第4話【その子の名前はリリーナ】

「可愛い!」

ゆりかごで眠るリリを見た私は思わず叫んでしまった。


やっぱり赤ちゃんは可愛いね!


「こら!リリが寝ているんだから大きな声を出したらダメでしょ!」


「あ、ごめんなさい」


「ふふふっ。

まだ眠っているから大丈夫よ」


大きな声を出してしまいローゼお母様に怒られているところにダリエお母様が助け舟を出してくれる。


そうなのである。第二婦人の子供が生まれたのである。

名前はお父様の一存でリリーナに決定した。

私を含めた皆はリリと呼んでいる。

正直めちゃくちゃ可愛いです!


でもなぜだろう?リリーナ・ネニュファールってどこかで聞いた事あるような気がするんだけど?

何処でなんだろう?

多分、前世だと思うんだけど全然思い出せん。

むぎぃー!もやもやする!


「ローゼ奥様、エレナお嬢様、もう夜も遅いのでそろそろ就寝なさったほうがよろしいのではないですか?」


「そうね、わかったわ。

エレナ行きましょう。

ダリエ、リリおやすみなさい」


「わかりましたローゼお母様。

ダリエお母様おやすみなさい。リリもおやすみ」


最後にリリの顔を見てからメイド長のタフネに促されたことに従って私達は部屋を出ていくことにする。


このメイド長は私が初めて目を覚ました時にローゼお母様と一緒にいた黒髪ボブのメイドだ。正確な年齢は知らないが見た目からしても30歳ぐらいではないのかと思う。その歳で公爵家のメイド長を務めるだけあってとても優秀な人だ。


お茶の入れ方から掃除までもう完璧!でもたまに音もなく後ろから現れるのは辞めて欲しい。心臓に悪いよ。


その後、私は就寝の支度をしてベッドの上に転がる。


「んー、リリーナ・ネニュファールか

どっかで聞いたことあると思うんだけどなぁー」


リリの名前が決まってから私の中にある疑問について考えつつベッドの上をゴロゴロと転がっていると


ドン!とベッドの上から落ちてしまった。


「いっててて。

あ!思い出した!そうだよ!前世で休日にやろうと思って買って帰っていた乙女ゲー『学園で紡ぐ恋の物語』っていう、どっちかっていうと乙女ゲーと言うよりギャルゲーみたいなタイトルの作品の悪役令嬢役の名前じゃん!」


何でギャルゲーのタイトルを知っているかについては察してください。


「お嬢様!今、大きな音がしましたが大丈夫ですか!?」


大きな物音に気づいたメイドが部屋に入ってきて心配されてしまった。


「大丈夫!大丈夫!ゴロゴロしていたらベッドから落ちてしまっただけだから。怪我とかもしてないし全然平気だよ。大きな音たててごめんなさい」


「いえいえ、お嬢様が無事でしたらなんの問題もございません。もう今日は遅いですから早めにおやすみになってくださいね」


「うん、わかった。おやすみなさい」


メイドの言うとおり今日はもう遅いしこれからのことは明日考えよう。

そう思い私はベッドに横になるのであった。

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それではまた来週!

バイバイ(^_^)/~

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