第3話【二歳になりました!】
「あ、ローゼお母様!おはようございます!」
エレナが廊下をテクテクと歩いているとお母様と出くわした。
「あら!エレナちゃん、おはよう」
2歳になり言葉が分かるようになった私が子供らしく元気に挨拶をするとお母様が挨拶を返しつつ抱きしめてくれる。
この2年間、特に何事もなく普通の赤子をしながら情報収集する日々を過ごしていた。
ということでこの2年間に得た情報をまとめようと思いまーす。
まず私の正式名称はエレスティーナ・ネニュファールと言うらしい。
長いので皆は略してエレナと呼ぶことが多い。
母親の名前はローゼ、父親の名前はブレイン、兄の名前はヴィケという。
何か私の名前だけ長くね?
別にいいんだけどさ、生まれてから今まで二年間でエレスティーナってちゃんと呼ばれたこと殆どないし別に最初からエレナで良くない?と思ってしまう。
まぁ、両親はこの名前に何か意味があってつけてくれたのだろうから口に出しては言わないけどね。
そして、何とネニュファール家は公爵家でその中でも一番大きい家らしい。
私のお父様は偉い人なのです!
えっへん!
この世界では一夫多妻制を採用しているらしく他にも父親には第二夫人がいる。
名前はダリエといい、しっかりしているお母様とは違いおっとりしていてとても優しい人だ。
髪は、茶色っぽい色で毛先にパーマがかかった感じのゆるふわ系で、見た目通り頬に手を当てて「うふふっ」と優しく笑っているところをよく見る。
公爵家なのだから第三夫人などがいてもおかしくはないのでは?と思いお父様に聞いたところ
「ローゼが何人も妻を作るのを嫌がったのだよ。さすがにローゼ1人だと「跡継ぎがちゃんと生まれるか?」とか「公爵家の当主の妻が1人だと舐められる可能性がある!」とかいろいろ言われたからローゼと良好な関係を築いている貴族令嬢の中で一番美しかったダリエを第二夫人に選んだのだよ。その後はヴィケという後継ぎが生まれて文句を言ってくる奴も殆どいなくなったし第三夫人は作る気はないよ」
と説明してくれた。
子供に対してそんな難しい事まで教えてどうするんだ?普通の子供なら理解できるわけがないだろ?と思いながらも普通じゃない子供のエレナは詳しく教えて貰えたことに感謝した。
そして今日は第二夫人のダリエの出産日、我家に新しい家族が出来る素晴らしい日なのだ。
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今日ももう一話出します!
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