイ相手を待たすんじゃないよ」

 そんな事言われても。

 だが行くしかない……か。

「モアイ行きまーす」

 俺はあの某有名ロボットアニメのような掛け声で発信した。


『ポキポキポキポキ』

 距離3センチ…2センチ…1センチ

『ポキッ』

 危ねー。

 もう少しで人生初のキスしそうになったぜ。

 それにしても婆さんとは思えない吸引力だ。

 ありゃあ化け物だぜ。

「崇もうやることやったし帰ってもいいだろ?」

「そうだな。今回は帰っとくか」

 俺達二人が正道を呼ぼうとしたら二人は既にいなかった。

 

「お疲れ。今回の合コンは良かったろ?」

 崇主催で、次の日俺達3人は近くのファミレスで、反省会をしている所だ。

「俺はもういいや」

 俺は正直に素直な気持ちを発表した。

「正道お前はどうだったんだ?」

「さ…い…こ…う」

 最後まで俺と崇は正道に『あの後どこに言ったのか?』 と訊く事はなかった。


「崇次何かあてないの?」

 崇はしばらく俺達が座っている横の窓ガラスを眺めて閃いた様に口を開いた。

「あったよ」 

「何?」

「O作戦だ」

 またしょうもない作戦名だな。

「ちなみに具体的な内容は?」

「俺達3人まぁ1名を除いては正攻法は無理だ。だから今度は占い師に占ってもらう」

「それ何にもないわ。しょうもな」

『ばっかモーン』

 孝が某有名マンガのパクリのような発言をしたが、気にしないどこう。

「何だよ?」

「ただの占い師じゃないんだぞ。占いじーじ様だぞ」

「完璧にネーミング的にあれじゃねーか。完全にあれだよね。あれしかないよね」 

「とにかく当たるから、今度占いに行くぞ」

 まぁそこで運命な人と出会う年齢とかも訊けそうだし、行ってみるのも悪くないか。

 俺達3人はファミレスをでて、占いじーじが待つ館に足を運んだ。

 もう完全にあれじゃねーか。

 




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