第7話年上過ぎやろ

『カランカラン』

 俺達3人は待ち合わせ場所のカフェの扉を開いた。

「いらっしゃい」

 マスターは決められたフレーズを俺達に発した。

「マスターすいません。俺達待ち合わせしてあるんですけど」

「もう連れは先に来てるよ」

 俺達はマスターに案内されたら先には。

「「「いらっしゃい」」」

「どうも」

 俺は崇の髪の毛を引っ張り自分の所に寄せた。

「どうもじゃないんだよ。どういう事か説明しろ。完全に婆さんやないかい」

「年上の女性だろ。間違ってないはずだが」

「お前婆さんとキスとか出来んのかよ?」

「出来る」

 訊いた俺がバカだったよ。

「正道帰るぞ?」

 てあれどこにもいない………あいつもバカだったーー。

 正道は普通にお婆さんと喋べっていた。

「面白い子だね」

 子って呼ばれてるし、完全に孫扱いやん。

「俺は帰るぞ崇」

「お前女性にプライド傷つかせる気かよ」

「お前女性ってゆうな婆さんだろ婆さん」

「そういう気持ちだからお前はいつまで経っても彼女が出来ないんだ」

 お前も彼女いないがな。

「分かったよ。いますよ。いればいいんでしょ」


「それじゃあ気になる年齢当てゲームやろーか?」

 崇お前の方が完全に失礼だぞ。

 女性に年齢訊くなんて。

 しかも年齢興味ないわ。

 婆さんに興味ないわ。

「あたしは70歳だよ」 

 言っちゃったよ年齢。

 ゲームになってないやん。

 それにしても凄まじいよこの年齢差。

「僕は19歳です」

 崇のノリの良さはさすがだわ。

 正道もずっと目の前の婆さんと喋ってるし。

「あんたは何歳かの?」

「俺も19歳です」

「それじゃあみなさんの自己紹介が済みましたので、続いては独身当てゲームを始めます」

「儂は独身じゃ」

 だから何で言うんだよ。

 ゲームになってないよ。

「儂も独身じゃ」

「俺達ももちろん独身です」

 崇は俺の肩に手を置き自分の方へ寄り合った。

「今までいい人とかいなかったんですか?」

 そこ掘り下げなくていいよ。

「死別じゃ」

「儂も」

 とんでもなく悲しい事実知っちゃったよ。

 もう可哀想過ぎるぞ。

 ただただ可哀想だわ。

「ちなみにご主人は何歳だったんですか?」

「100歳じゃ」

 充分生きたな。

 俺達より年齢差あるな。

「ひっ…ひっ…ひっ…」

 お前が余計な事言うから泣いてるやん。

 泣かしちまったやん。

「昨日食べたサンマの骨がようやくとれたわい」

 サンマの骨が引っかかってただけかい。

 しかもいいタイミングでとれたな。

「続いては「崇もう帰ろうぜ」

 俺は崇の言葉を遮るように喋った。

「これから面白くなるんだぞ」

「俺にはもう耐えられんぞ」

「分かった最後にするから。続いては最後のゲームになります。ポッキーゲームを始めます」

 

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