第3話

「どうしました」

医師はさほど高圧的でもなく、

それほど悪い印象はなかった。

笑顔は柔和で、性格の温厚さ

を表しているように思えた。

「あの」

アカリは口籠った。

「はい」

「スマホが何かわからないんです」

アカリがそう言うと、医師は

それほど驚いた様子もなく、落ち着いて

いるようだった。

「そうですか」

医師はそれだけ言うと、パソコンの

キーボードを打ち始めた。

「驚かないんですか」

「二十七人目です」

「えっ」

「今日あなたと同じような病状を訴えて

来られた方は他にたくさんいらっしゃった

ということなんです」

「そんな」

驚いたのはアカリだった。


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