第3話 姫香様

 なんとリビングには両親が二人揃って待ち構えていた。


「お帰り🤗✨」母親がニコニコ出迎えた。

 事前に連絡がしてあったみたいだ。



「ただいま。あのォ」

 僕が、両親に姫香を紹介しようとすると、先手を打つように母親が彼女に挨拶をした。



「あら、チンゴー。そちらのお嬢様が龍宮家の姫香ヒメ様なの❓」

 すでになのか、母親は笑みを浮かべた。



「いやいや、なんで、お母さんが息子の僕を『チンゴー』ッて呼ぶんだよ」

 いつも通りゴーって呼んで欲しい。

 恥ずかしいだろう。



「ハイ、龍宮 姫香です。気軽に姫香ヒ メ下さい✨😌✨✨」

 気品を感じさせる応対だ。



「おおォ~…、貴女あなたが噂の姫香ヒメですか。

 ウチのバカ息子のチンゴーを宜しくお願いします」

 今度は、うやうやしく父親が頭を下げた。



「だから、両親揃って『チンゴー』ッて呼ぶなよ❗ 可笑しいだろう❗❗

 ジン ゴーだよ。僕の名前は❗❗」

 バカなのか、僕の両親は。



「ハイ、お父様、お母様、の事は私にお任せ下さい✨😌✨✨」

 姫香は、ワザと『チンゴー』と言っているように聞こえる。

  


「ンゥ……😔」なんとも複雑な気分だ。



「ウチのチンゴーが、龍宮家のお嬢様となんて信じられないわ」

 母親はウキウキしているみたいだ。

 よほど嬉しいのだろう。


 ヤケに今日は化粧のノリが良い。



「あ、あのォ、マジで僕、求婚されてるンだけど良いの❓」



「ああ、もちろん構わんぞ✨🤗✨」

 父親も満面の笑みを浮かべた。

 続けて母親も大きく頷いた。



「あのねェ…… 結婚すれば僕は婿養子になるんだよ」

 良いのか。そんな簡単にっても。



「良いわよ。この際、龍宮家の方に貰って戴けるならァ。何かオマケを着けて引き取って欲しいくらいよォ~✨😆🎶✨」

 


「いやいや、在庫品一掃のバーゲンセールじゃないんだから。オマケ付きッて」

 そんなに僕は邪魔モノなのか。










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