第4話

「どうしたの、ボーツとして」

アカリが家でスマホのことを考えながら座って

いると、後ろから母親のサオリ

が声を掛けて来た。

「うっ、ううん。別に」

とっさに振り向いたアカリは

つい嘘をついてしまった。

「ママ、物忘れする?」

「えっ」

サオリが掃除機のスイッチを切った。

「なによ、いきなり」

「あっ、うん。ちょつとね」

「まあ、度忘れ程度ならね」

そのとき玄関のチャイムがなった。

アカリが応対に出る。

客は薫だった。

「どうしたの、悲壮な顔して」

「わかったの、なぜスマホの

ことを忘れるのか」

薫の言葉にアカリは驚いて

大きく目を見開いた。







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