5節「キマイラ」

時刻はAM9:03―――。

四聖秩序機関の記念すべき第1回入隊の儀まで残り27分。


他の部隊に配属される候補生達に先行する形で顔合わせ及びテストとなった要塞を後にした《ロストゼロ》の一行。


既にお腹いっぱいなくらい濃い時間を過ごしているが本番はむしろここから。と辻本ダイキは久々に思えた陽の光を浴びながら服装を正す。


すると赤髪ポニテの職員女性―――元気溌剌なオーラは最早お馴染みとなったアネットと、要塞敷地の出入り口で出会した。


ここから暫く会話のみを飛び飛びで回想。


(あ!門のとこでCOMMを渡してくれた人!)


(さっきの青髪の人に似てるね……もしかしなくても妹の?)


(アネットさんだ。ソフィアさんから終了の知らせを聴いて此方で待機されていたんですか?)


(はい!皆さん入隊式まで時間も無いので私がお連れしようと、マノ姉妹の粋な計らいとでも思って感謝しててください!)


(ソフィアさん、大方のイメージ通りでしたが若干なんというか……対人距離が近い女性ですね)


(ナチュラルなビッチなんですよねーお姉ちゃんは。指揮官さんイケメンだから気を付けた方がいいですよ!なんならキミみたいな候補生も狙われ調教されちゃうかも~♡)


(ええっ!!ボクなんかよりも……オズくんとかの方がいいに決まってます!)


(確かにオズさん、女性みたいに整った髪や肌ですよね……でも性格はクールで、ちょっとSで……)


(S?意地悪なだけでしょ!ま、まあ……悪い男子では無さそうだけどさ……サクヤ君は女子にケンカなんて吹っ掛けたらダメだぞー!)


(ふむ……朔夜は完全に部隊の弟扱いだな……)


(朔夜は弟……?マスコットじゃないの?)


(まだ出会って1時間くらいなのにもうボクのキャラが……今朝からやり直したい―――っ!!!)


朔夜の悲痛の叫びが、桜と黒鉄で彩られた《セントラル》に木霊した。



「ささ!我々の入隊式まであと30分をきったところですよ!遅刻すれば副所長のカミナリが落ちそうなのでここはパパっと私の力を!」


転移能力者『アネット』はそう言って、自分を中心にロストゼロ同士に手を繋がせた。

辻本は1度経験していたため“この接触”が集団転送のためなのだと理解していたが候補生たちは不安げにアネットに急かされるまま従う。



ほい!という愛らしい掛け声。

現実の一層に亀裂を開くことで時空を跳ぶような感覚に襲われる辻本ダイキ達―――。

虚空を通り、安全かつ迅速に移動。

不利状況での緊急離脱、接敵時に強引に相手の背後を取りに行く動きなどアネットの能力はかなり応用も利きそうである。そういえば彼女は機関の案内係が主な職務と話してくれたが、実戦経験はあるのだろうか……?

もしアネットが例えば魔術拳法のような近接向きの戦闘が出来るならあるいは。


数秒間の転移の狭間で、辻本は冷静に「この職場の戦力」を頭のなかで整理する。

そんな意識が扉を抜けた先のイメージに塗り替えられると……。


ガタンッ!と衝撃が走った。

オンボロのエレベーターが降る時の浮遊感にも似た感覚。階段を1段踏み外しかけて片膝をぐんっと伸ばす動作。


機関中枢施設フロンティア。F1にある大規模な講堂へ到着したようだ。(正確には講堂の側に設けられた準備用の広場)


しかし……、何かがおかしい。

辻本は瞳を開いてもそこに広がるのは“漆黒”。昏黒の闇の奥には仄かな“ピンク色”。


(……!?なんだ……暗くて、芳ばしくて……まさか敵の幻惑魔法に……!)


落ち着け。位相空間ワームホールは超えたはずだ。


そしてこの場所が「講堂」なのは視認しなくても感覚で判断できる。


入隊式にこれから臨む数百名の人間の所作の音、心音、魔力の流れ、その他様々な気配からもそれは間違いない。


魔女マナとの修行の一環で「3日間を暗闇のなかで過ごした」辻本は俗にいう心の目、その気配察知力は常人とは比べ物にならない程に研ぎ澄ましていたつもりだ。


ではここは一体……。手探りのため両手を動かすとムチムチとした程よい肉付きの「脚」、ナマ足の感触が両掌に伝わった。


「へ……、なな、なな…………!!!」


「……え?…………」


あ。思わず目を点にして辻本絶句。息苦しさが解消され光が射し込んだと思った瞬間。自分が片方の膝をつき屈んだ姿勢でという事実を認識する。


そんな官能的な行為、お相手をつとめていてくれた彼女―――シャルロッテさんは、


「っぅぅ~~~~~!!!」


「こんのっっっ…………変態指揮官っ!!!! 」


顔面クリティカルヒット、炸裂させた膝蹴りは先程のテストの時よりも渾身の一撃だった。



怒り7の恥じらい3がブレンドされ顔を紅潮させるシャルロッテは腕組の姿勢で、見事にぶっ飛ばされ仰向けに倒れている辻本を軽蔑の視線で見下しながら罵詈雑言を浴びせまくる。


「女子のスカートに顔を埋めるのが英雄のやることなんですね?サイテー、大キライ、一生呪ってやるんだからぁ!」


「シャルロッテさん、どうどう……」


辺りの機材や余っているイスにメチャメチャに当たり散らすシャルロッテを玲は怯えながらに宥める。

一方変態指揮官の汚名を着せられた辻本はアーシャに上体を起こしてもらいながら、


「すまない……だがこれに関してはアネットさんの方からも弁護があるはずだ……」


集団転移の際に何かの不手際で座標が歪んだせいで発生してしまった不慮の事故。つまり不可抗力。ですよねと辻本は立ち上がりアネットに視線を送るも。


「判決、死罪です☆女の子のヒミツを肌で感じたんですからもう天国逝っても悔いはないはずですよねー!」


「……………………」


「…………朔夜。一緒に今朝からやり直そうな」


もはや反論の余地も無さそうなこの空気、辻本は端で見守っていた朔夜の所まで歩いては彼の肩に手をかけ、男2人だけでそんな約束を交わした。


(やや、おかしいですねぇ……私がこの機関の中での転移でこんなを与えるくらいのミスをしてしまうなんて)


(……“歪み”が生じている……?)


アネットは似合わない表情で虚空を睨むも、流石に可哀想になった新米指揮官を救うべくいつもの笑顔でなんとかこの場をおさめてあげた。



「―――じゃあ俺は段取りを確認してくるから、君たちは座席に着いていてくれ」


「そうだ。あと彼女、メアラミスの面倒もよろしく見てやって欲しい。詳しくはまた今後ゆっくりと話すが、この子は見た目通り幼い部分も多いからな」


指揮官が候補生達を整列させて話している。皆が最年少の少女に視線を向けるなか、ずっと高圧的に腕を組んではツリ目で敵意を剥き出しにしているシャルロッテがツンツンと、


「スカートのなかに入り込む貴方の方がよほどお子様な気がしますけど……!?」


「すみません……ってその件は“休日に高級スイーツをお腹いっぱい奢る”で決着がついただろ……!」


「ふんだ……もし破ったら針の付いた棍棒でお尻を千本ノックしてやるんだから」


なんだその惨い拷問は。と呆れる辻本。

シャルロッテはぷいっと歩き出すと、面倒を頼まれた少女―――メアラミスの小さな手を握ってあげた。


「……?」


メアラミスは何故手を握られているのか不思議でたまらなさそうな表情で首を傾げる。


「講堂は人いっぱいいるから!はぐれちゃダメでしょ?メアラミスちゃんはあたしが手を繋いであげる!」


「……。子供扱い……」


「こどもじゃーん!なんならあたしがお姉ちゃんになってあげよっか!」


「いらない……」


若干鬱陶しそうに呟いたメアラミスだがシャルロッテはそんなことはお構い無しに手を引く。その表情はどこか嬉しそうに辻本には見えた。

意外と面倒見の良い姉属性なんだな……と。

玲、朔夜、アーシャもそんな姉妹?ごっこの2人を追うように講堂へと向かうのであった。




人、人、人、人、人、人、人、人、人、人。

溢れ返るヒト。少年少女、若者たち。

本日をもって『候補生』となる数は800名。

かなりの人数を収容できるフロンティアの講堂ではあるがそれでも季節外れの暑苦しさを感じてしまう人口密度と熱気が籠っている。


「あと17分……そろそろ始まるね」


「緊張してきた……でも、デリスで初めての連合軍士官学校!ちゃんとしないと!」


「みな同じ制服アイアンフェリアだが……その中身はバラバラだ、ここには白虎も朱雀も玄武も青龍の人間もいる」


「……ねえ、指揮官や職員、あと機関の所長ってどんな人だと思う?」


候補生達は口々に隣の席の者や周囲で話している。緊張を解くためでもあるだろうがここにいる殆どはまだ“未成年”、機関の意図も深くは知らないとなれば“疑念”より“興味”が優先されるのは仕方がない事だ。



《ロストゼロ》―――既に殆どの候補生が着席しているなか遅れて到着した“特務部隊”のシャルロッテら一行。身なりは他と同じ「黒鉄の魂」を冠する黒基調の学生風な制服。


広大な講堂、壇上に次ぐ一番前、ど真ん中に6つのパイプ椅子が横並びに設置されていた。


その左から2,3番目くらいの席に『オズ』がいた。

シャルロッテはメアラミスの手を握りながらオズと目が合い声を漏らす。ここは自分から謝らないと……そう思いそれをすぐ実行に移そうと噤んでいた口を開く直前、


「さっきはすまなかった、シャルロッテ。不意の戦闘で頭に血が昇っていたようだ……キミの誇りを侮辱した発言、詫びさせて貰う。」


先にオズの方から頭を軽く下げてきてくれた。


「ぁ…………う、ううん!別に大して気にしてないし!あたしこそオズ君にキツくなっちゃってごめんね」


シャルロッテもあせあせと謝りながらも、こんな衆人環視の場で何をやっているんだと二人は互いに今の可笑しな状況を微笑み合う。 

和解の様子に玲やアーシャも安堵すると、


「ねぇ、早く座った方がいいんじゃない?」


シャルロッテに手を掴まれながら上目遣いに急かしてくるメアラミス。そもそもこの娘にどうして私達がケンカしていたのかすら理解はしていなかったのかも知れない。とシャルロッテは馬鹿馬鹿しくなって呆れ笑う。


「ふふ、そうだね。オズ君、つめてくれる?」


「あぁ。そういえば指揮官は?」


私達は横並びでパイプ椅子に腰掛ける。此方側から見て右からオズ、シャルロッテ、メアラミス、玲、朔夜、アーシャ。

オズの質問には辻本LOVEな玲が答えた。


「ダイキ指揮官なら1度他の職員の方々と入隊式の準備に取り掛かると……」


「うむ、恐らくだがあの壇上に“指揮官”クラス及び所長が並ぶのだろう。これは半分は勘だが、その光景はものになると思うぞ」


アーシャの言葉の意味、それはデリス大陸に生きる者ならば誰だって判るもの。

《四大国》の英雄・精鋭が集う舞台。あと数十分でそれが幕を開ける―――。

シャルロッテは落ち着かなくなったのか椅子に膝を乗ってけ子供みたく後ろを見渡してみる。隣のオズに注意されるも「いいのいいの!」と気軽に返答。


そこに広がる光景は“3つのエリア”で線分けされた約800人の“同級生たち”。駅からここまで来るのに感じていたが改めて全員が集まった状態で見るとその数に圧倒されてしまう。


「うわぁ……!こんな人数が機関に新兵として入るんだ……!!」


壇上を除けば講堂最前列に鎮座する自分達。

ロストゼロ、なんて気味の悪い名前の変な部隊に配属になるらしいが、この1番前!な感じは入学試験で満点を叩き出して新入生代表の挨拶とかやっちゃう“優等生”ゾーンにいる気がして胸が高鳴る。

まあ、満点とは真逆の点数をさっき付けられたばかりなのであまり現実と乖離した妄想はこの辺にしておいて。


しかし“注目”を浴びている事は間違いなく、最前列の少年少女6名、明らかに特待生な雰囲気を出している少人数の自分達に後ろの候補生達はコソコソと話し出す。


「おい、なんだあの一番前の奴等。」 


「特待組?……って子どもまでいるじゃない!私の妹と同い年くらいよ……!」


「多分だけど1時間くらい前に放送で呼ばれていた人達じゃない……?」


「あれか、“特別なCOMMを貰った~”ての。要塞に集められてたけど……一体どういう連中なんだ」


「ていうかあの右端の蒼髪の男子、めっちゃイケメンじゃない?!」


「え、見たい見たい!あの気弱そうな男子はなんか保護欲くすぐられるかもー♡」


「金髪ツインテがこっち見てるぞ……制服越しでも分かる、あれは意外に“有る”ぜ……!」


ぞわっ!

男子のやらしい視線を浴びたシャルロッテは瞬時に胸を隠しながらくるっと回転して再度着席。壇上の方に身体を向けて溜め息ひとつ。


(いいや、あの背の高い朱髪も絶対……え?実はあの地味めの眼鏡ちゃんが1番ドスケベボ(自主規制))


(とにかくあのメンバーが機関のなのは間違いないな―――。)


「…………ふふふ」


様々な憶測が背中で飛び交うロストゼロ。

そんな中で笑みを溢したのは『雨月玲』。眼鏡のレンズが反射して零れた光は少女の素顔の一端のように感じられた。

「どうしたの?」と訊ねてみたシャルロッテ。玲は口許を緩ませて“憧れのクラス”の名前を出した。


「いえ、伝説の《朱雀零組》もこんな特別な始まりだったのかなと……。」


静かに眼鏡をくいっとかけ直し、大きな瞳を輝かせながらに彼女は“先輩達”への憧れをより一層強くさせる。

機関において全体の1割しかいない朱雀。愛すべき祖国の復権の架け橋になる事を胸に誓いながら。




―――講堂、壇上の舞台袖から辻本は指揮官としてロストゼロの部下達のやり取りを暫く遠巻きにしてうかがっていた。


「はは……(どうなる事かと心配していたが一先ずは仲直り出来たようだな、シャルロッテ、オズ。)」


横並びの座席、シャルロッテと玲に挟まれる位置のメアラミスも眠たそうに目を擦ってはいるが今のところは大人しくしている。

流石に“こんな所”で暴れ出すことはないだろうがそれでも二人の和解と同じくらい気掛かりだった羅刹の少女も何とか皆とは打ち解けてくれそうだ、と辻本は親のような目線で微笑む。

するとそんな辻本指揮官の隣でひとつ溜め息、同じ指揮官の制服に身を包むカグヤが浮かない表情をしていた。


「カグヤさん……緊張されてるとかですか?」


「え、ええ……もちろんそれもありますわ。」


カグヤさんでも緊張とかするんですね、と辻本の次の言葉に顔を赤らめたカグヤ。1つ歳上の女性だが正直この反応は弄りたくなるな……なんていけない事が過るも、


「……それより!辻本さん、“あの娘”は……」


あの娘―――メアラミスをカグヤが睨んでいた。


「ええ、流石に存じていましたか。彼女はメアラミス。かつて影の組織エリシオンの幹部だったひとりです」


メアラミスが第五神位として計画に荷担していたのは実はそれほど長い期間ではなく、むしろ他の構成員に比べかなり短い。

ユナの替わりとして急遽産み出された人形、与えられた使命も朱雀“雪の街”アルトにあるグロンサス洞窟と呼ばれる場所に眠っていた《ディクロス・フィニス》の代行獣を狩れ、という至極単純なモノだった。


ゆえに少女の存在は朱雀人の一部や“影”に連なる者、また辻本のような宿命に選ばれた立場でなければ知らない方が自然なのである。現にメアラミスと同じ空間にいるロストゼロの少年少女は誰もメアラミス=影、とは認識していなかった。朱雀出身の雨月玲でさえも聖都方面で生活していたため「アルトが犯罪組織に襲われた」くらいでそれがまさか隣にいるこの子どもの仕業だとは夢にも思わないだろう。


「どうしてそんな、S級犯罪者の人間がここに……!?」


カグヤがその極秘情報を知っているのは無論、彼女が白虎サイドの精鋭部隊“月の虎”のひとりであるから。


このレベルになれば例え他国の事情であろうとデリスの敵として警戒されていたエリシオンについてのデータは逐一伝えられたいたであろうし実際に辻本の知らないところでエリシオンの幹部と戦った経験もあるかもしれない。


だが朱雀白虎両名の辻本とカグヤ、この機関においてのの危うさは、互いに理解しているつもりだった。


「俺にもサッパリ……直に所長からそれも含めての説明はあるでしょう。」


辻本はこの場では、メアラミスを差し出したのが朱雀政府を通したティズ皇妃や時宮マナ、である事は伏せる。


カグヤを信頼していないワケでは決してないのだが現状、“メアラミス”についても“それ以外”についても情報が不足しすぎていた。 


直に説明をするであろう所長、ロクサーヌに委ねる形でこの話題を終える。


「あのような娘のいるチームに……が……。」


不安で押し潰されそうな声、カグヤが発した何者かを案ずる僅かな本音に辻本が反応した瞬間、奥の準備室からヴェナが近付いてきた。


「カグヤちゃん、そろそろ始まるさかいにこっち来ときーってなんや、キミいつの間に戻っとんてんな辻本くん」


「ヴェナさん。実は職員会議の後要塞で早速部下達とテストを受けてまして……すみません、入隊式の準備をそちらに任せっきりにしてしまい」


辻本は玄武の英雄、機関では特別顧問という特殊な肩書きのヴェナに対して説明と謝罪をする。


「ええよ。私やカグヤちゃん、イシスさん、他の職員と比べても一番“厄介そう”なところ任されてるんがあんたやしな?シャキッとしとき」


と気遣われるなか機関の所長・副所長を除きまだ誰も詳細を知らされていないロストゼロという『特別な部隊』を舞台の袖から見守る一行。就いた役職は同じでもそれぞれが異なる想いを抱いて。


辻本はヴェナの言葉に強く頷いてみせた。




四聖秩序機関(コスモス-ルフェイン)。入隊の儀。

AM9:30を針が指し示した刻―――。


「静粛に!これより四聖秩序機関の入隊式を執り行う!」


副所長モーガンの軍人気質な威圧感のある一声でこれまでざわついていた講堂の候補生800名が引き潮のように端まで伝わり静まってゆく。


「略式のため式辞等は省略させてもらう!」


「では始めにお前達候補生を別ける3つの部隊(クラス)、それを率いる《指揮官》を発表する!」


『機関発足』から一月余り、これまで伏せられていた職員が遂に明かされる。入隊式に臨む候補達は皆、息を飲むようにして壇上の舞台袖から現れるであろう“英雄”や“精鋭”達の登場を待ち望んだ。

それは最前列に座る《ロストゼロ》も同じく。


この機関には戦略的観点から大きく3つのチームに別けられている。※特務部隊を除く。


「まずは“占領されたエリアの奪還”を担う《ファースト・ワン》!担当指揮官はイシス!!」


壇上の端にいるモーガンが名前を呼ぶと同時に辻本やカグヤ達とは反対側の袖で待機していたイシスが舞台へ進み若者らの前に現れると、所定の位置にて佇む。


「次!“黄竜の進行拡大を防ぐ”《トライ・エッジ 》!担当指揮官、及び当機関の特別顧問としてヴェナ・シーカー!!」


間髪入れず呼ばれたヴェナが壇上へ、毅然とした雰囲気を纏って多くの若者達の視線を一身に集めた。

東と北の二大英雄の登場に囀りさえ禁じられていた候補生ら若者が一気に沸き上がる。


「おいあれ……!青龍最強のイシスか!?」


「王の側近にして武術の理にも達しているという方よ……噂じゃデリス十指の剣士にも入るって」


「ヴェナ様って玄武うちの英雄じゃない!」


「かつて白虎軍の進撃をたったひとり幻術で防ぎきった伝説の……《神弧ノ織女ゴッデスアーカー》……!」


ある者は自国の誇る武人として、ある者は敵国の誇る術者として。出身国の違いで顕著にその反応が異なるなかでもイシスとヴェナは流石の貫禄か、一切動じることなく800名の新兵と向き合っていた。


「いきなりこのレベルが……ヴェナ様、まさかあの方まで…………(かの双璧の陥落以降は玄武民も混乱していたが……“貴女”ならば、ですか)」


ロストゼロ内ではヴェナと同じ玄武出身のオズが驚きを見せる。朱雀国程の極端な弱体化は無いものの、玄武国も犯罪組織の計画に巻き込まれ被害は受けていた。精鋭部隊、絶対守護神と謳われた“六盾隊”内でも2名が戦死、という風にオズや他の市民は聞かされている。


そういえばその騒ぎを収めたなかには朱雀零組の貢献もあったとも聞いていたな、とオズは思い返すと、最も左に座る最年長のアーシャがフフ、と珍しく声をあげ微笑んだ。


「アーシャさん?」


「あ……もしかして要塞で少し話していた尊敬している人物って」


朔夜、から玲がアーシャの笑みの理由に検討をつける。


そう、青龍出身のアーシャが幼少から『武の高み』として羨望心を抱き続けてきた存在――それこそが《竜帝乙姫》、“水の槍”イシスである。


「察しの通りだ。私の目標であるイシス殿、あの方がおられる機関だからこそ入隊を決めたと言っても過言ではないな。」


「めっちゃ信頼してるんだ……でも確かに見た目も綺麗で強そう!後ろで聞こえてきたけどヴェナって女性は幻術を使うの?」


シャルロッテの質問にオズが答える(それくらい常識だよと調子を取り戻した様子で煽りつつ)なか、モーガン副所長の厳かな声質での進行が続く、


「そして“敵地への潜入、偵察や諜報”を行う《ツインズ・オウル》!担当指揮官はカグヤ!!」


「もぅ!キミは一言多いところがっ……ええっ!?カグヤさん!?うわぁ……!!月の虎だよ!!」


オズの見え透いた挑発にこちらも調子を取り戻したシャルロッテがプンプンと怒っていると、響き渡った呼び名に白虎出身の彼女が一番に反応。


激怒したり吃驚したり喜悦したり、忙しなくリアクションするシャルロッテ。隣でうたた寝してたメアラミスを、ねえ見てみてと子どもみたく揺すり起こすと少女は不機嫌そうに、


「……シャルロッテ……うるさい…………」


とだけ呟く。

13歳の少女に叱られた18歳、自称お姉ちゃんが肩を落とすも後方座席、つまりここまでで紹介された3つの部隊いずれかへの配属が決定している他800名近くの候補生達の声が講堂に熱気と共に反響する。


「うおおおおッッ―――!!!!!!」


「カグヤ……“月の虎”の人間ね……!くっ……!」


「落ち着けって……玄武を襲ってきたのはあいつじゃない、“賢者”の奴に……“鉄血の主戦派”だ」


侵略国家、白虎帝国の精鋭の登場は他の2名に比べても不穏な空気が目立ってきた。

白虎サイドが多いこの空間、カグヤへの声援の方が多数を占めるが、それでも異国出身の若者達は様々な想いで“宗主国”(この機関が白虎にあるためあえてこの単語を使用)からの出向の彼女に批判めいた暴言を陰ながらに浴びせる。


「………………」


カグヤも“この反応”は予め覚悟はしていたようで、それでも儚げな表情は前方最前列で控えているロストゼロ―――次に現れる朱雀の若き英雄が受持つ少人数クラスを見つめた。

それに呼応するようロストゼロ側からはしゃいでいるシャルロッテ、ではなくもうひとりの白虎出身者、朔夜がカグヤと視線をチラッと交わす。


(…………朔夜くん)


(…………カグヤ姉さん)


二者の様子、特にカグヤの目線の動きを袖で観察していた辻本。このタイミングで指揮官カグヤと候補生朔夜の関係性に何かを察するも、その洞観に移ろうとした時に、


「なおこの部隊には1指揮官がいるが事情で入隊式には参加出来ないようだ、後日本人に改めて挨拶はさせる!」


職員顔合わせでモーガン副所長が話していた“まだ到着していない職員”、についての説明が候補生一同になされた。


それにより辻本の意識もその未だ正体不明の人物に推移、あごを触って思考する体勢に。


(顔合わせの時には“彼は遅刻している”と言っていたな……カグヤさんと同じ部隊ということは白虎の戦士か……?)


「むむ、何やら考え込んでいますが次はいよいよ貴方の番ですよ、辻本指揮官!」


「んん、ひとりが心細いなら私が一緒に行ってあげよっか?指揮官くん」


クールに考え込んでいた辻本を挟み込み、そして顔を下から除き込んできた美人姉妹、アネット・マノとソフィア・マノ。突然の赤と青の挟撃には辻本もたじろいでしまうも……、


「あはは……俺なら大丈夫。なんというか“この場所”が“デリス四大国の最前線”なんだなと、改めて思っていただけです」


辻本の言葉はまるで自分自身に言い聞かせ奮い起たせるように―――。

そして……熱気渦巻く入隊式、副所長とそれぞれの部隊指揮官に抜擢された3名が立ち並ぶ下に“ゼロ”が呼ばれる。


「最後に機関を構築する3つの部隊、それらの“重心”となるであろう特務部隊《ロストゼロ》!」


「担当指揮官は―――辻本ダイキ!!」


辻本はマノ姉妹に見送られる形で壇上へ。

凛とした表情、揺れる黒髪、朱雀の闇を幾度なく切り払った天紅の太刀を収める鞘、そして指揮官を象徴する白コート(英雄の誓い)、


20歳、今年で21歳になる青年は堂々とした歩みで端からイシス、ヴェナ、カグヤと並ぶ形で佇む。


視界には壇上側から見て一番手前でいる“部下達”、そこから広がるのは候補生の波、若者達は入隊式で最高潮のヒートアップを見せ始めた。


「辻本ダイキ……!?知ってるぞ、つい最近朱雀国の……そう、ザルクヘイム聖都の異変を解決した……!!」


「ええっ!あの有名な“朱雀の若き英雄”様!」


「《黒白の先導者》……《深紅の騎士》……」


「新聞で見るより若いね!イケメンだし!」


「去年までは《朱雀零組》の学生だった、機関に就職する道を選んでたんだ……」


「《ロストゼロ》って言ったよな?あの前の子達を受け持つのか……!」


「でもあの人って1年前に…………を襲撃して。」


多方面から飛び交う真実、嘘、ウワサ。

『辻本ダイキ』という人物像を捉えたデリス四大国の候補生達は一様にして“英雄”の登場に沸いた。

現在最もデリスにおいて“話題”の彼、朱雀の英雄の機関配属はそれほどまでに若者に衝撃を与える。


一方、いや前方か。そんな指揮官と共にこれから任務に就く予定の《ロストゼロ》。6名の少年少女らも呑まれるようにして“自分達の指揮官”の存在感に思いを巡らせた。


(流石に大した人気だな……辻本ダイキ指揮官。零組からロストゼロ、この符号は出来すぎだが。)


(……“朱雀の若き英雄”…………っ!)


(…………)


(はぁぁ……素敵です、の先輩は……!あとで朱雀出身の候補生の女の子を集めてファンクラブを作ってもいいかも……!)


(雨月さん楽しそう……でも、“あの”辻本ダイキさんと一緒のチームなんて未だに信じられないよ……)


(フフ、それも含めて“連合機関”なのであろ。)


ロストゼロの各々が指揮官を瞳に映す間、副所長より指揮官でない非戦闘員の「機関職員」、マノ姉妹が紹介されていた。

モーガン副所長とは反対側の舞台端で姉妹揃って候補生にお披露目、元気よく手を振るアネットとペコリと一礼するソフィアには「可愛い」「美人すぎる」等主に男子から騒がれていた。



「―――では《ファースト・ワン》、《ツインズ・オウル》、《トライ・エッジ》、そして《ロスト・ゼロ》の編成発表を以上として」


「これより四聖秩序機関コスモス・ルフェインを預かる所長からのお言葉がある!」 


ではどうぞ。と虚空の壇上、その中央部に視線を送ったモーガン。


モーガン、イシス、ヴェナ、カグヤ、辻本ダイキ、アネット、ソフィアと並ぶなか、彼ら指揮官を統べる玉座のような位置の演壇から“七色の魔力”、まるでプリズムライトを利用したミラーボールのよう光が反射、屈折し合って「虹」が満たされた下、そこに“所長”はいたのである。


《白金の魔術王》―――クラリス・ロクサーヌ。


その登場、いいや光誕とも呼べる演出にヴェナはまるでどっかのアイドルのライブやん……と度肝を抜かれながらも心中でツッコミを炸裂させる。

辻本や他の職員達も薄々は気が付いていたが彼女がかなりの派手好きで豪快な性格である事をこのヒトコマで再確認。


機関の職員集結。

所長『クラリス・ロクサーヌ』がトリを飾った職員紹介は割れるような拍手と、喝采と、野次、これらが暫くの間は鳴り止まなかった。




所長挨拶―――。

が始まる前、副所長モーガンの指示で壇上に出ていた4名の指揮官と2名の職員は降壇、

イシス、カグヤ、ヴェナはそれぞれ3つのエリアで隔てられ予め指定されてる部隊の下へ(※おおよそ各部隊は250~300名ずつが候補生として配属)

そして辻本ダイキ、そんな“3つ”の部隊の重心になると説明された特務部隊―――最前列の《ロストゼロ》の所に。

講堂の全員はこれからの所長挨拶に備えて起立しているため辻本も部下達の若干斜め前、オズの隣くらいの邪魔にならないスペースで一緒に“所長”を見上げていた。


クラリス・ロクサーヌ。クラリス家現当主。

朱雀出身者なら一般の子どもであっても知るくらいに有名な一族。外国人でも『朱雀』を魔導大国に築き上げた魔術家門として『クラリス』は絶対の存在感と歴史的価値を秘めていた。

ゆえこの場にいる全ての人間は驚愕したはず。あのクラリスが“デリス連合の先駆けにならんとするための組織”、秩序などという実体と程遠い空虚、妄想を掲げている機関のトップを務める事に。


そんな“魔術王”、歴史の裏側を牛耳ってきた家門の末裔が“白コート”を纏いて口を開いた。


「―――《機関》の所長となったクラリス・ロクサーヌである。」


玲瓏たる佇まい、圧倒的カリスマ性を感じさせる冴えた音の声。

咳払いひとつ無くなった講堂は“もう”彼女の魔力によって支配されていたのだろう。


「外国人もいるゆえ、この名を知る者、知らぬ者はそれぞれだろう。しかし一つだけ確と言えることがある。」


「それはここにいる全ての者は、であるという事だ。」


人質と言い換えても面白いだろう。

不敵に口元を弛ませ“爆弾発言”をかました所長にざわめきが広がる。候補生、指揮官、皆が共通して目を見開く。

“人柱”―――人身御供、災厄から人の子や文明を守るため、生け贄として生きた人間を水や土に沈め壁の一部とする古来風習。

そんな恐ろしい言葉に二の矢、三の矢が被せられる。ロクサーヌ所長はこう続けた。


「“世界の変革”……そこで受け入れられない厄介者や曰く付きをまとめてぼろ雑巾のように使い潰すため、あわよくば調和のために」


「それはそなたら候補生も、私を含めた教員陣も同じ贄なのであろう。」


「っ……ロクサーヌ所長!それはあまりに!」


見栄や善悪を度外視した「コア」のような部分を突き詰めた所長の挨拶はモーガン副所長も予想外であったようで、慌てた様子で待ったをかける始末。


「………………」


「…………ふぅーん……」


最前列、《ロストゼロ》辻本ダイキ指揮官はポカンと開いた口が塞がらないシャルロッテ達の横で真剣な眼差しで所長を捉え続ける。こういう人こそが、時代を動かすのかも知れないと予感しながら。


そして候補生に紛れる元影の組織の幹部にして“最強”と畏れられた羅刹の少女はここにきて漸く入隊式に興味を持ったのか、最高位の魔術師である女所長をじっと睨み、狩人の眼光でどこか愉し気にニヤけていた。


「現在、我が機関に籍を置くものはそなたらを含めて凡そ4000人、これを少ないとするか多いとするかは出身や出自の違いが影響するだろう」


「ちなみに私は少ない派だ、少なすぎる。世界の未曾有の危機に対してデリスを占める四大国は何を出し渋っているのだと腹立たしいほどさ」


同感だ。と辻本は思う。


『時宮ロゼ』の復活以降、デリス大陸を蝕み続けている虚なる魔物ネクサスウィスプ

それに対抗すべく各国が出した1つの結論が“ここ”なのであるが、所長の言う通り“未曾有の危機”に対してこの4000人という数、あまりに天秤が釣り合っていない。


各国の精鋭部隊から1名ずつの派遣、朱雀に至っては自分のような“持ち上げられた”英雄を遣わせている。無論朱雀の現状の軍事力からすれば苦肉の策で、それの帳尻合わせが所長ロクサーヌなのだが。


出し渋っている、正にこの言葉こそ現在のデリス四大国を言い表す真実の姿であった。


朱雀、玄武、青龍は怖れているのだ。この地、白虎帝国に「兵力が奪われてしまう」事態を。自国防衛を割いてまで世界のスピードに合わせられない……そんな背景がどこまでも付きまとっている。


「いいか諸君!疑いを捨てた時、ヒトは進化を辞める。信じる事は無関心というやつだ」


「ならば疑い続けよ、蜃気楼のなかで!」


ロクサーヌは新兵に問い掛けるように、火を灯すようにして語気を強める。


所長の激励に候補生らの殆どは無意識にその手を握りしめていた。“機関”における在り方、国を代表する戦士に成り得る始まりに武者震いしていた。


“蜃気楼”、朱雀・白虎・玄武・青龍という“色彩”が放つ光の屈折、その地平線の先に見える像は夢か現か。


―――デリスの起源に陰と陽あり―――。


「創世記1章天地創造。『禁書』になるものも多いが私は神、そして獣の築いたセカイの始まりが大好きでな。」


「フフ、そなたらはという魔物を知っているか?」


キマイラ―――獅子の頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ神話怪物。現代のデリスにはそのような魔物は存在しない、謂うならば古代のモンスター。


「生物学ではキメラともいうが、すなわち同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっているモノ、『異質同体』だ。」


ロクサーヌの説明で軽く反応を示したのはメアラミス。人形としての己と奇蹟の獣である異物を融合し一体と成した彼女キメラ-メアラミス、まるで先程から睨んでいた事への仕返しのよう所長は金眼の視線をメアラミスに刹那、投げかけた。


辻本もそのやり取りは見逃さなかったが、直ぐに所長との目線を外してぷいっと違う方向へ顔を動かした少女を確認して、


(メアラミス……影についても“情報”は握っているという事か。そして所長の言うキマイラ……。)


集団に対しての挨拶なはずなのに個への投げ掛けのように感じれてしまう辻本。

内容はキマイラ、四聖秩序機関コスモスルフェイン紋章シンボルにも使われている異種合成獣に戻り。


「この紋章の“意味”についてはここでとやかく講釈を垂れるつもりはない。何故なら意味とは他人に与えられるものでは無く、己で生み出すものなのだから」


演壇の後ろで靡く“軍校旗”。

士気を高めるため団結を象徴化した旗に描かれているのは『キマイラ』の横姿。

銀基調を赤、黄、緑、青の細部で彩られたエンブレムは候補生、指揮官共に制服の両肩に刺繍され証となる。


「ならば問うことはただひとつ、ここに所属する者は皆」


「朱雀の翼を広げ、白虎の牙を有し、玄武の地に聳え、青龍の鱗と成る覚悟はあるか―――!?」


「その覚悟なき者は今すぐ己が祖国に帰るがいい!」


「…………!!!!」


クラリス・ロクサーヌの魂を震わす問い掛けに若者達はみな、自分の胸に手を当て“機関”に籍を置く意味をもう一度深く考える。

イシス率いる《ファースト・ワン》。

カグヤとまだ未到着の指揮官率いる《ツインズ・オウル》。

ヴェナ率いる《トライ・エッジ》。

辻本ダイキ率いる《ロストゼロ》。

800名全員が決意の表情を浮かべた。


その様子にモーガン副所長、そしてマノ姉妹も小さく頷き合う。全員の視線は再度ロクサーヌ所長へ集約され、誕生した支配者が含み笑う。


「フフ、よかろう。ならば歓迎しようぞ!」


支配者―――《白金の魔術王》は両手を天に掲げるようにして広げた。

朱雀・白虎・玄武・青龍。デリス四大国から差し出された贄を、これから喰らうように……。


「ようこそ、《四聖秩序機関》へ―――!混迷の旗に集いし反逆徒よ、安寧秩序の《礎》たれ!』


贄は柱となりて礎に。

『礎たれ』、四聖秩序機関の憲章をロクサーヌが口にしたのを合図に、世界は刻の針を進める。



銃声―――1発の銃声が聴こえた。


乾いた音、弾丸は金属音を伴って真っ直ぐに王の心臓部を貫く。そんな光景が飛び込む。


この刻、

四聖秩序機関所長、クラリス・ロクサーヌは銃撃された。

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