第25話 テスト勉強とはいったい

ㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side こう ――



――なつと付き合い出して十数日。


一学期の実力テストを一週間後に控え、学校は授業が午前中だけとなり、お昼前に下校となる。

今日は私の家でなつと勉強会をする事になった。


私の部屋は、毛の長いカーペットに楕円形のローテーブル(ちゃぶ台的な)が置いてあるのでそこでする。

座布団は無いので、何か欲しければリビングのクッションをセルフサービス(自分で用意)で。


行儀が悪いかもしれないけど床の上にお盆を置いてそこにお茶を置いておく。

テーブルに乗せておくと邪魔だし、当たってこぼす可能性が有るからね。


なつと向かい合って座る。

同じクラスだから出される問題も一緒だから楽で良い。

因みにうちの学校はクラスによって担当教科の先生が違う事があり、先生ごとにテスト問題を作っているので、クラスが違うだけでテスト問題も違うという事がある。




「ねぇこう、ここはどうすればいいの?」

「ああ、ここは・・・・・・」


「ねぇこう、これは?」

「ああ、これは・・・・・・」


うん、順調だね。

私は元から授業内容は大体理解出来ているから、復習を、正に繰り返すだけ。

なつは解らない所を潰していく感じ。

何時もこんな感じ。

なつは解らない事を聞く事もあるけど、基本は教科書に載ってるから覚えさえすれば出来る。

寧ろ、下手に私独自のやり方を教えると迷宮に嵌るみたいでそこは自重する。

前に数学で私独自のやり方で教えたらフリーズしたからね。

何故か理解されなかった。

私ってオカシイのかな?

・・・・・・スン。

って、思い出して落ち込んでる場合じゃないね。


なつに質問されても教科書で基本を確認するだけ。

それで出来る様になるんだからなつも頭は悪くない。

でも、忘れちゃうんだよね。

なつも一周するとまた同じ所でつまづく。

そこがなんか可愛いんだけど。

繰り返し覚えさせる。

反復大事。


勉強始めて2時間位たったかな、なつがチラチラとこちらを見て来る様になった。

集中力が途切れたみたいだし、ここらで休憩した方が良さそうなので、勉強を中断する事にした。


「休憩しよっか」

「うん。そうしよそうしよー」


なつのテンションが目に見えて上がる。


痛たた。

ずっと正座してたから足が痺れた。


う~ん、と二人とも伸びしたりして身体をほぐす。

ふとなつの視線に気づく。


うわ~。

凄く悪戯したそうな顔してる。


「足のしびれってさー、圧迫されて悪くなってた血流が急に解放されて起こるんだってさ」

「あ、ああ、そうだね?」


対する私は足が痺れ中。

逃げれません。


「だからしびれや痛みを抑えようと思ったら、血流を抑えてゆっくりにするか、逆に血行を良くするんかなんだって」

「へー」


足の痺れに関するうんちく? を延べながらなつがにじり寄ってくる。

解るよー。

痺れてる人の足ってつつきたくなるもん。

でも私がその対象になるのはノーサンキューだよなつ


「血行を良くすると言ったら、やっぱストレッチやマッサージだよなー」

「そうだね」

「試してみよ?」

「やだ」

「何で? 早く治るかもしれないのに」

「触れられると痛いから兎に角嫌」

「まあまあ、そう言わずに」

なつが自分にすれば良いじゃん」

「残念、わたし足崩してたからしびれてないんだわ」

「じゃあ今度痺れた時にでも」

「やだ」

「なんでなつが拒否るの?」

「今こうにやりたいから。異論は認めません」

「ズルい、ってちょ!」


なつは私の左に来ると、私が伸ばしてた膝下に手を入れ膝を曲げさせた。

座ってるけど膝カックン。


痛た。


そして何故か私の後ろに回ると抱え込んできた。

私の太ももまで腕を伸ばして抱える感じで。

何て言えば良いんだろう。

今私は体育座りになっているんだけど、なつは私を後ろから太ももにまで腕を伸ばして抱え込んでいる。

アレだ、小さい子を抱えてオシッコさせる体制って言うの?

流石に持ち上げられておらず、二人とも床に座ってるけど。


待って!

これは恥ずかしい!!


なつ!? 何やってるの!?」

「まあまあ」

「まあまあ、じゃない! 離して!?」

「やだ」

「もう! またそれ!」

「先に言ったのこうじゃん」

「そうだった!」

「あはは」

「あははじゃない! 兎に角離して?」

「んー、もうちょっとこのままでいたい」

「いや、私恥ずかしいんだけど」

「えー何で?」

「だって、なんか子供にオシッコさせる体勢みたいじゃん」

「・・・・・・ああ、確かに!」

「ねえ、だから離して?」

「やだ」

「やだじゃない!」

「誰にも見らてないからいいじゃん」

「良くない! 見られてなくても精神的に恥ずかしいから!」

「まあまあ」

「ああもう」


うーん、堂々巡り。


「ねぇ、なんでこの体勢なの?」

「うーんとね、なんか体育座りすると、血流が抑えられるからしびれや痛みが緩和するとかなんとか」

「へー・・・・・・、ってそれだと別に私に体育座りさせるだけで良くない? なんで後ろから抱え込んでるの? しかも太ももまで」

「んー、それは・・・・・・、こうしたかったから!」

「!!」


ちょっ!

なつが太ももを撫でてきた。

くすぐったいし恥ずかしい。

最初から痺れた足じゃなくセクハラ目的だったか。

なつの撫でる手つきが厭らしくて兎に角色々ヤバい。


抵抗するために暴れていると、ある事に気が付いた。


あれ?

足が痛くない。

痺れがもう治ってる?

思った以上に早く治ってるから効果あったのかも。


「あ、なつ、痺れがもう治ったみたい! なつ凄いね、ありがとう!」

ナデナデ

「そりゃー良かった。どういたしまして」

サワサワ

「で、そろそろ離してくれないかな?」

ナデナデ

「やだ」

サワサワ

「――っ、もう――! ちょっ! それ以上はダメだから!!」

「ふっ」

「!?」

ガシッ


片足ずつ足で足を絡められた。


「ああもう!」


これは抵抗する事すら火に油を注ぐ事になる気がする。

抵抗しないのが一番早く終わる・・・・・・のかもしれない。

少し待つことにする。


・・・・・・結局良い様にしばらく撫で繰り回された。


「・・・・・・ねえ、そろそろ勉強に戻ろうか」

「えー」

「えーじゃない」

「ふむ、じゃあこのままで勉強再開!」

「良かった、っておい。どうやって勉強するの? これだと私しか出来ないでしょ? なつはどうするの?」

「あー・・・・・・。じゃあ交代しよ?」

「は?」

「今度はこうが後ろからわたしを抱き締めるの」

「抱き締めるのから離れよ?」

「やだ」


はぁ。

このまま続けると勉強が進まない予感。

なつの成績が心配だから私が折れよう。


「解った。私がなつを抱き締めるから勉強してね」

「え!? 良いの!?」

「その代わり、後ろでずっと見てるから、さぼったら即解るからね」

「いいよ何でも」


さあ早く、と私を離してテーブルに向かうなつを今度は私が抱きしめる。

流石に太ももまでじゃないけど、なつのお腹に左腕を回す。


「じゃあ勉強始めよ」

「解ったって」


私は右の床にノートを置いて右手でそれをめくる。

見づらいけどまあ良いか。


やっと勉強を再開したなつだけど、何だかソワソワして集中していない。


何やってるの。


「ねえ」

「なっ、何?」

「なんか集中出来ないみたいだけど、どうしたの?」

「ソ、ソンナコトナイヨ?」

「そんなあから様な・・・・・・」


挙動不審でそんな解りやすい嘘を・・・・・・。


「で? 何んで?」

「い、いや何でもないよ? ・・・・・・うん、わたしが悪かった! 今から頑張るから!」


何でもないと言いつつ、自分が悪いと認めた。

さて、何に対して悪かったと認めたのやら。

本人も矛盾した事言ってる事に気付いているだろうに。


原因は解らないけど、今から頑張るのなら良いか。


「じゃあ再開ね」

「おう」


やる気を出してくれるのは嬉しいんだけど、結局何だったんだろう?


漸く勉強再開。



それからはなつも集中して勉強を頑張っている。

もう夕方5時、勉強を終える予定時間だ。


「そろそろ終わろうか」

「ふー」


後ろから声を掛けると息をつくなつ


「ところでこう

「何?」


さて、と離れようかとした所でなつのお腹に回してた左手を掴まれる。


「勉強頑張ったんだしご褒美が欲しい」

「うん?」

「ほら、わたし頑張ったじゃん?」

「勉強は自分の為にするもんだよ? 頑張ったのは偉いと思うけど、それでなんで私がご褒美をあげなくちゃいけないの?」

「正論が痛い」


何を言い出すかと思えば・・・・・・。

まあでも、何か目標を持つことで勉強のバイタリティにする事もあるのは解る。

その目標が、テスト終わった後は欲しい物を買おうとかデートをするとかいうご褒美になるような物を目標にするのもアリだろう。


しかし、今日頑張った分でご褒美を欲しがるとかどうなの。


「でも、わたしなりに頑張ったんだー」


そんな事を言って拗ねるなつ

拗ねてる所も可愛いんだけど。


ふと、私も悪戯心が湧く。


「良いよ、ご褒美。でもあげる私が決めて良いんだよね?」

「え!? マジで!?」


一気に浮上し喜ぶなつ

私が決めたご褒美、何を、とは言わない。


私はそのなつをまだ後ろから抱きすくめている状態。

右手もなつの腰に回して固定。

なつの首筋いキスをする。


「え? なっ? こう??」


そのまま唇を這わせる。



「~~っ! こ、こうー」


なつが情けない声を出しだした。


「因みに、私も勉強頑張ったんだし、なつも私にご褒美くれるよね?」

「え、あ」


今頃気が付いたらしい。

なつにあげるのなら私にも貰う権利がある。


「だから、お互いあげ合えば良いよね」

「そ、そうだね?」


同意を得たと判断します。


なつのお腹から腰をソフトに撫でまわす。

なつはくすぐったいのが苦手で横腹が弱点だ、勿論首筋も。

ズルズルと足側に向かって崩れるなつの顎を上げさせて、顔の向きがお互い上下逆になるけど上から被さる様に顔を近づけ唇を重ねる。


「・・・・・・、じゃあ、続きはベッドでしよっか」

「あ、ああ・・・・・・」


よろよろとしているのを腕を引いて立ち上がらせる。

私の部屋なのでベッドもすぐそこ。


ベッドのふちに座らせてキスをしたまま押し倒し服を剥ぐ。


成すがままのなつというのも珍しい。


と、思ってたらなつの両手が、同じく服を脱いだ私の胸に触れてきた。

何を考えているのかポヨポヨと遊んでいる。

性的趣向がその行為にあるとは思えないし、意趣返しのつもりで遊んでいるのだろうか?

私は攻めるよ。

今度は私がなつの太ももを撫でる。

太もももくすぐったいらしく即拒否された。

残念。

ならば私もなつの胸を揉む。

私は “刺激する様に” 。



休憩時になつに抱きしめられて太ももをベタベタ触られた時に結構ヤバかったんだよね。

勉強も終わったしもう良いよね。

先に火をつけたなつには責任をとってもらいます。


 頂きます――

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