1-11 夢想/5922 60F3

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>記: 壱与乃語


 あさぎり。めのまえの景色を 白くぬりつぶす。


 優しい しおかぜ。かれが気配をつたへた 黒い影とめがあう。


「                                                            」


 ふなつき ば。そのこえを きこうと思えない。


 そこは 忘 れたばしょだった。とても ではな いけど。其處乃事遠思ふと益益景色乃混迷加゛深増ってゆく。


「鮟�ウ画エ・繧よオキ繧よ款縺嶺クヲ縺ケ縺ヲ 蜷帙i縺ョ荳ュ縺ォ螟也阜縺ォ 騾」邯イ縺ィ縺励※豁、縺ョ荳也オア縺ケ 謌代i縺ッ蜈カ蜃ヲ縺ォ逕」縺セ繧梧擂繧」


 證ォ縺。暫く。しばらく。

 めくれあがってゆく。 絵巻物のはし。 石段を ならんでのぼる。 ながくよこたわる。 鉄のはし。 らんかんに手をかけ あさつゆの冷たさを 指に触れる。


>もういちどいって。


「����津も海も押し並べて 君らの中に外界に 天网として此の世統べ 我らは其處に产まれ來�」


 もう一度言って。


黄泉津よもつも海も全て君たちの中に、そして外界に。天網としてこの世界を覆い尽くしている。私たちはその中、情報の滄海に産まれた」



ああ わがこよ わたしを こいこがれるあまり あなたは このよに よもつを もうけた

 しらない。それとわたしは会ったことなんてないのに。


「いつか全てわかる。まだ見ぬ君も、過日の君も。私も其の方も、変わら魂を持つ者なのだと」

ああ わが うつしみよ わたしを わすれて しまつた のか

 きっと。忘れた。だから この河口のざわめきを許したのだと。


 あおぞらをなぞる指。すりあわせる冷たさを。感じたふりをした。

あなたのむこふで。わたしは愛しくかれをおもふ。

 目蓋をつむっても。まっくらにはならない。ひっぱられ かさなりあい。うつりいり 交差するこころ。ゆれるそれが。帰り道となって頬を伝った。


 さいごに彼はわたしを抱いたのだ。

 ちいさなわたしのからだを。おおいかくすように 抱きしめた。

 あめかける影 ゆらめく海の光。それはとても甘くて。ちいさくなった胸の隙間 流れこみ 溢れ出す。抱きしめ返すそれももうわたしには亡く。顔をあげた。



 はしの欄干。首のない鳥と、下顎から上のない娘が見つめていた。


「 8ACB 512A FF1F 」


 その名前を呼ぶと、それは飛び立っていった。





 伸ばした腕をしばらく、静かに見つめていたけれど、じき気怠くなって降ろす。

 瞼をひとたび下ろし、涙を拭う。心の中は未だ、又もや忘れてしまったあの人のことを探していた。





「顔色が悪いな」


「あら、顔を覚えてくれていたなんて。とても光栄です」

 そういうスクネの顔もまたよくはなく、二人とも縁台に並んで座る。


「お前名前は」


「イヨ。ヤマトトトビのイヨ」


「イヨか。......目覚めが悪いのか」


「......なぜわかったの」


「オレもそんなもんだからだな。......脳の吹っ飛んだ妹を寄って直に見た。今でも浮かばれないだろうし、だからこそ夢枕に立つのだろう」


「......悔やんでも悔やみきれないですね。わたしも見てしまった......ので確かに出てきて。でもわたしの夢はちょっと変なんですよね」


「どんなだ」


「目覚めて経ってしまえばもう、大半は覚えてないです。ただ......うまく説明できないですけど、忘れてしまうほど懐かしくて、愛おしい人に会えたような」


「まあ、聞く限りじゃあまり変でも不思議でもなさそうだな」

 スクネは火鉢に煙管を無作法に突っ込み、目の前で煙草を吸い出す。


「そんなものなのでしょうかね」


「ああ、よく思うものよ、夢ってのは不思議なものだと。魂が身体を抜け出して、見れるはずもないどこかの景色を伝えてくるんだから」


「......わたしの教育係曰く、夢とは脳が睡眠中記憶を整理している時に見るものだそうです。幽体が身体を離れているわけではない、のではありませんか?」


「ああ? えーっとつまりは何か、たとえやぁオレがクジラが空を飛んでる夢を見たとしようや。おめえはオレがそのさまを見たとでも言うのか」


「ないとも言い切れませんし、脳が分類・整理をする過程で誇張や故事との関連づけによる幻想化もありえるでしょう。夢は神々の啓示という一面もありますし、そういう事柄に影響を受けやすいのでしょう」


「こむずっかしいことを平気でしゃべりやがんな、おまえは」


「まあ、巫女になるようにと命じられて産まれてきたので」


「誰にな」


「......高天原の神様に決まっているじゃないですか」


「へえ。オレなんかよかよっぽど立派だな」


「自虐的ですね。皮肉ですか」


「ああそうとも、女っ子一人親代わりに育てられなかった奴が立派なワケあろうかよ」

 目を伏せたスクネは、深いため息ひとつ、煙と共に吐き出す。


「待って、そんなつもりじゃなかった。ごめんなさい」


「いいよ、誰も悪くねえんだから。......ちげえな、わりいのはアイツを利用した野郎だ」

 怒りの遣り場をまだ知らぬ瞳は、令外局のよく清掃された廊下を、寂しく見つめていた。




「すべての手続きは完了し、遺体の身元の特定を待つばかりとなっている。調査は滞りなく行われ、おおまかにこの娘をトキの町に君と同時期に在住していたコウという少女であるという特定は概ね完了していると伝えよう」


 白い水干と浅葱袴の上に毛皮の羽織を纏った、短めの総髪の女性。冷たい混凝土こんくりいと造りの地下室にたたずんでいるその様がまるで、安置所と同化しているようで息を飲むほどわたしとスクネを緊張させていた。


「あとは、遺伝子鑑定による身元の特定というわけか」

 ヤマテラスと先刻名乗ったその女性にアラヤが問いかける。スクネの前で場都が悪そうにヤマテラスは口を開いた。


「それが完了しない限りはスクネ君、そしてイオリ氏を解放できないというのは以前説明した通りだ。君たちの動向は道義的には三国への反逆意思がないというのはある程度判明しているが、手を貸していた組織があまりに不味かった。......まあまだ可能性の話だがな」


「......ってえと?」


「君が義妹と主張するコウは...... 気の毒に思うだろうし、彼女にとってもそうだったかも知れないのだが......、電脳を完全に破壊されていた」


「まわりくでえな、はっきり云えや」


「済まない、そうだな。簡単に言えば、跡形もなく破壊されていなければ彼女の身元確認はもっと容易だったはずなんだ。彼女の電脳に割り当てられた識別情報、記憶との照会。その他我々が知りたかった外部との通信記録の全てが、ケナ君の機転によって喪われてしまったわけだ」


「だからオレとの関係も疑ってるっていうわけかよ」


「情報が喪われてしまった、という以上に我々は闇に葬られたと見ている。それは恐らく彼女を操作していた人物の正体を明かさないための策略でしかないとは思うがね。だが同時に、先刻彼女がトキの町に君と同時期に居たと特定した、とは言ったな。だが同時にそれは、君と共にイザリオガリカネスネと共に居住していたという確証を含まない」


「......なんだってんだ、おめえは。確かにオレはあいつと一緒に、親父のもとにいたんだぞ! オレの頭いじって調べても構わねえ!!」


「君の外部記憶はトキの闇医者から押収させてもらっていて、今解析を進めている。電脳化する際の後備であり、解像度が低すぎてなんともだがね。今君の記憶を解析するのもやぶさかではないが、それはそれで時間がかかる。ともかく結論としては、君との関係性、カネスネの娘であるという確証が得られない限り、少なくとも君の身柄は解放することができない」


「......じゃあ、その確証が得られたなら?」

 ある程度の帰結を自らに得ながら、わたしはヤマテラスに問う。


「まず略式ながら葬儀を執り行い、その後に君を解放し、復職支援も行う。当然だ」


「わかりました。アラヤ、スクネの外出許可を取れるかしら。トキの町へ行ってみましょう」


「おっ、おう......俺たちの足で捜査を行うのはアリだが、俺はスクネの記憶を解析したほうが......」


「そうと決まりゃ、こんな寒くて恐ろしいとこに長居してられっか。イヨがそう云うなら行ってみようぜ」


 どんどん話を進めるわたしとスクネに、アラヤは肩を落とし「なんでどいつもこいつも勝手にコトを進めたがるんだ......」と零していた。

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